5分以内で読める今野大力の短編作品
青空文庫で公開されている今野大力の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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青空文庫で公開されている今野大力の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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| 街の子等 | 今野大力 | 5分以内 | |
街の子は今日も遊んでいた そしてふと子供の一人が大声で言った 「やあい キョウサントウ!」 いい声だそしていい言葉だ 空間は完全にこの声に貫かれた 「やあい キョウサントウ!」 鬼ごっこで仲間の一人が捕ったので思い出したこの言葉 だが、これはただの言葉でない、 街の子が言うほどの遊びながら呼ぶほどの 捕まったので思い出したほどの言葉なれど この時代にはこの言葉に総身の毛をよだてている人間がいるの | |||
| 北海の夜 | 今野大力 | 5分以内 | |
1 旗がしきりにゆれている ハタハタと、又ハタハタと 時には風が吹いて来て ゴトンと音を立ててゆく 外はほんとに暗いのだ 自分よ、或る夜の事を思い出せ そしてぞうっと身ぶるえせ 今夜の雪は青白い すごい黒さが沁みている 2 海の妖婆が踊るよな 暗い恐ろしい夜となる 日本海と太平洋の沖の方に 何か変りはないだろうか。 | |||
| 聖の行くべき道 | 今野大力 | 5分以内 | |
そこはねずみも歩かない 歩くべきではない ひじりの行くべき道である 空は明るく明るく まひるの如くに明るい 一しきり降っていった雪は 野に山に路に庭に 夢見る様に積もっている 雪は白い何よりも白い きよめられたる様に白い 天と地の合体の風景である 包む夜は厳に静かな しらべをひっている * ひじりの為めに撒いた敷物は けがれる事を恐れている如くである | |||
| 瘋癲病舎 | 今野大力 | 5分以内 | |
俺はお前の此の喜びはつまらぬと言う訳を知っている お前は現実には適しない お前はあの暗い瘋癲病舎で 白日の中もおもむろに 夢を食って楽しんで生きていればいい男だ | |||
| 豚 | 今野大力 | 5分以内 | |
もったいない事である 肺患者の残した 実に多量の食物は惜し気もなく捨てられる 鮭の照焼や筍やうどふきのうま煮なんか 多くの人々にとって 大した御馳走なんだのに 一椀の飯さえ思うように喰えぬ人々が見たら おおめまいしてしまいそうな 食物の山山 近所の豚がこの滅多に人間さえ食べないものを うんと腹一杯たべてコロコロに肥っている 豚が肥えて肉屋に並べられても それが何とか西洋料理支那料理になっても 豚 | |||
| 春の土へ | 今野大力 | 5分以内 | |
早く春になったら、どんなに楽しい事だろう、日向の小高い丘に軟く暖く香高い土があらわれて、蕗の薹が上衣を脱ぎ、水晶の様に澄んだ水が、小川を流れ、小魚がピチピチ泳いでいる。 | |||
| 光よあれ | 今野大力 | 5分以内 | |
常夜の世界に生命ありて うごめける時 光りは東方より、忍びやかに来りて 輝き初め 万物その己の存在を認め 歓喜の頂点に至れるは いかに至上の盛事なりしか 我等は光りの海に泳げる魚達なり 光りなくして 死を思う生命なり 光りよあれ、而して 永久に我等を愛でよ…… | |||
| 波濤よ | 今野大力 | 5分以内 | |
おお はるけき方より寄せ来る波濤よ 汝が最大の実力と自信を持って 岩礁を打て、万丈のしぶきを上げよ その時、海神は大空に懸る天日をおおいて。 | |||
| 闘士の恋の歌 | 今野大力 | 5分以内 | |
この腕で木刀をうけとめ この肋骨で拷問にこたえ この眼で奴らをねめかえし この歯で奴等に喰いつき この脚で敵の包囲を蹴破った この私のからだは お前のもの、そして一緒に階級のもの プロレタリアートの陣営のもの | |||
| 土 | 今野大力 | 5分以内 | |
