青空文庫の全作品
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| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
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| 青柳教諭を送る | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
瘠せて青めるなが頬は 九月の雨に聖くして 一すぢ遠きこのみちを 草穂のけぶりはてもなし | |||
| 〔霧降る萱の細みちに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
霧降る萱の細みちに われをいぶかり腕組める なはたくましき漢子かな 白き上着はよそへども ひそに醸せるなが酒を うち索めたるわれならず はがねの槌は手にあれど ながしづかなる山畑に 銅を探らんわれならず 検土の杖はになへども 四方にすだけるむらどりの 一羽もために落ちざらん 土をけみして培の 企画をなさんつとめのみ さあればなれよ高萱の 群うち縫へるこのみちを わがためにこそひらけかし 権現山のい | |||
| 楊林 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
エレキに魚をとるのみか 鳥さへ犯すしれをのこ 捕らでやまんと駐在の 戸田巡査こそいかめしき まこと楊に磁の乗りて 小鳥は鉄のたぐひかや ひとむれさつと落ち入りて しらむ梢ぞあやしけれ | |||
| 幻想 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
濁みし声下より叫ぶ 炉はいまし何度にありや 八百といらへをすれば 声なくて炭を掻く音 声ありて更に叫べり づくはいまし何度にありや 八百といらへをすれば またもちえと舌打つひゞき 灼熱のるつぼをつゝみ むらさきの暗き火は燃え そがなかに水うち汲める 母の像恍とうかべり 声ありて下より叫ぶ 針はいま何度にありや 八百といらへて云へば たちまちに階を来る音 八百は何のたはごと 汝はこゝに睡れる | |||
| 〔われ聴衆に会釈して〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
われ聴衆に会釈して 歌ひ出でんとしたるとき 突如下手の幕かげに まづおぼろなる銅鑼鳴りて やがてジロフォンみだれうつ わが立ち惑ふそのひまに 琴はいよよに烈しくて そはかの支那の小娘と われとが潔き愛恋を あらぬかたちに歪めなし 描きあざけり罵りて 衆意を迎ふるさまなりき そを一すぢのたはむれと なすべき才もあらざれば たゞ胸あつく頬つりて 呆けたるごとくわが立てば もろびとどつと声あげて い | |||
| 春章作中判 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
一、 ましろき蘆の花噴けば 青き死相を眼にたゝへ 大太刀舞はす乱れ髪 二、 白紙を結ぶすはだしや 死を嘲ける青の隈 雪の反射のなかにして 鉄の鏡をかゝげたり | |||
| 〔ながれたり〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ながれたり 夜はあやしく陥りて ゆらぎ出でしは一むらの 陰極線の盲あかり また螢光の青らむと かなしく白き偏光の類 ましろに寒き川のさま 地平わづかに赤らむは あかつきとこそ覚ゆなれ (そもこれはいづちの川のけしきぞも) げにながれたり水のいろ ながれたりげに水のいろ このあかつきの水のさま はてさへしらにながれたり (そもこれはいづちの川のけしきぞも) 明るく | |||
| 饗宴 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ひとびと酸き胡瓜を噛み やゝに濁れる黄の酒の 陶の小盃に往復せり そは今日賦役に出でざりし家々より 権左エ門が集め来しなれ まこと権左エ門の眼双に赤きは 尚褐玻璃の老眼鏡をかけたるごとく 立つて宰領するこの家のあるじ 熊氏の面はひげに充てり 榾のけむりは稲いちめんにひろがり 雨は※[#「さんずい+堂」、U+6F1F、197-12]々青き穂並にうち注げり われはさながらわれにもあらず 稲の品種をもの | |||
| 〔こんにやくの〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
こんにやくの す枯れの茎をとらんとて 水こぼこぼと鳴る ひぐれまぢかの笹はらを 兄弟二人わけ行きにけり | |||
| 開墾地 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
焦ぎ木のむらはなほあれば 山の畑の雪消えて〔以下なし〕 ―――――――― 青年団が総出にて しだれ桜を截りしなり | |||
| 〔弓のごとく〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
弓のごとく 鳥のごとく 昧爽の風の中より 家に帰り来れり | |||
| 水部の線 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
