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5分以内で読める青空文庫の短編作品

青空文庫で公開されているすべての著者の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
北海に竹内浩三
5分以内
夜の大海原に 星もなく さぶい風が波とたたかい 吹雪だ  灯もない 吹雪だ  あれくるう 北海 あれる ただ一つの生き物 ウキをたよりに 生きのび生きのびる人間 助かるすべも絶えた それでも 雪をかみ 風をきき 生きていた 生きていた やがて つかれはてて 死んだ
チャイコフスキイのトリオ竹内浩三
5分以内
アアちゃん 白い雪のふる 木の葉のちる 寒い風のふく アアちゃん ぼくは たたずみ うづくまり 寒い風のふく 湯気のちぎれとぶ アアちゃん ぼくは 地べたに 爪あとをつけ ケシの種子を ほりかえす アアちゃん
メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト竹内浩三
5分以内
若草山や そよ風の吹く 大和の野 かすみ かすみ そよ風の吹く おなごの髪や そよ風の吹く おなごの髪や 枯草のかかれるを 手をのばし とってやる おなごのスカアトや つぎあとのはげしさ おなごの目や 雲の映れる そよ風の映れる 二人は いつまで と その言葉や その言葉や そよ風の吹く
トスカニニのエロイカ竹内浩三
5分以内
がらがら まぬけたいかづち がらがら トスカニニのゆく トスカニニのエロイカのゆく がらがら 花を見 蛇を見 むすめを見 見るものを見 がらがら 帽子を忘れ ステッキを忘れ ズボンを忘れ がらがら ひたぶる トスカニニのエロイカのゆく
モオツアルトのシンホニイ四〇番竹内浩三
5分以内
大名行列の えいほ えいほ 殿 凱風快晴 北斎の赤富士にござりまする
行軍二竹内浩三
5分以内
あの山を越えるとき おれたちは機関車のように 蒸気ばんでおった だまりこんで がつんがつんと あるいておった 急に風がきて 白い雪のかたまりを なげてよこした 水筒の水は 口の中をガラスのように刺した あの山を越えるとき おれたちは焼ける樟樹であった いま あの山は まっ黒で その上に ぎりぎりと オリオン星がかがやいている じっとこうして背嚢にもたれて 地べたの上でいきづいていたものだ またもや
街角の飯屋で竹内浩三
5分以内
カアテンのかかったガラス戸の外で 郊外電車のスパァクが お月さんのウィンクみたいだ 大きなどんぶりを抱くようにして ぼくは食事をする 麦御飯の湯気に素直な咳を鳴らし どぶどぶと豚汁をすする いつくしみ深い沢庵の色よ おごそかに歯の間に鳴りひびく おや 外は雨になったようですね もう つゆの季節なんですか
演習一竹内浩三
5分以内
ずぶぬれの機銃分隊であった ぼくの戦帽は小さすぎてすぐおちそうになった ぼくだけあごひもをしめておった きりりと勇ましいであろうと考えた いくつもいくつも膝まで水のある濠があった ぼくはそれが気に入って びちゃびちゃとびこんだ まわり路までしてとびこみにいった 泥水や雑草を手でかきむしった 内臓がとびちるほどの息づかいであった 白いりんどうの花が 狂気のようにゆれておった ぼくは草の上を氷河のよ
YAMA竹内浩三
5分以内
Ishikoro no michi Ishikoro no michi Kaa tto higa sena wo yaku Aoba no Midori ga me ni itai Ishikoro no saka Ishikoro no saka
入営のことば竹内浩三
5分以内
十月一日、すきとおった空に、ぼくは、高々と、日の丸をかかげます。
夕焼け竹内浩三
5分以内
赤い赤い四角い形が 障子に落ちている 青い青い丸い葉が 赤い空気に酔っている ひらひらとコーモリが 躍る 人は 静かに戸を閉めて 電気をつけて 汁をすする 赤い明るい西の空も 灰色にむしばまれる そしてくろくなって やがてだいやもんどに灯がつく そして人は日記などつけて 灯を消し 一日が終わったと考えて 神に感謝して 祈る
