60分以内で読める野村胡堂の中編作品

青空文庫で公開されている野村胡堂の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

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青空文庫の作品を人気順に表示
作品名著者読了時間文字数人気書き出し
銭形平次捕物控野村胡堂60分以内13,106

一  相模屋の若旦那新助は二十一、古い形容ですが、日本橋業平といわれる好い男のくせに、去年あたりからすっかり、大弓に凝ってしまって、大久保の寮に泊り込みのまま、庭の※で一日暮すことの方が多くなりました。

一  相模屋の若旦那新助は二十一、古い形容ですが、日本橋業平といわれる好い男のくせに、去年あたりからすっかり、大弓に凝ってしまって、大久保の寮に泊り込みのまま、庭の※で一日暮すことの方が多くなりました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内14,573

一 「親分、お願いだ。ちょいとお御輿を上げて下さい」  八五郎のガラッ八は額際に平掌を泳がせながら入って来ました。

一 「親分、お願いだ。ちょいとお御輿を上げて下さい」  八五郎のガラッ八は額際に平掌を泳がせながら入って来ました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内13,162

一  その晩、代地のお秀の家で、月見がてら、お秀の師匠に当る、江戸小唄の名人十寸見露光の追善の催しがありました。

一  その晩、代地のお秀の家で、月見がてら、お秀の師匠に当る、江戸小唄の名人十寸見露光の追善の催しがありました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内14,139

一 「銭形の親分さん、お助けを願います」  柳原土手、子分の八五郎と二人、無駄を言いながら家路を急ぐ平次の袖へ、いきなり飛付いた者があります。

一 「銭形の親分さん、お助けを願います」  柳原土手、子分の八五郎と二人、無駄を言いながら家路を急ぐ平次の袖へ、いきなり飛付いた者があります。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内15,543

一 「あッ、ヒ、人殺しッ」  宵闇を劈く若い女の声は、雑司ヶ谷の静まり返った空気を、一瞬、煮えこぼれるほど掻き立てました。

一 「あッ、ヒ、人殺しッ」  宵闇を劈く若い女の声は、雑司ヶ谷の静まり返った空気を、一瞬、煮えこぼれるほど掻き立てました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内12,695

一  銭形平次はお上の御用で甲府へ行って留守、女房のお静は久し振りに本所の叔母さんを訪ねて、 「しいちゃんのは鬼の留守に洗濯じゃなくて、淋しくなってたまらないから、私のようなものを思い出して来てくれたんだろう」などと、遠慮のないことを言われながら、半日油を売った帰り途、東両国の盛り場に差しかかったのは、かれこれ申刻(四時)に近い時分でした。

一  銭形平次はお上の御用で甲府へ行って留守、女房のお静は久し振りに本所の叔母さんを訪ねて、 「しいちゃんのは鬼の留守に洗濯じゃなくて、淋しくなってたまらないから、私のようなものを思い出して来てくれたんだろう」などと、遠慮のないことを言われながら、半日油を売った帰り途、東両国の盛り場に差しかかったのは、かれこれ申刻(四時)に近い時分でした。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内12,704

一 「親分、良い陽気じゃありませんか。少し出かけてみちゃどうです」  ガラッ八の八五郎が木戸の外から風の悪い古金買いのような恰好で、こう覗いているのでした。

一 「親分、良い陽気じゃありませんか。少し出かけてみちゃどうです」  ガラッ八の八五郎が木戸の外から風の悪い古金買いのような恰好で、こう覗いているのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内15,814

一 「八、良い月だなア」 「何かやりましょうか、親分」 「止してくれ、手前が塩辛声を張り上げると、お月様が驚いて顔を隠す」 「おやッ、変な女が居ますぜ」  銭形の平次が、子分のガラッ八を伴れて両国橋にかかったのは亥刻(十時)過ぎ。

一 「八、良い月だなア」 「何かやりましょうか、親分」 「止してくれ、手前が塩辛声を張り上げると、お月様が驚いて顔を隠す」 「おやッ、変な女が居ますぜ」  銭形の平次が、子分のガラッ八を伴れて両国橋にかかったのは亥刻(十時)過ぎ。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内13,748

一 「あ、あ、あ、あ、あ」  ガラッ八の八五郎は咽喉仏の見えるような大欠伸をしました。

一 「あ、あ、あ、あ、あ」  ガラッ八の八五郎は咽喉仏の見えるような大欠伸をしました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内14,272

一  新吉は眼の前が真っ闇になるような心持でした。

一  新吉は眼の前が真っ闇になるような心持でした。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内15,460

一 「親分、松が取れたばかりのところへ、こんな話を持込んじゃ気の毒だが、玉屋にとっては、この上もない大難、――聴いてやっちゃ下さるまいか」  町人ながら諸大名の御用達を勤め、苗字帯刀まで許されている玉屋金兵衛は、五十がらみの分別顔を心持翳らせてこう切出しました。

