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5分以内で読める宮沢賢治の短編作品

青空文庫で公開されている宮沢賢治の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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作品名著者読了時間人気
〔われかのひとをこととふに〕宮沢賢治
5分以内
われかのひとをこととふに なにのけげんもあらざるを なにゆゑかのとき協はざる クラリオネットの玲瓏を わらひ軋らせ わらひしや
〔郡属伊原忠右エ門〕宮沢賢治
5分以内
郡属伊原忠右エ門 科頭にゴムの靴はきて 冬の芝生をうちよぎり 南ちゞれし綿雲に 雨量計をぞさゝげたる 天狗巣病にはあらねども あまりにしげきこずゑかな
〔まひるつとめにまぎらひて〕宮沢賢治
5分以内
まひるつとめにまぎらひて きみがおもかげ来ぬひまは こころやすらひはたらきし そのことなにかねたましき 新月きみがおももちを つきの梢にかゝぐれば 凍れる泥をうちふみて さびしく恋ふるこゝろかな
〔洪積の台のはてなる〕宮沢賢治
5分以内
洪積の台のはてなる 一ひらの赤き粘土地 桐の群白くひかれど 枝しげくたけ低ければ 鍛冶町の米屋五助は 今日も来て灰を与へぬ。
〔ゆがみつゝ月は出で〕宮沢賢治
5分以内
ゆがみつゝ月は出で うすぐもは淡くにほへり 汽車のおとはかなく 恋ごゝろ風のふくらし ペンのさやうしなはれ 山の稜白くひかれり 汽車の音はるけく なみだゆゑ松いとくろし かれ草はさやぎて わが手帳たゞほのかなり
セレナーデ 恋歌宮沢賢治
5分以内
江釣子森の右肩に 雪ぞあやしくひらめけど きみはいまさず ルーノの君は見えまさず 夜をつまれし枕木黒く 群あちこちに安けれど きみはいまさず とゞろにしばし行きかへど きみはいまさず ポイントの灯はけむれども ルーノのきみの影はなき あゝきみにびしひかりもて わが青じろき額を射ば わが悩あるは癒えなんに
〔鷺はひかりの空に餓ゑ〕宮沢賢治
5分以内
鷺はひかりのそらに餓ゑ 羊歯にはそゝぐきりさめを あしきテノールうちなして 二人の紳士 森を来る
〔甘藍の球は弾けて〕宮沢賢治
5分以内
甘藍の球は弾けて 青ぞらに白雲の房 呑屋より二人の馬丁 よろめきてあらはれ出づる
〔りんごのみきのはひのひかり〕宮沢賢治
5分以内
りんごのみきのはひのひかり 腐植のしめりのつちに立てり 根ぎはの朽ちの褐なれば どう枯病をうたがへり 天のつかれの一方に その果朱金をくすぼらす
会計課宮沢賢治
5分以内
九時六分のかけ時計 その青じろき盤面に にはかに雪の反射来て パンのかけらは床に落ち インクの雫かわきたり
〔昤々としてひかれるは〕宮沢賢治
5分以内
※々としてひかれるは 硫黄ヶ岳の尾根の雪 雲灰白に亙せるは 鳥ヶ森また駒頭山 焼き枕木を負ひ行きて 水路に橋をなさんとや 雪の荒野のたゞなかを 小刻みに行く人のあり
職員室宮沢賢治
5分以内
歪むガラスのかなたにて 藤をまとへるさいかちや 西は雪ぐも亙せるに 一ひらひかる天の青 ひるげせはしく事終へて なにかそぐはぬひとびとの 暖炉を囲みあるものは その石墨をこそげたり 業を了へたるわかものの 官にあるは卑しくて 一たび村に帰りしは その音づれも聞えざり たまさかゆれしひばの間を 茶羅紗の肩をくすぼらし 校長門を出で行けば いよよにゆがむガラスなり
〔つめたき朝の真鍮に〕宮沢賢治
5分以内
つめたき朝の真鍮に 胸をくるしと盛りまつり こゝろさびしくをろがめば おん舎利ゆゑにあをじろく 燐光をこそはなちたまへり
烏百態宮沢賢治
5分以内