ギリシャ古典の趾せる物語りをも 空理としてさげすむ勿れ 吾等生命は土深く埋もれし精霊なりき 神によりてつくられし形態をこそ讃美せる 女人像の豊満なる肉体美をこそ讃美せよ 曲線美なだらかに走れるあたりを讃美せよ 而して土への感謝祭を 土 そは 生命偶像の聖母なりし | |||
| 楽しい会合 | 今野大力 | 5分以内 | |
叔母に伯父 山の人々 尋ね来て 語り合う久方の話 さても又十年前の物語 内地のこと その山その川その家すべて 今ならば夢か知らね 柿の木も桑の木も 背戸の林も表の山も 美しい思い出の国 母もまた我を背負いて 渡り来し松前のなぞえの山を おぼろげに おもい出でしか 語り明す夜はうれしも | |||
| 高峯の頌 | 今野大力 | 5分以内 | |
荒蕪の平原に野を耕し 草を食み、木の実を喰える 人類生存の現象は 高峯の麓にありて あまりにはかなき生命…… 盛夏白熱頂点に達せんとするも 未だに消ゆるなき 雪原の輝きは 天地創造の第一年より 永遠なり 人類生命、億劫に至るも 一切は幻滅に帰り 無し――一切無し 成体もこれ大地の化身なれば 霊魂も又瞬間にして 遺る何物もあらざるべし されど 高峯は歴史を超え 時代を超えて永遠…… | |||
| 静夜昇天 | 今野大力 | 5分以内 | |
柱時計のけだるきリズムに 眠たげなる洋燈の光りに 深々と沈みゆく我らが生 九時を聞き十時を聞き すべては眠りを欲りするの時 みな底の吐息は泡となり ほそぼそき昇天の心は 我生の魂と共にかいのぼりゆく | |||
| 聖堂の近くを過ぐる | 今野大力 | 5分以内 | |
ポプラの梢の空高く大空を指さして 厳かな聖き自然の力を表わす 幹はだの荒くれた並木の下に ヘブライ文化の主流である キリスト教の教会堂が建っている 私は毎日その近くを過ぎる そして神秘な古典の物語りを思い出し、ありし昔の日の幾多重ねた争闘の人間に与えし歴史を憶う…… 人間と言う極まりない霊魂の所有者はかくして永遠に 血を浴びて闘わねばならないか 宇宙の覆滅 人類の滅亡 ああその日まで どんな歴史を | |||
| 星座 | 今野大力 | 5分以内 | |
今宵夜はふけたり 闇夜の 天空高く 一陣の星座を見る こは天に懸かる我十字架なり この夜 魂は 単調なる鼓動に倦み 七重の塁壁を超えて至り そが前に静座し 礼讃し 祈祷す | |||
| 人面凝視 | 今野大力 | 5分以内 | |
ふとして眺むれば 彼処に笑めるは一人の不可解なる精霊の所有者である われは今その面を見つつ想う 唇…… おおそは紅の渕に囲われし底知れぬ沼である 鼻…… おおそはまろみあるエジプトのピラミットである 眼…… おおそはうるおい耀く黒曜石の玉を秘めし二つの湖水である 眉…… おおそは湖水をめぐりて小丘の上に繁れる林である おおなめらかに広き無毛の原を過ぎ行けば 彼方は千古の密林である。 | |||
| 新世紀への伴奏 | 今野大力 | 5分以内 | |
(1) 行け! 私達自然の教徒よ 高く高く燃え燃ゆる自然の精霊の上へ 人間の生命の魂を 燃えべくして燃えざりし炬火を 天日の情熱に投げこんで 紅蓮の焔を眺めつつ 歌え、歌え、輝かせよ (大地よ、ゆるぐべきものよ古哲の教授よ 何と皮相なよろこびなる 草ものびる、私も育つ ああ、生長への伴奏よ 葬送への奏楽ぞ) (2) 行け! 私達一切への戦士よ 異国のはるかにへだてし虹霓の先 | |||
| 信疑の魔女 | 今野大力 | 5分以内 | |
自分の室で 自分の演じていた舞台で 自分を取巻き 或は隙見し 或は踊っていた一人の魔女 「此世の一切は信疑の魔女の領分です 勿論人間は私の兵卒よ あなた 何を惑っているの? それより わたし自身のこの力を 讃美でもして下さいな で賢こい人間あなた」 | |||
| 残冬 | 今野大力 | 5分以内 | |
空はにごれる白亜の色 北国の――悩ましき擾乱 大地ははっちを閉じている ……… 地平の彼方――友等処女等 同じくなやめ同胞達 ……… 北極の襲い来れる、白鵞の万毛 風をよび、吹きなす、ひょうひょうの声 木をゆるぎ、屋根をはぐ ……… 狂暴の形態 天魔の降臨 | |||