きみがおもかげうかべんと 夜を仰げばこのまひる 蝋紙に描きし北上の 水線青くひかるなれ 竜や棲みしと伝へたる このこもりぬの辺を来れば 夜ぞらに泛ぶ水線の 火花となりて青々と散る | |||
| 〔卑屈の友らをいきどほろしく〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
卑屈の友らをいきどほろしく 粘土地二片をはしりてよぎり 崖にて青草黄金なるを知り のぼりてかれ草黄なるをふめば 白雪きららに落ち来るものか 一列赤赤ならべるひのき ふたゝび卑屈の友らをおもひ たかぶるおもひは雲にもまじへ かの粘土地なるかの官庁に 灰鋳鉄のいかりを投げよ | |||
| 〔われかのひとをこととふに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
われかのひとをこととふに なにのけげんもあらざるを なにゆゑかのとき協はざる クラリオネットの玲瓏を わらひ軋らせ わらひしや | |||
| 〔郡属伊原忠右エ門〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
郡属伊原忠右エ門 科頭にゴムの靴はきて 冬の芝生をうちよぎり 南ちゞれし綿雲に 雨量計をぞさゝげたる 天狗巣病にはあらねども あまりにしげきこずゑかな | |||
| 〔まひるつとめにまぎらひて〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
まひるつとめにまぎらひて きみがおもかげ来ぬひまは こころやすらひはたらきし そのことなにかねたましき 新月きみがおももちを つきの梢にかゝぐれば 凍れる泥をうちふみて さびしく恋ふるこゝろかな | |||
| 〔洪積の台のはてなる〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
洪積の台のはてなる 一ひらの赤き粘土地 桐の群白くひかれど 枝しげくたけ低ければ 鍛冶町の米屋五助は 今日も来て灰を与へぬ。 | |||
| 〔ゆがみつゝ月は出で〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ゆがみつゝ月は出で うすぐもは淡くにほへり 汽車のおとはかなく 恋ごゝろ風のふくらし ペンのさやうしなはれ 山の稜白くひかれり 汽車の音はるけく なみだゆゑ松いとくろし かれ草はさやぎて わが手帳たゞほのかなり | |||
| セレナーデ 恋歌 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
江釣子森の右肩に 雪ぞあやしくひらめけど きみはいまさず ルーノの君は見えまさず 夜をつまれし枕木黒く 群あちこちに安けれど きみはいまさず とゞろにしばし行きかへど きみはいまさず ポイントの灯はけむれども ルーノのきみの影はなき あゝきみにびしひかりもて わが青じろき額を射ば わが悩あるは癒えなんに | |||
| 〔鷺はひかりの空に餓ゑ〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
鷺はひかりのそらに餓ゑ 羊歯にはそゝぐきりさめを あしきテノールうちなして 二人の紳士 森を来る | |||
| 〔甘藍の球は弾けて〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
甘藍の球は弾けて 青ぞらに白雲の房 呑屋より二人の馬丁 よろめきてあらはれ出づる | |||
| 〔りんごのみきのはひのひかり〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
りんごのみきのはひのひかり 腐植のしめりのつちに立てり 根ぎはの朽ちの褐なれば どう枯病をうたがへり 天のつかれの一方に その果朱金をくすぼらす | |||
| 会計課 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
九時六分のかけ時計 その青じろき盤面に にはかに雪の反射来て パンのかけらは床に落ち インクの雫かわきたり | |||
| 〔昤々としてひかれるは〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
※々としてひかれるは 硫黄ヶ岳の尾根の雪 雲灰白に亙せるは 鳥ヶ森また駒頭山 焼き枕木を負ひ行きて 水路に橋をなさんとや 雪の荒野のたゞなかを 小刻みに行く人のあり | |||
| 職員室 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
歪むガラスのかなたにて 藤をまとへるさいかちや 西は雪ぐも亙せるに 一ひらひかる天の青 ひるげせはしく事終へて なにかそぐはぬひとびとの 暖炉を囲みあるものは その石墨をこそげたり 業を了へたるわかものの 官にあるは卑しくて 一たび村に帰りしは その音づれも聞えざり たまさかゆれしひばの間を 茶羅紗の肩をくすぼらし 校長門を出で行けば いよよにゆがむガラスなり | |||
| 〔つめたき朝の真鍮に〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