一 「親分、松が取れたばかりのところへ、こんな話を持込んじゃ気の毒だが、玉屋にとっては、この上もない大難、――聴いてやっちゃ下さるまいか」  町人ながら諸大名の御用達を勤め、苗字帯刀まで許されている玉屋金兵衛は、五十がらみの分別顔を心持翳らせてこう切出しました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内15,072

一  元日の昼下り、八丁堀町御組屋敷の年始廻りをした銭形平次と子分の八五郎は、海賊橋を渡って、青物町へ入ろうというところでヒョイと立止りました。

一  元日の昼下り、八丁堀町御組屋敷の年始廻りをした銭形平次と子分の八五郎は、海賊橋を渡って、青物町へ入ろうというところでヒョイと立止りました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内12,076

一 「旦那よ――たしかに旦那よ」 「――」  盲鬼になつた年増藝妓のお勢は、板倉屋伴三郎の袖を掴んで、斯う言ふのでした。

一 「旦那よ――たしかに旦那よ」 「――」  盲鬼になつた年増藝妓のお勢は、板倉屋伴三郎の袖を掴んで、斯う言ふのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内15,782

一 「親分、泥棒は物を盗るのが商売でしょう」  八五郎のガラッ八はまた変なことを言い出しました。

一 「親分、泥棒は物を盗るのが商売でしょう」  八五郎のガラッ八はまた変なことを言い出しました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内13,592

一 「あッ危ねえ」  銭形の平次は辛くも間に合いました。

一 「あッ危ねえ」  銭形の平次は辛くも間に合いました。

古城の真昼野村胡堂60分以内13,910

一 「ああ退屈だ。こう世間が無事ではやり切れないなア」  文学士碧海賛平は、鼻眼鏡をゆすり上げながら、女の子のように気取った欠伸をいたしました。

一 「ああ退屈だ。こう世間が無事ではやり切れないなア」  文学士碧海賛平は、鼻眼鏡をゆすり上げながら、女の子のように気取った欠伸をいたしました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内15,421

一 「あツ、ヒ、人殺しツ」  宵闇を劈く若い女の聲は、雜司ヶ谷の靜まり返つた空氣を、一瞬、※えこぼれるほど掻き立てました。

一 「あツ、ヒ、人殺しツ」  宵闇を劈く若い女の聲は、雜司ヶ谷の靜まり返つた空氣を、一瞬、※えこぼれるほど掻き立てました。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内13,325

一 「親分、東両国にたいそうな小屋が建ちましたね。あッしは人に誘われて二三度覗きましたが、いや、その綺麗さというものは」  八五郎は相変らず江戸中のニュースを掻き集めて、親分の銭形平次のところへ持って来るのでした。

一 「親分、東両国にたいそうな小屋が建ちましたね。あッしは人に誘われて二三度覗きましたが、いや、その綺麗さというものは」  八五郎は相変らず江戸中のニュースを掻き集めて、親分の銭形平次のところへ持って来るのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内14,810

一 「親分、大変な野郎が来ましたぜ」  ガラッ八の八五郎は、拇指で自分の肩越しに指しながら、入口の方へ顎をしゃくってみせます。

一 「親分、大変な野郎が来ましたぜ」  ガラッ八の八五郎は、拇指で自分の肩越しに指しながら、入口の方へ顎をしゃくってみせます。

銭形平次捕物控野村胡堂60分以内14,726

一 「親分、あれを聞きなすったかい」 「あれ? 上野の時の鐘なら毎日聞いているが――」  銭形平次は指を折りました。

一 「親分、あれを聞きなすったかい」 「あれ? 上野の時の鐘なら毎日聞いているが――」  銭形平次は指を折りました。

焔の中に歌う野村胡堂60分以内13,673

一  温かい、香ばしい芙蓉の花弁が、そっと頬に触れた――。

一  温かい、香ばしい芙蓉の花弁が、そっと頬に触れた――。

天保の飛行術野村胡堂60分以内14,373

前書き――百年前の飛行機  百年前、日本には既に空飛ぶ機械が発明されて居たのでした。

前書き――百年前の飛行機  百年前、日本には既に空飛ぶ機械が発明されて居たのでした。

百唇の譜野村胡堂60分以内12,519

千代之助の悲しい望  二人は葉蔭の濡れ縁に腰をおろして、夕陽の傾くのを忘れて話し込んで居りました。

千代之助の悲しい望  二人は葉蔭の濡れ縁に腰をおろして、夕陽の傾くのを忘れて話し込んで居りました。

十字架観音野村胡堂60分以内14,044

一 「あら松根様の若様」 「――――」  恐ろしい魅力のある声を浴せられて、黙って振り返ったのは、年の頃二十三四、色の浅黒い、少し沈鬱な感じですが、何となく深味のある男でした。

一 「あら松根様の若様」 「――――」  恐ろしい魅力のある声を浴せられて、黙って振り返ったのは、年の頃二十三四、色の浅黒い、少し沈鬱な感じですが、何となく深味のある男でした。