雪のたんぼのあぜみちを ぞろぞろあるく烏なり 雪のたんぼに身を折りて 二声鳴けるからすなり 雪のたんぼに首を垂れ 雪をついばむ烏なり 雪のたんぼに首をあげ あたり見まはす烏なり 雪のたんぼの雪の上 よちよちあるくからすなり 雪のたんぼを行きつくし 雪をついばむからすなり たんぼの雪の高みにて 口をひらきしからすなり たんぼの雪にくちばしを じつとうづめしからすなり 雪のたんぼのかれ
訓導宮沢賢治
5分以内
早くもひとり雪をけり はるかの吹雪をはせ行くは 木鼠捕りの悦治なり 三人ひとしくはせたちて 多吉ぞわらひ軋るとき 寅は溜りに倒れゐし 赤き毛布にくるまりて 風くるごとに足小刻むは 十にたらざる児らなれや 吹雪きたればあとなる児 急ぎて前にすがりつゝ 一列遠くうすれ行く
月天讃歌(擬古調)宮沢賢治
5分以内
兜の尾根のうしろより 月天ちらとのぞきたまへり 月天子ほのかにのぞみたまへども 野の雪いまだ暮れやらず しばし山はにたゆたひおはす 決然として月天子 山をいでたち給ひつゝ その横雲の黒雲の さだめの席に入りませりけり 月天子まことはいまだ出でまさず そはみひかりの異りて 赤きといとど歪みませると 月天子み丈のなかば黒雲に うづもれまして笑み給ひけり なめげにも人々高くもの云ひつゝ ことな
〔雲を濾し〕宮沢賢治
5分以内
雲を濾し まことあかるくなりし空かな 子ら歓呼してことごとく 走り出でしも宜なれや 風のひのきはみだるるみだるゝ
〔ま青きそらの風をふるはし〕宮沢賢治
5分以内
ま青きそらの風をふるはし ひとりはたらく脱穀機  R-R-r-r-r-r-r-r-r 脱穀小屋の庇の下に 首を垂れたる二疋の馬  R-R-r-r-r-r-r-r-r 粉雪おぼろにひかりたち はるかにりりと鐘なれば うなじをあぐる二疋の馬 華やかなりしそのかみの よきギャロップをうちふみて うまやにこそは帰り行くなれ
〔最も親しき友らにさへこれを秘して〕宮沢賢治
5分以内
最も親しき友らにさへこれを秘して ふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに 不純の想を包みて病を問ふと名をかりて あるべきならぬなが夢の   (まことにあらぬ夢なれや    われに属する財はなく    わが身は病と戦ひつ    辛く業をばなしけるを) あらゆる詐術の成らざりしより 我を呪ひて殺さんとするか 然らば記せよ 女と思ひて今日までは許しても来つれ 今や生くるも死するも なんぢが曲意非礼を忘れじ も
〔月光の鉛のなかに〕宮沢賢治
5分以内
月光の鉛のなかに みどりなる犀は落ち臥し 松の影これを覆へり
宮沢賢治
5分以内
森の上のこの神楽殿 いそがしくのぼりて立てば くわくこうはめぐりてどよみ 松の風頬を吹くなり 野をはるに北をのぞめば 紫波の城の二本の杉 かゞやきて黄ばめるものは そが上に麦熟すらし さらにまた夏雲の下 青々と山なみははせ 従ひて野は澱めども かのまちはつひに見えざり うらゝかに野を過ぎり行く かの雲の影ともなりて きみがべにありなんものを さもわれののがれてあれば うすくらき古着の店に
病中幻想宮沢賢治
5分以内
罪はいま疾にかはり たよりなくわれは騰りて 野のそらにひとりまどろむ 太虚ひかりてはてしなく 身は水素より軽ければ また耕さんすべもなし せめてはかしこ黒と白 立ち並びたる積雲を 雨と崩して堕ちなんを
〔馬行き人行き自転車行きて〕宮沢賢治
5分以内
馬行き人行き自転車行きて しばし粉雪の風吹けり 絣合羽につまごはき 物噛むごとくたゝずみて 大売り出しのビラ読む翁 まなこをめぐる輻状の皺 楽隊の音からおもてを見れば 雲は傷れて眼痛む 西洋料理支那料理の 三色文字は赤より暮るゝ 馬が一疋東へ行く 古びた荷繩をぶらさげて 雪みちをふむ 引いて行くのはまだ頬の円いこども 兵隊外套が長過ぎるので 繩でしばつてたごめてゐる 政友会の親分の 手を綿
雪峡宮沢賢治
5分以内
