1時間〜で読める谷崎潤一郎の長編作品

青空文庫で公開されている谷崎潤一郎の作品の中で、おおよその読了目安時間が「1時間〜」の長編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

1–20件 / 全20件

青空文庫の作品を人気順に表示
作品名著者読了時間文字数人気書き出し
春琴抄谷崎潤一郎1時間〜46,467

○ 春琴、ほんとうの名は鵙屋琴、大阪道修町の薬種商の生れで歿年は明治十九年十月十四日、墓は市内下寺町の浄土宗の某寺にある。

○ 春琴、ほんとうの名は鵙屋琴、大阪道修町の薬種商の生れで歿年は明治十九年十月十四日、墓は市内下寺町の浄土宗の某寺にある。

陰翳礼讃谷崎潤一郎1時間〜31,012

○  今日、普請道楽の人が純日本風の家屋を建てて住まおうとすると、電気や瓦斯や水道等の取附け方に苦心を払い、何とかしてそれらの施設が日本座敷と調和するように工夫を凝らす風があるのは、自分で家を建てた経験のない者でも、待合料理屋旅館等の座敷へ這入ってみれば常に気が付くことであろう。

○  今日、普請道楽の人が純日本風の家屋を建てて住まおうとすると、電気や瓦斯や水道等の取附け方に苦心を払い、何とかしてそれらの施設が日本座敷と調和するように工夫を凝らす風があるのは、自分で家を建てた経験のない者でも、待合料理屋旅館等の座敷へ這入ってみれば常に気が付くことであろう。

痴人の愛谷崎潤一郎1時間〜181,823

一 私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、出来るだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いて見ようと思います。

一 私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、出来るだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いて見ようと思います。

細雪谷崎潤一郎1時間〜153,930

一 「こいさん、頼むわ。―――」 鏡の中で、廊下からうしろへ這入って来た妙子を見ると、自分で襟を塗りかけていた刷毛を渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢姿の、抜き衣紋の顔を他人の顔のように見据えながら、 「雪子ちゃん下で何してる」 と、幸子はきいた。

一 「こいさん、頼むわ。―――」 鏡の中で、廊下からうしろへ這入って来た妙子を見ると、自分で襟を塗りかけていた刷毛を渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢姿の、抜き衣紋の顔を他人の顔のように見据えながら、 「雪子ちゃん下で何してる」 と、幸子はきいた。

卍谷崎潤一郎1時間〜133,823

その一  先生、わたし今日はすっかり聞いてもらうつもりで伺いましたのんですけど、折角お仕事中のとこかまいませんですやろか? それはそれは詳しいに申し上げますと実に長いのんで、ほんまにわたし、せめてもう少し自由に筆動きましたら、自分でこの事何から何まで書き留めて、小説のような風にまとめて、先生に見てもらおうか思たりしましたのんですが、……実はこないだ中ひょっと書き出して見ましたのんですが、何しろ事

その一  先生、わたし今日はすっかり聞いてもらうつもりで伺いましたのんですけど、折角お仕事中のとこかまいませんですやろか? それはそれは詳しいに申し上げますと実に長いのんで、ほんまにわたし、せめてもう少し自由に筆動きましたら、自分でこの事何から何まで書き留めて、小説のような風にまとめて、先生に見てもらおうか思たりしましたのんですが、……実はこないだ中ひょっと書き出して見ましたのんですが、何しろ事

鍵谷崎潤一郎1時間〜98,988

一月一日。

一月一日。

吉野葛谷崎潤一郎1時間〜36,974

その一 自天王 私が大和の吉野の奥に遊んだのは、既に二十年ほどまえ、明治の末か大正の初め頃のことであるが、今とは違って交通の不便なあの時代に、あんな山奥、―――近頃の言葉で云えば「大和アルプス」の地方なぞへ、何しに出かけて行く気になったか。

その一 自天王 私が大和の吉野の奥に遊んだのは、既に二十年ほどまえ、明治の末か大正の初め頃のことであるが、今とは違って交通の不便なあの時代に、あんな山奥、―――近頃の言葉で云えば「大和アルプス」の地方なぞへ、何しに出かけて行く気になったか。

蘆刈谷崎潤一郎1時間〜38,496

君なくてあしかりけりと思ふにも    いとゞ難波のうらはすみうき  まだおかもとに住んでいたじぶんのあるとしの九月のことであった。

君なくてあしかりけりと思ふにも    いとゞ難波のうらはすみうき  まだおかもとに住んでいたじぶんのあるとしの九月のことであった。

盲目物語谷崎潤一郎1時間〜74,243

わたくし生国は近江のくに長浜在でござりまして、たんじょうは天文にじゅう一ねん、みずのえねのとしでござりますから、当年は幾つになりまするやら。

わたくし生国は近江のくに長浜在でござりまして、たんじょうは天文にじゅう一ねん、みずのえねのとしでござりますから、当年は幾つになりまするやら。

瘋癲老人日記谷崎潤一郎1時間〜99,869

1 十六日。

1 十六日。

細雪谷崎潤一郎1時間〜199,073

一 幸子は去年黄疸を患ってから、ときどき白眼の色を気にして鏡を覗き込む癖がついたが、あれから一年目で、今年も庭の平戸の花が盛りの時期を通り越して、よごれて来る季節になっていた。

一 幸子は去年黄疸を患ってから、ときどき白眼の色を気にして鏡を覗き込む癖がついたが、あれから一年目で、今年も庭の平戸の花が盛りの時期を通り越して、よごれて来る季節になっていた。