鈍走記(草稿)竹内浩三
5分以内
1 生まれてきたから、死ぬまで生きてやるのだ。
帰還竹内浩三
5分以内
あなたは かえってきた あなたは 白くしずかな箱にいる 白くしずかな きよらかな ひたぶる ひたぶる ちみどろ ひたぶる あなたは たたかった だ 日は黒ずみ くずれた みな きけ みな みよ このとき あなたは ちった 明るく あかくかがやき ちった ちって きえた 白くしずかに きよらかに あなたは かえってきた くにが くにが 手を合す ぼくも ぼくも 手を合す おろがみまする お
夜汽車の中で竹内浩三
5分以内
ふみきりのシグナルが一月の雨にぬれて ボクは上りの終列車を見て 柄もりの水が手につめたく かなしいような気になって なきたいような気になって わびしいような気になって それでも ためいきも なみだも出ず ちょうど 風船玉が かなしんだみたい 自分が世界で一番不実な男のような気がし 自分が世界で一番いくじなしのような気がし それに それがすこしもはずかしいと思えず とほうにくれて雨足を見たら いく
演習二竹内浩三
5分以内
丘のすそに池がある 丘の薄は銀のヴェールである 丘の上につくりもののトオチカがある 照準の中へトオチカの銃眼をおさめておいて おれは一服やらかした 丘のうしろに雲がある 丘を兵隊が二人かけのぼって行った 丘も兵隊もシルエットである このタバコのもえつきるまで おれは薄の毛布にねむっていよう
冬に死す竹内浩三
5分以内
蛾が 静かに障子の桟からおちたよ 死んだんだね なにもしなかったぼくは こうして なにもせずに 死んでゆくよ ひとりで 生殖もしなかったの 寒くってね なんにもしたくなかったの 死んでゆくよ ひとりで なんにもしなかったから ひとは すぐぼくのことを 忘れてしまうだろう いいの ぼくは 死んでゆくよ ひとりで こごえた蛾みたいに
竹内浩三
5分以内
空には 雲がなければならぬ 日本晴れとは 誰がつけた名かしらんが 日本一の大馬鹿者であろう 雲は 踊らねばならぬ 踊るとは 虹に鯨が くびをつることであろう 空には 雲がなければならぬ 雲は歌わねばならぬ 歌はきこえてはならぬ 雲は 雲は 自由であった
射撃について竹内浩三
5分以内
松の木山に銃声がいくつもとどろいた 山の上に赤い旗がうごかない雲を待っている 銃声が止むと ごとんごとんと六段返しみたいに的が回転する おれの弾は調子づいたとみえて うつたびに景気のいい旗が上った おれの眼玉は白雲ばかり見ていた
無題(故海野十三氏追悼諸家文集)野村胡堂
5分以内
「海野さんのものを全部読まして下さい」と言って来た、若い電気学生があった。
洛北深泥池の蓴菜北大路魯山人
5分以内
じゅんさいというものは、古池に生ずる一種の藻草の新芽である。
若狭春鯖のなれずし北大路魯山人
5分以内
さばずしはなんと言っても古来京都が本場である。
芳賀君を悼みて上田万年
5分以内
みそとせをふみのはやしにしをりしてともにすゝみつあはれきみはも きみゆかはわれいしふみをえらはむとちきりしきみはわれにそむきぬ かくとしらはすへてをおきてやすらかにくらしたまへととかさりしものを にしへにまれにいみるひとちかきよにたえてなきひとくにはうしなひぬ みはふりのうたよみをへておくれしとみあとおひけむひとそかなしき よもすからわれいねかてにあかしつるこのよにきみはかんさりましぬ
晴天仲村渠
5分以内
僕はまどに凭つてひとを待つ 空は 青い空は晴れるばかり どこか 格納庫のよこで一等飛行士は眺めてゐる 空を空を 彼のうへに晴れる空を
仲村渠
5分以内
円錐形のさきで僕ひとり。
仲村渠
5分以内
初夏ともなれば百円ぐらゐのパナマ帽がいたについて見ばえのある風格をみよ ちと遊びに来給へと名刺をくれるのだ 名刺といへばかれもまた一流の名士にして普く 八方に疎通してあますところは無いのである さつそく鄭重な御供物をおくり盛大な葬儀に列してゐるを見る 門札をうつて居を構へてゐる その収入の道その収入のほどは 否 税務署の吏員氏さへ難渋するのだから 今 これを窺ふべくもないのである 午後かれを訪問す