つめたき朝の真鍮に 胸をくるしと盛りまつり こゝろさびしくをろがめば おん舎利ゆゑにあをじろく 燐光をこそはなちたまへり | |||
| 烏百態 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
雪のたんぼのあぜみちを ぞろぞろあるく烏なり 雪のたんぼに身を折りて 二声鳴けるからすなり 雪のたんぼに首を垂れ 雪をついばむ烏なり 雪のたんぼに首をあげ あたり見まはす烏なり 雪のたんぼの雪の上 よちよちあるくからすなり 雪のたんぼを行きつくし 雪をついばむからすなり たんぼの雪の高みにて 口をひらきしからすなり たんぼの雪にくちばしを じつとうづめしからすなり 雪のたんぼのかれ | |||
| 訓導 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
早くもひとり雪をけり はるかの吹雪をはせ行くは 木鼠捕りの悦治なり 三人ひとしくはせたちて 多吉ぞわらひ軋るとき 寅は溜りに倒れゐし 赤き毛布にくるまりて 風くるごとに足小刻むは 十にたらざる児らなれや 吹雪きたればあとなる児 急ぎて前にすがりつゝ 一列遠くうすれ行く | |||
| 月天讃歌(擬古調) | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
兜の尾根のうしろより 月天ちらとのぞきたまへり 月天子ほのかにのぞみたまへども 野の雪いまだ暮れやらず しばし山はにたゆたひおはす 決然として月天子 山をいでたち給ひつゝ その横雲の黒雲の さだめの席に入りませりけり 月天子まことはいまだ出でまさず そはみひかりの異りて 赤きといとど歪みませると 月天子み丈のなかば黒雲に うづもれまして笑み給ひけり なめげにも人々高くもの云ひつゝ ことな | |||
| 〔雲を濾し〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
雲を濾し まことあかるくなりし空かな 子ら歓呼してことごとく 走り出でしも宜なれや 風のひのきはみだるるみだるゝ | |||
| 〔ま青きそらの風をふるはし〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
ま青きそらの風をふるはし ひとりはたらく脱穀機 R-R-r-r-r-r-r-r-r 脱穀小屋の庇の下に 首を垂れたる二疋の馬 R-R-r-r-r-r-r-r-r 粉雪おぼろにひかりたち はるかにりりと鐘なれば うなじをあぐる二疋の馬 華やかなりしそのかみの よきギャロップをうちふみて うまやにこそは帰り行くなれ | |||
| 〔最も親しき友らにさへこれを秘して〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
最も親しき友らにさへこれを秘して ふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに 不純の想を包みて病を問ふと名をかりて あるべきならぬなが夢の (まことにあらぬ夢なれや われに属する財はなく わが身は病と戦ひつ 辛く業をばなしけるを) あらゆる詐術の成らざりしより 我を呪ひて殺さんとするか 然らば記せよ 女と思ひて今日までは許しても来つれ 今や生くるも死するも なんぢが曲意非礼を忘れじ も | |||
| 〔月光の鉛のなかに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
月光の鉛のなかに みどりなる犀は落ち臥し 松の影これを覆へり | |||
| 丘 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
森の上のこの神楽殿 いそがしくのぼりて立てば くわくこうはめぐりてどよみ 松の風頬を吹くなり 野をはるに北をのぞめば 紫波の城の二本の杉 かゞやきて黄ばめるものは そが上に麦熟すらし さらにまた夏雲の下 青々と山なみははせ 従ひて野は澱めども かのまちはつひに見えざり うらゝかに野を過ぎり行く かの雲の影ともなりて きみがべにありなんものを さもわれののがれてあれば うすくらき古着の店に | |||
| 病中幻想 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
罪はいま疾にかはり たよりなくわれは騰りて 野のそらにひとりまどろむ 太虚ひかりてはてしなく 身は水素より軽ければ また耕さんすべもなし せめてはかしこ黒と白 立ち並びたる積雲を 雨と崩して堕ちなんを | |||
| 〔馬行き人行き自転車行きて〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
馬行き人行き自転車行きて しばし粉雪の風吹けり 絣合羽につまごはき 物噛むごとくたゝずみて 大売り出しのビラ読む翁 まなこをめぐる輻状の皺 楽隊の音からおもてを見れば 雲は傷れて眼痛む 西洋料理支那料理の 三色文字は赤より暮るゝ 馬が一疋東へ行く 古びた荷繩をぶらさげて 雪みちをふむ 引いて行くのはまだ頬の円いこども 兵隊外套が長過ぎるので 繩でしばつてたごめてゐる 政友会の親分の 手を綿 | |||
