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10分以内で読める長谷川時雨の短編作品

青空文庫で公開されている長谷川時雨の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
北京の生活長谷川時雨
10分以内
そのころ、義弟の住居は、東三條胡同といふ、落着いた小路にあつて、名優梅蘭芳の邸とおなじ側にあつたが、前住のふらんす婦人の好みで、多少ふらんす風に改築された支那家屋だつた。
きもの長谷川時雨
10分以内
着ものをきかへようと、たたんであるのをひろげて、肩へかけながら、ふと、いつものことだが古への清少納言のいつたことを、身に感じて袖に手を通した。
旧聞日本橋長谷川時雨
10分以内
あたしの古郷のおとめといえば、江戸の面影と、香を、いくらか残した時代の、どこか歯ぎれのよさをとどめた、雨上りの、杜若のような下町少女で、初夏になると、なんとなく思出がなつかしい。
うづみ火長谷川時雨
10分以内
兩國といへばにぎわ敷所と聞ゆれどこゝ二洲橋畔のやゝ上手御藏橋近く、一代の富廣(ひろ)き庭廣き家々もみちこほるゝ富人の構えと、昔のおもかげ殘る武家の邸つゞきとの片側町、時折車の音の聞ゆるばかり、春は囘向院の角力の太鼓夢の中に聞て、夏は富士筑波の水彩畫を天ねむの後景として、見あかぬ住居さりとて向島根岸の如き不自由は無、娘が望かなひ、かの殿の内君とならば向河岸に隱宅立てゝと望は、あながち河向ひの唄女らが母親達のみの夢想にもあらぬぞかし。
水色情緒長谷川時雨
10分以内
鏡花先生の御作を私が好きだつた理由は、魂を無何有の郷へ拔いていつて貰へることでした。
あるとき長谷川時雨
10分以内
むさしのの草に生れし身なればやくさの花にぞこころひかるると口ずさんだりしたが、「わたしの前生はルンペンだつたのかしらん。
長谷川時雨
10分以内
ある日、婦人ばかりといつてよい招待の席で、小林一三氏が、吉屋信子さんの新築の家を絶讃された。
鏡二題長谷川時雨
10分以内
暗い鏡鏡といふものをちやんと見るやうになつたのは、十八――九の年頃だつたと思ひます。
桑摘み長谷川時雨
10分以内
庭木の植込みの間に、桑の細い枝が見える。
下町娘長谷川時雨
10分以内
江戸の女を語るには、その階級から語らなければならない。
佃のわたし長谷川時雨
10分以内
暗の夜更にひとりかへる渡し船、殘月のあしたに渡る夏の朝、雪の日、暴風雨の日、風趣はあつてもはなしはない。
東京に生れて長谷川時雨
10分以内
大東京の魅力に引かれ、すつかり心醉しながら、郷里の風光に思ひのおよぼすときになると、東京をみそくそにけなしつける人がある。
夏の女長谷川時雨
10分以内
一夏、そのころ在阪の秋江氏から、なるみの浴衣の江戸もよいが、上布を着た上方の女の夏姿をよりよしと思ふといふ葉書が來たことがある。
初かつお長谷川時雨
10分以内
鰹といふと鎌倉で漁れて、江戸で食べるといふふうになつて、賣るも買ふも、勇み肌の代表のやうになつてゐるが、鰹は東南の海邊では、どこでも隨分古くから食用になつてゐる上に、鰹節の製造されたのも古いと見えて、社の屋根の鰹木は、鰹節をかたどつたものだと、「舍屋の上に堅魚を」と古事記にあれば、水の江の浦島の子をよめる萬葉の長歌には春の日の霞める時に住吉の、岸に出でゐて釣船の、とをらふ見れば古の事ぞ思ほゆ、水の江の浦島の兒が堅魚釣り、鯛釣りほこり七日まで――と、魚の王鯛と同格...
長谷川時雨
10分以内
今朝昨夜、空を通つた、足の早い風は、いま何處を吹いてゐるか!あの風は、殘つてゐたふゆを浚つて去つて、春の來た今朝は、誰もが陽氣だ。
四人の兵隊長谷川時雨
10分以内
出征文人の一員、林芙美子のリユツクサツクのなかへはいつて[#「はいつて」は底本では「はついて」]、わたしの心持も行くといふと奇矯にきこえるが、わたくしの兵隊さん慰問文が、おぶつていつてもらふことになつた。
古い暦長谷川時雨
10分以内
坪内先生は、御老齢ではあったけれど、先生の死などということを、考えもしなかったのは我ながら不覚だった。
紫式部長谷川時雨
10分以内
八月九日、今日も雨。
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