少将滋幹の母谷崎潤一郎1時間〜83,940

その一 此の物語はあの名高い色好みの平中のことから始まる。

その一 此の物語はあの名高い色好みの平中のことから始まる。

蓼喰う虫谷崎潤一郎1時間〜111,516

その一 美佐子は今朝からときどき夫に「どうなさる? やっぱりいらっしゃる?」ときいてみるのだが、夫は例の孰方つかずなあいまいな返辞をするばかりだし、彼女自身もそれならどうと云う心持もきまらないので、ついぐずぐずと昼過ぎになってしまった。

その一 美佐子は今朝からときどき夫に「どうなさる? やっぱりいらっしゃる?」ときいてみるのだが、夫は例の孰方つかずなあいまいな返辞をするばかりだし、彼女自身もそれならどうと云う心持もきまらないので、ついぐずぐずと昼過ぎになってしまった。

細雪谷崎潤一郎1時間〜230,220

一 雪子は二月の紀元節の日に関西へ来てから、三、四、五と、今度は殆ど四箇月も滞留するようなことになって、当人もいつ帰ろうと云う気もなくなったらしく、何となく蘆屋に根が生えてしまった形であったが、六月に入ると間もなく、珍しいことに東京の姉から縁談を一つ知らせて来た。

一 雪子は二月の紀元節の日に関西へ来てから、三、四、五と、今度は殆ど四箇月も滞留するようなことになって、当人もいつ帰ろうと云う気もなくなったらしく、何となく蘆屋に根が生えてしまった形であったが、六月に入ると間もなく、珍しいことに東京の姉から縁談を一つ知らせて来た。

武州公秘話谷崎潤一郎1時間〜108,156

[#ページの左右中央] [#改丁] 武州公秘話序 伝曰。

[#ページの左右中央] [#改丁] 武州公秘話序 伝曰。

猫と庄造と二人のをんな谷崎潤一郎1時間〜69,343

[#改ページ] [#改ページ] 福子さんどうぞゆるして下さい此の手紙雪ちやんの名借りましたけどほんたうは雪ちやんではありません、さう云ふたら無論貴女は私が誰だかお分りになつたでせうね、いえ/\貴女は此の手紙の封切つて開けたしゆん間「扨はあの女か」ともうちやんと気がおつきになるでせう、そしてきつと腹立てゝ、まあ失礼な、………友達の名前無断で使つて、私に手紙よこすとは何と云ふ厚かましい人と、お思ひに

[#改ページ] [#改ページ] 福子さんどうぞゆるして下さい此の手紙雪ちやんの名借りましたけどほんたうは雪ちやんではありません、さう云ふたら無論貴女は私が誰だかお分りになつたでせうね、いえ/\貴女は此の手紙の封切つて開けたしゆん間「扨はあの女か」ともうちやんと気がおつきになるでせう、そしてきつと腹立てゝ、まあ失礼な、………友達の名前無断で使つて、私に手紙よこすとは何と云ふ厚かましい人と、お思ひに

聞書抄谷崎潤一郎1時間〜77,047

[#改ページ] [#改ページ] その一 改定史籍集覧第十三冊別記類の中に載っている豊内記と云う書は、一名を秀頼事記と云い、大坂の滅亡を見届けた高木仁右衛門入道宗夢の物語を、桑原求徳が書き集めたものであると云うが、同書上巻の一節に石田三成が嫡子隼人正重家の後日譚が見えている。

[#改ページ] [#改ページ] その一 改定史籍集覧第十三冊別記類の中に載っている豊内記と云う書は、一名を秀頼事記と云い、大坂の滅亡を見届けた高木仁右衛門入道宗夢の物語を、桑原求徳が書き集めたものであると云うが、同書上巻の一節に石田三成が嫡子隼人正重家の後日譚が見えている。

猫と庄造と二人のおんな谷崎潤一郎1時間〜68,710

福子さんどうぞゆるして下さいこの手紙雪ちゃんの名借りましたけどほんとうは雪ちゃんではありません、そう云うたら無論貴女は私が誰だかお分りになったでしょうね、いえいえ貴女はこの手紙の封切って開けたしゅん間「さてはあの女か」ともうちゃんと気がおつきになるでしょう、そしてきっと腹立てて、まあ失礼な、………友達の名前無断で使って、私に手紙よこすとは何と云う厚かましい人と、お思いになるでしょう、でも福子さん察

福子さんどうぞゆるして下さいこの手紙雪ちゃんの名借りましたけどほんとうは雪ちゃんではありません、そう云うたら無論貴女は私が誰だかお分りになったでしょうね、いえいえ貴女はこの手紙の封切って開けたしゅん間「さてはあの女か」ともうちゃんと気がおつきになるでしょう、そしてきっと腹立てて、まあ失礼な、………友達の名前無断で使って、私に手紙よこすとは何と云う厚かましい人と、お思いになるでしょう、でも福子さん察

青春物語谷崎潤一郎1時間〜73,421

大貫晶川、恒川陽一郎、並びに萬龍夫人のこと 十年たてば一と昔と云ふが、私が初めて文壇へ出てからもう彼れ此れ二十三四年になる。

大貫晶川、恒川陽一郎、並びに萬龍夫人のこと 十年たてば一と昔と云ふが、私が初めて文壇へ出てからもう彼れ此れ二十三四年になる。

小僧の夢谷崎潤一郎1時間〜30,553

(一)の一 ………己は名前を庄太郎と云って、今年十六歳になる商店の小僧だ。

(一)の一 ………己は名前を庄太郎と云って、今年十六歳になる商店の小僧だ。