南浦紹明墨蹟北大路魯山人
5分以内
南浦紹明(大応国師)は、宋の虚堂の法嗣で大燈国師のお師匠さん、建長寺の蘭渓道隆の門に参じたことがあり、宋から帰って後に筑前の崇福寺におること三十年、関西を風靡した。
魂を刳る美北大路魯山人
5分以内
陶器だけで美はわからぬ。
牛込館渡辺温
5分以内
夕方の神楽坂通りは散歩の学生や帰りがけの勤め人なぞでいつもいっぱいである。
小島の春光田健輔
5分以内
女医が癩救療に一地歩を築きたるは日本医学史に特筆すべき事実である。
沖縄帰郷始末記山之口貘
5分以内
三十五年ぶりで郷里に帰り、ついこのごろになって帰京した。
おきなわやまとぐち山之口貘
5分以内
おんなじ沖縄出身である旧知の男に出会したところ、かれはぼくに「あなたの放送を聞きましたよ」と言ったが、「しかしあなたの日本語はひどいもんですな、まるでおきなわやまとぐちのまる出しじゃありませんか」と来たのである。
声をあげて泣く山之口貘
5分以内
かつて、「むらさき」という雑誌があった。
自伝山之口貘
5分以内
本名山口重三郎。
装幀の悩み山之口貘
5分以内
ぼくの最初の詩集『思弁の苑』を出版したのは、昭和十三年の八月である。
暴風への郷愁山之口貘
5分以内
郷里の沖縄から、上京したのは大正十一年の秋のことであったがその年の冬に、はじめて、ぼくは雪を見た。
アダ・ネグリ
5分以内
わが生の奧深く、微かなる聲のわれを呼ぶを感ず。
椰子の樹ポール・クローデル
5分以内
われらが故里の國の樹木は、すべて人間のやうに直立してゐて、しかも不動である。
カンタタポール・クローデル
5分以内
L※TA………悦子 FAUSTA………幸子 BEATA………福子 悦。
虱とるひとジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
5分以内
むづがゆき額を赤めをさな兒は それとなき夢の白き巣立をねがふ時、 爪しろがねに指細きふたりの姉は たをやかに寢臺近く歩みよる。
ソネットステファヌ・マラルメ
5分以内
絹には「時」の薫ずれど 「妄執」の色褪せにたり、 鏡のそとに溢れたる 雲の御髮に如めやも。
薄紗の帳ステファヌ・マラルメ
5分以内
薄紗の帳たれてあれど、 こよなき「あそび」は思ふらく、 げにもゆゆしき涜かな、 徒なりや床は無し。
白鳥ステファヌ・マラルメ
5分以内
純潔にして生氣あり、はた美はしき「けふ」の日よ、 勢猛き鼓翼の一搏に碎き裂くべきか、 かの無慈悲なる湖水の厚氷、 飛び去りえざりける羽影の透きて見ゆるその厚氷を。
エロディヤッドステファヌ・マラルメ
5分以内
ヒュイスマンスの小説『さかしま』の主人公ジァン・デ・ゼッセントが愛吟、マラルメ作『エロディヤッド』の斷章 一 ……………………噫なんぢ、鏡よ、 愁によつてその縁の中に凍りたる水よ、 いくたびも、いく時も、我が夢を悲み痛みて、 なんぢが底深き氷の下に沈みたる 落葉に似たるわが思出を求めつゝ、 われは汝の奧にはるかなる影とあらはる。
サバトの門立ルイ・ベルトラン
5分以内
女は夜半に起きて燭を點じ泥を取つて身に塗り、さて呪文を唱ふれば、身たちどころにサバトの集會に向ふ。
錬金道士ルイ・ベルトラン
5分以内
吾徒の術を修する法二あり。
胡弓ルイ・ベルトラン
5分以内
こはいかに、紛ふ無き親友ジァン・ガスパル・ドビュロオ、綱渡の一座中世に隱れ無き道化ものゝ蒼ざめ窶れたる姿にあらずや。
五本の指ルイ・ベルトラン
5分以内
これまでに誰一人身代限やお仕置になつたことの無い正しい家柄 「ジアン・ド・ニ※ルの家」  親指は肉付豐かな弗羅曼の酒屋の亭主、根が瓢輕な巫山戯もの、三月釀造極上麥酒の招牌を出した戸口のとこで煙草をのんでる。
欝金草売ルイ・ベルトラン
5分以内
花のなかなる欝金草は鳥のなかなる孔雀の如し。
石工ルイ・ベルトラン
5分以内
石工の長曰く、見よ、この稜堡を、この支柱を。
ハルレムルイ・ベルトラン
5分以内
アムステルダムに金の雄鷄鳴けばハルレムに金の雌鷄卵を生む ノストラダムス百首。
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