塵のごと小鳥なきすぎ ほこ杉の峡の奥より あやしくも鳴るや み神楽 いみじくも鳴るや み神楽 たゞ深し天の青原 雲が燃す白金環と 白金の黒の窟を 日天子奔せ出でたまふ
機会宮沢賢治
5分以内
恋のはじめのおとなひは かの青春に来りけり おなじき第二神来は 蒼き上着にありにけり その第三は諸人の 栄誉のなかに来りけり いまおゝその四愛憐は 何たるぼろの中に来しぞも
〔われらひとしく丘に立ち〕宮沢賢治
5分以内
われらひとしく丘に立ち 青ぐろくしてぶちうてる あやしきもののひろがりを 東はてなくのぞみけり そは巨いなる塩の水 海とはおのもさとれども 伝へてきゝしそのものと あまりにたがふこゝちして たゞうつゝなるうすれ日に そのわだつみの潮騒の うろこの国の波がしら きほひ寄するをのぞみゐたりき
四八 黄泉路宮沢賢治
5分以内
アリイルスチュアール 一九二七 (房中寒くむなしくて 灯は消え月は出でざるに 大なる恐怖の声なして いま起ちたるはそも何ぞ!…… わが知るものの霊よ 何とてなれは来りしや?)    (君は云へりき わが待たば     君も必ず来らんと……) (愛しきされど愚かしき 遙けくなれの死しけるを 亡きと生けるはもろ共に 行き交ふことの許されね いざはやなれはくらやみに われは愛にぞ行くべかり)    (
〔たゞかたくなのみをわぶる〕宮沢賢治
5分以内
……たゞかたくなのみをわぶる     なにをかひとにうらむべき…… ましろきそらにはゞたきて ましろきそらにたゆたひて 百舌はいこひをおもふらし
宅地宮沢賢治
5分以内
白日雲の角に入り 害条桐を辞し堕ちぬ 黒き豚は巣を出でて キャベヂの茎を穿ちたり
〔そのかたち収得に似て〕宮沢賢治
5分以内
そのかたち収得に似て 面赤く鼻たくましき その云ふや声肝にあり その行くや犠を索むる
〔青びかる天弧のはてに〕宮沢賢治
5分以内
青びかる天弧のはてに きらゝかに町はうかびて 六月のたつきのみちは いまやはた尽きはてにけり いさゝかの書籍とセロを 思ふまゝ〔以下空白〕
〔いざ渡せかし おいぼれめ〕宮沢賢治
5分以内
「いざ渡せかし おいぼれめ いつもこゝにて日を暮らす」 すぱとたばこを吸ひやめて 何を云ふともこの飯の 煮たたぬうちに 立つべしや 芋の子頭白髪して おきなは榾を加へたり
校庭宮沢賢治
5分以内
さ霧する白き木柵 幹彫れる桐のいくもと 剥げそめし白きペンキの 木柵に人人は倚り そのペンキあるいは剥げ あるものは庭をのぞめり 一鐘のラッパが鳴りて 急ぎ行く港先生 白堊城秋のガラスは ひらごとにうつろなりけり
開墾宮沢賢治
5分以内
落ちしのばらの芽はひかり 樹液はしづにかはたれぬ あゝこの夕つゝましく きみと祈らばよからんを きみきたらずばわが成さん この園つひにむなしけん 西天黄ばみにごれるに 雲の黒闇の見もあへず
〔館は台地のはななれば〕宮沢賢治
5分以内
館は台地のはななれば 鳥は岬の火とも見つ 香魚釣る人は藪と瀬を 低くすかしてわきまへぬ 鳥をまがへる赤き蛾は 鱗粉きらとうちながし 緑の蝦を僭しつゝ 浮塵子あかりをめぐりけり
〔二川こゝにて会したり〕宮沢賢治
5分以内
(二川こゝにて会したり) (いな、和賀の川水雪代ふ 夏油のそれの十なれば その川ここに入ると云へ) 藍と雪とのうすけぶり つらなる尾根のかなたより 夏油の川は巌截りて ましろき波をながしきぬ
百合を掘る宮沢賢治
5分以内
百合掘ると  唐鍬をかたぎつ ひと恋ひて  林に行けば 濁り田に   白き日輪 くるほしく  うつりゆれたる 友らみな   大都のなかに 入学の    試験するらん われはしも  身はうち疾みて こゝろはも  恋に疲れぬ 森のはて   いづくにかあれ 子ら云へる  声ほのかにて はるかなる  地平のあたり 汽車の音   行きわぶごとし このまひる  鳩のまねして 松森の    うす日のなかに
国柱会宮沢賢治
5分以内
