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5分以内で読める萩原朔太郎の短編作品

青空文庫で公開されている萩原朔太郎の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
萩原朔太郎
5分以内
いたましき芽は伸びゆけり、春まだあさき土壤より、いとけなき草の芽生はうまれいで、そのこゑごゑはかしましく、はるる日中の、大空ふかくかがやけり。
三人目の患者萩原朔太郎
5分以内
三人目の患者は、いかにもつかれきつた風をして、べろりと舌をたらした、お醫者が小鼻をとんがらして、『氣分はどうです』『よろしい』『食物は』『おいしい』『それから……』『それからすべてよろしい』そして患者は椅子からとびあがつた、みろ、歪んだ脊髓のへんから、ひものやうにぶらさがつた、なめくじの神經だの、くさつたくらげの手くびだの……。
敍情小曲萩原朔太郎
5分以内
きみがやへばのうす情けほのかににほふたそがれに遠見の松を光らしめ遠見の櫻を光らしめ浪は浪浪きみがかたへと。
もみぢ萩原朔太郎
5分以内
霜つききたり木ぬれをそむるとおもひしものを庭にあづまやの遠見をそめうすべにさせる魚をそめわかるるきみのくちをそめ。
春日詠嘆調萩原朔太郎
5分以内
ああいかなればこそ、きのふにかはるわが身の上とはなりもはてしぞ、けふしもさくら芽をつのぐみ、利根川のながれぼうぼうたれども、あすは逢はれず、あすのあすとてもいかであはれむ、あなあはれむかしの春の、みちゆきの夢もありやなし、おとろへすぎし白雀の、わがゆびさきにきてしみじみとついばむものを。
吹雪萩原朔太郎
5分以内
わが故郷前橋の町は赤城山の麓にあり、その家竝は低くして甚だ暗し。
諷詩萩原朔太郎
5分以内
友だちはひどく歪んだ顏をしながら、虱(しらみ)に向つて話をした。
絶望の足萩原朔太郎
5分以内
魚のやうに空氣をもとめて、よつぱらつて町をあるいてゐる私の足です、東京市中の掘割から浮びあがるところの足です、さびしき足、さびしき足、よろよろと道に倒れる人足の足、それよりももつと甚だしくよごれた絶望の足、あらゆるものをうしなひ、あらゆる幸福のまぼろしをたづねて、東京市中を徘徊するよひどれの足、よごれはてたる病氣の足、さびしい人格の足、ひとりものの異性に飢ゑたる足、よつぱらつて堀ばたをあ...
酒場にあつまる萩原朔太郎
5分以内
酒をのんでゐるのはたのしいことだ、すべての善良な心をもつひとびとのために、酒場の卓はみがかれてゐる、酒場の女たちの愛らしく見えることは、どんなに君たちの心を正直にし、君たちの良心をはつきりさせるか、すでにさくらの咲くころとなり、わがよき心の友等は、多く街頭の酒場にあつまる。
よき祖母上に萩原朔太郎
5分以内
かの家の庭にさく柘榴の花、あかるい日光の中にふるへる空氣のさびしみ、年老いたる祖母上よ。
紫色の感情にて萩原朔太郎
5分以内
ああその燃えあがる熱を感じてゐるこの熱の皮膚をしばしば貴女にささげる憂鬱の情熱をただ可愛ゆきひとつの菫の花を貴女の白く柔らかな肌に押しあてたまへここにはまた物言はぬ憂愁の浪紫をもて染めぬいた夢の草原ああ耐へがたい病熱の戀びとよ戀びとよ今日の日もはや暮れるとき私は貴女の家を音づれその黒い扉の影に接吻しようしほしほと泣く心の奧深く貴女はその惠をたれ慈愛をもて久遠の道を聽かせ給ふか...
我れ何所へ行かん萩原朔太郎
5分以内
情緒よながい憂鬱のながれを視てゐるとあまりに私の眺望もさびしくなるこの日もすでにくれがた人生の影ながき厭生哲學の書物をひらけばああはやいみじくも芽ぐみきたる感情の昂進よさばかり情愁のみどりをふくめばさびしき思想の倉庫をひらき重たき黒の冥想の頭巾をとりて歩まんいざや歩み行かな。
眺望する萩原朔太郎
5分以内
すべては黒く凍つてゐるさびしくかたまる岩の上にみじめに歪んだ松の幹に景色は凍え、飢ゑ、まづしく光つて叫ぶばかり。
別れ萩原朔太郎
5分以内
友よ安らかに眠れ。
春昼萩原朔太郎
5分以内
うぐひすは金屬をもてつくられしそは畔の暗きに鳴き菫は病鬱の醫者のやうに野に遠く手に劇藥の鞄をさげて訪づれくる。
祈祷萩原朔太郎
5分以内
黄菊はすでに散つてしまつた漕手よ船路を遠くかへつてくる時さびしい海鳥はますとに飛びかひ日は憂鬱の浪にただよふ。
記憶萩原朔太郎
5分以内
記憶をたとへてみれば記憶は雪のふるやうなものでしづかに生活の過去につもるうれしさ。
萩原朔太郎
5分以内
鶉や鷓鴣の飛びゆくかなたにふたたび白堊の城は現はれ風のやうに消えてしまつた。
近日所感萩原朔太郎
5分以内
朝鮮人あまた殺されその血百里の間に連なれりわれ怒りて視る、何の慘虐ぞ。
クリスマス萩原朔太郎
5分以内
クリスマスとは何ぞや我が隣の子の羨ましきにそが高き窓をのぞきたり。
南京陥落の日に萩原朔太郎
5分以内
歳まさに暮れんとして兵士の銃劍は白く光れり。
広瀬河畔を逍遥しつつ萩原朔太郎
5分以内
物みなは歳日と共に亡び行く。
父の墓に詣でて萩原朔太郎
5分以内
わが草木とならん日にたれかは知らむ敗亡の歴史を墓に刻むべき。
昔の小出新道にて萩原朔太郎
5分以内
兵士の行軍の後に捨てられ破れたる軍靴のごとくに汝は路傍に渇けるかな。
抒情小曲集萩原朔太郎
5分以内
私にとつて限りなくなつかしく思はれるは、この集にをさめられた室生の抒情小曲である。
愛の詩集萩原朔太郎
5分以内
ちちのみの父を負ふものひとのみの肉と骨とを負ふものきみはゆくゆく涙をながしそのあつき氷を踏み夜明けむとするふるさとにあらゆるものを血まみれにする萩原朔太郎。
悲しい新宿萩原朔太郎
5分以内
世田谷へ移つてから、新宿へ出る機會が多くなつた。
中原中也君の印象萩原朔太郎
5分以内
中原君の詩はよく讀んだが、個人としては極めて淺い知合だつた。
本質的な文学者萩原朔太郎
5分以内
日本の文學に對して、僕は常に或る滿たされない不滿を持つて居た。
ふつくりとした人柄萩原朔太郎
5分以内
北原氏は、私の知つてゐる範圍で、最もよい感じをもつた人です。
ラムネ・他四編萩原朔太郎
5分以内
ラムネラムネといふもの、不思議になつかしく愉快なものだ。
歳末に近き或る冬の日の日記萩原朔太郎
5分以内
詩人協會の用件にて高村光太郎氏を訪ふべく、前夜福士幸次郎君と約束がしてあつたので、萬世驛のミカドで待合せをする。
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