三人目の患者

萩原朔太郎

『三人目の患者』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。191文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。

文字数
5分以内191文字
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書き出し

三人目の患者は、 いかにもつかれきつた風をして、 べろりと舌をたらした、 お醫者が小鼻をとんがらして、 『氣分はどうです』 『よろしい』 『食物は』 『おいしい』 『それから……』 『それからすべてよろしい』 そして患者は椅子からとびあがつた、 みろ、歪んだ脊髓のへんから、 ひものやうにぶらさがつた、 なめくじの神經だの、くさつたくらげの手くびだの……。

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
旧字旧仮名