外の面には春日うららに ありとあるひびきなせるを 灰いろのこの館には 百の人けはひだになし 台の上桜はなさき 行楽の士女さゞめかん この館はひえびえとして 泉石をうち繞りたり 大居士は眼をいたみ はや三月の人の見るなく 智応氏はのどをいたづき 巾巻きて廊に按ぜり 崖下にまた笛鳴りて 東へととゞろき行くは 北国の春の光を 百里経て汽車の着きけん
〔なべてはしけく よそほひて〕宮沢賢治
5分以内
なべてはしけく  よそほひて 暁惑ふ      改札を ならび出づると  ふりかへる 人なきホーム   陸の橋 歳に一夜の    旅了へし をとめうなゐの  ひとむれに 黒きけむりを   そら高く 職場は待てり   春の雨
〔雲ふかく 山裳を曳けば〕宮沢賢治
5分以内
雲ふかく 山裳を曳けば きみ遠く去るにかも似ん 丘群に 日射し萌ゆれば きみ来り訪ふにも似たり
僧園宮沢賢治
5分以内
星のけむりの下にして 石組黒くひそめるを さもあしざまに鳴き棄てつ くわくこう一羽北に過ぎたり 夜のもみぢの木もそびえ 御堂の屋根も沈めるを さらに一羽の鳥ありて 寒天質の闇に溶けたり
釜石よりの帰り宮沢賢治
5分以内
かぎりなく鳥はすだけど こゝろこそいとそゞろなれ 竹行李小きをになひ 雲しろき飯場を出でぬ みちのべにしやが花さけば かうもりの柄こそわびしき かすかなる霧雨ふりて 丘はたゞいちめんの青 谷あひの細き棚田に 積まれつゝ廐肥もぬれたり
祭日〔二〕宮沢賢治
5分以内
アナロナビクナビ睡たく桐咲きて 峡に瘧のやまひつたはる ナビクナビアリナリ赤き幡もちて 草の峠を越ゆる母たち ナリトナリアナロ御堂のうすあかり 毘沙門像に味噌たてまつる アナロナビクナビ踏まるゝ天の邪鬼 四方につゝどり鳴きどよむなり
看痾宮沢賢治
5分以内
七月はさやに来れど 故しらに人はなほ疾み 日過ぎ来し白雲の野は さびしくも掃き浄めらる
宗谷〔一〕宮沢賢治
5分以内
まくろなる流れの岸に 根株燃すゆふべのけむり こらつどひかたみに舞ひて たんぽゝの白き毛をふく 丘の上のスリッパ小屋に 媼ゐてむすめらに云ふ かくてしも畑みな成りて あらたなる艱苦ひらくと
製炭小屋宮沢賢治
5分以内
もろの崖より たゆみなく 朽ち石まろぶ 黒夜谷 鳴きどよもせば 慈悲心鳥の われにはつらき 睡りかな 榾組み直し ものおもひ ものうちおもひ 榾組みて はやくも東 谷のはて 雲にも朱の 色立ちぬ
宗谷〔二〕宮沢賢治
5分以内
そらの微光にそゝがれて いま明け渡る甲板は 綱具やしろきライフブイ あやしく黄ばむ排気筒 はだれに暗く緑する 宗谷岬のたゝずみと 北はま蒼にうち睡る サガレン島の東尾や 黒き葡萄の色なして 雲いとひくく垂れたるに 鉛の水のはてははや 朱金一すぢかゞやきぬ 髪を正しくくしけづり セルの袴のひだ垂れて 古き国士のおもかげに 日の出を待てる紳士あり 船はまくろき砒素鏡を その来しかたにつくるとき
〔棕梠の葉やゝに痙攣し〕宮沢賢治
5分以内
棕梠の葉やゝに痙攣し 陽光横目に過ぐるころ 湯屋には声のほのかにて 溝水ほとと落ちたるに 放蕩無頼の息子の大工 このとき古きスコットランドの 貴族風して戻り来れり
〔このみちの醸すがごとく〕宮沢賢治
5分以内
このみちの醸すがごとく 粟葉などひかりいでしは ひがしなる山彙の上に 黄なる月いざよへるなり 夏の草山とになひて やうやくに人ら帰るを なにをかもわがかなしまん すゝきの葉露をおとせり
駅長宮沢賢治
5分以内
ことことと行く汽車のはて 温石いしの萱山の 上にひとつの松ありて あるいは雷にうたれしや 三角標にまがへりと 大上段に真鍮の 棒をかざしてさまよへり ごみのごとくにあきつとぶ 高圧線のま下にて 秋をさびしき白服の 酒くせあしき土木技手 いましも汽車を避け了へて こなたへ来るといまははた 急ぎガラスを入りにけり
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