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春日詠嘆調

萩原朔太郎

『春日詠嘆調』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。180文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
180文字
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書出

ああいかなればこそ、きのふにかはるわが身の上とはなりもはてしぞ、けふしもさくら芽をつのぐみ、利根川のながれぼうぼうたれども、あすは逢はれず、あすのあすとてもいかであはれむ、あなあはれむかしの春の、みちゆきの夢もありやなし、おとろへすぎし白雀の、わがゆびさきにきてしみじみとついばむものを。

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
旧字旧仮名
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