| 雪峡 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
塵のごと小鳥なきすぎ ほこ杉の峡の奥より あやしくも鳴るや み神楽 いみじくも鳴るや み神楽 たゞ深し天の青原 雲が燃す白金環と 白金の黒の窟を 日天子奔せ出でたまふ | |||
| 機会 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
恋のはじめのおとなひは かの青春に来りけり おなじき第二神来は 蒼き上着にありにけり その第三は諸人の 栄誉のなかに来りけり いまおゝその四愛憐は 何たるぼろの中に来しぞも | |||
| 〔われらひとしく丘に立ち〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
われらひとしく丘に立ち 青ぐろくしてぶちうてる あやしきもののひろがりを 東はてなくのぞみけり そは巨いなる塩の水 海とはおのもさとれども 伝へてきゝしそのものと あまりにたがふこゝちして たゞうつゝなるうすれ日に そのわだつみの潮騒の うろこの国の波がしら きほひ寄するをのぞみゐたりき | |||
| 四八 黄泉路 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
アリイルスチュアール 一九二七 (房中寒くむなしくて 灯は消え月は出でざるに 大なる恐怖の声なして いま起ちたるはそも何ぞ!…… わが知るものの霊よ 何とてなれは来りしや?) (君は云へりき わが待たば 君も必ず来らんと……) (愛しきされど愚かしき 遙けくなれの死しけるを 亡きと生けるはもろ共に 行き交ふことの許されね いざはやなれはくらやみに われは愛にぞ行くべかり) ( | |||
| 〔たゞかたくなのみをわぶる〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
……たゞかたくなのみをわぶる なにをかひとにうらむべき…… ましろきそらにはゞたきて ましろきそらにたゆたひて 百舌はいこひをおもふらし | |||
| 宅地 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
白日雲の角に入り 害条桐を辞し堕ちぬ 黒き豚は巣を出でて キャベヂの茎を穿ちたり | |||
| 〔そのかたち収得に似て〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
そのかたち収得に似て 面赤く鼻たくましき その云ふや声肝にあり その行くや犠を索むる | |||
| 〔青びかる天弧のはてに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
青びかる天弧のはてに きらゝかに町はうかびて 六月のたつきのみちは いまやはた尽きはてにけり いさゝかの書籍とセロを 思ふまゝ〔以下空白〕 | |||
| 〔いざ渡せかし おいぼれめ〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
「いざ渡せかし おいぼれめ いつもこゝにて日を暮らす」 すぱとたばこを吸ひやめて 何を云ふともこの飯の 煮たたぬうちに 立つべしや 芋の子頭白髪して おきなは榾を加へたり | |||
| 校庭 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
さ霧する白き木柵 幹彫れる桐のいくもと 剥げそめし白きペンキの 木柵に人人は倚り そのペンキあるいは剥げ あるものは庭をのぞめり 一鐘のラッパが鳴りて 急ぎ行く港先生 白堊城秋のガラスは ひらごとにうつろなりけり | |||
| 開墾 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
落ちしのばらの芽はひかり 樹液はしづにかはたれぬ あゝこの夕つゝましく きみと祈らばよからんを きみきたらずばわが成さん この園つひにむなしけん 西天黄ばみにごれるに 雲の黒闇の見もあへず | |||
| 〔館は台地のはななれば〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
館は台地のはななれば 鳥は岬の火とも見つ 香魚釣る人は藪と瀬を 低くすかしてわきまへぬ 鳥をまがへる赤き蛾は 鱗粉きらとうちながし 緑の蝦を僭しつゝ 浮塵子あかりをめぐりけり | |||
| 〔二川こゝにて会したり〕 | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
(二川こゝにて会したり) (いな、和賀の川水雪代ふ 夏油のそれの十なれば その川ここに入ると云へ) 藍と雪とのうすけぶり つらなる尾根のかなたより 夏油の川は巌截りて ましろき波をながしきぬ | |||
| 百合を掘る | 宮沢賢治 | 5分以内 | |
百合掘ると 唐鍬をかたぎつ ひと恋ひて 林に行けば 濁り田に 白き日輪 くるほしく うつりゆれたる 友らみな 大都のなかに 入学の 試験するらん われはしも 身はうち疾みて こゝろはも 恋に疲れぬ 森のはて いづくにかあれ 子ら云へる 声ほのかにて はるかなる 地平のあたり 汽車の音 行きわぶごとし このまひる 鳩のまねして 松森の うす日のなかに | |||