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吉野葛

谷崎潤一郎

『吉野葛』は青空文庫で公開されている谷崎潤一郎の長編作品。39,466文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
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1時間〜
39,466文字
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書出

その自天王私が大和の吉野の奥に遊んだのは、既に二十年ほどまえ、明治の末か大正の初め頃のことであるが、今とは違って交通の不便なあの時代に、あんな山奥、―――近頃の言葉で云(い)えば「大和アルプス」の地方なぞへ、何しに出かけて行く気になったか。

初出「中央公論」1931(昭和6)年1月~2月
底本ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
表記
新字新仮名
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