宮沢賢治の全作品
青空文庫で公開されている宮沢賢治の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。
151-172件 / 全172件
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 | 
|---|---|---|---|
| 不軽菩薩 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
あらめの衣身にまとひ城より城をへめぐりつ上慢四衆の人ごとに菩薩は礼をなしたまふ(われは不軽ぞかれは慢こは無明なりしかもあれいましも展く法性と菩薩は礼をなし給ふ)われ汝等を尊敬す敢て軽賤なさざるは汝等作仏せん故と菩薩は礼をなし給ふ(こゝにわれなくかれもなしたゞ一乗の法界ぞ法界をこそ拝すれと菩薩は礼をなし給ふ)。  | |||
| 〔聖なる窓〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
聖なる窓そらのひかりはうす青み汚点ある幕はひるがへるOh, my reverence!Sacred St. Window!。  | |||
| 〔われはダルケを名乗れるものと〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
われはダルケを名乗れるものとつめたく最後のわかれを交はし閲覧室の三階より白き砂をはるかにたどるこゝちにてその地下室に下り来りかたみに湯と水とを呑めりそのとき瓦斯のマントルはやぶれ焔は葱の華なせば網膜半ば奪はれてその洞黒く錯乱せりしかくてぞわれはその文にダルケと名乗る哲人と永久のわかれをなせるなり。  | |||
| 県道 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
鳥居の下の県道を砂塵おぼろにあとひきて青竹いろのトラック過ぐる枝垂の栗の下影に鳥獣戯画のかたちして相撲をとれる子らもあり。  | |||
| 〔かくまでに〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
かくまでに心をいたましむるは薄明穹の黒き血痕新らしき見習士官の肩章をつけなが恋敵笑ひ過ぐるを。  | |||
| 隼人 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
あかりつぎつぎ飛び行けば赭ら顔黒装束のその若者こゝろもそらに席に帰れり衢(まち)覆ふ膠朧光や夜の穹窿を見入りつゝ若者なみだうちながしたり大森をすぎてその若者ひそやかに写真をいだし見まもりにけりげに一夜写真をながめ泪ながし駅々の灯を迎へ送りぬ山山に白雲かゝり夜は明けて若者やゝに面をあげ田原の坂の地形を説けり赭ら顔黒装束のその隼人...  | |||
| 〔せなうち痛み息熱く〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
せなうち痛み息熱く待合室をわが得るや白き羽せし淫れめのおごりてまなこうちつむりかなためぐれるベンチにはかつて獅子とも虎とも呼ばれいま歯を謝せし村長の頬明き孫の学生を侍童のさまに従へて手袋の手をかさねつゝいとつゝましく汽車待てる外の面俥の往来して雪もさびしくよごれたる二月の末のくれちかみ十貫二十五銭にていかんぞ工場立たんなどそのかみのシャツそのかみの外套を着...  | |||
| 〔ひとひははかなくことばをくだし〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
ひとひははかなくことばをくだしゆふべはいづちの組合にても一車を送らんすべなどおもふさこそはこゝろのうらぶれぬるとたそがれさびしく車窓によれば外の面は磐井の沖積層を草火のけむりぞ青みてながる屈撓余りに大なるときは挫折の域にも至りぬべきをいままた怪しくせなうち熱り胸さへ痛むはかつての病ふたゝび来しやとひそかに経れば芽ばえぬ柳と残りの雪のなかばはいとしくなかばはかなしあるいは二列の...  | |||
| スタンレー探検隊に対する二人のコンゴー土人の演説 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
白人白人いづくへ行くやこゝを溯らば毒の滝がまは汝を膨らまし鰐は汝の手を食はんちがひなしちがひなしがまは汝の舌を抜き鰐は汝の手を食はん白人白人いづくへ行くやこゝより奥は暗の森藪は汝の足をとり蕈は汝を腐らさんちがひなしちがひなし藪は汝の足をとり蕈は汝を腐らさん白人白人いづくへ行くやこゝを昇らば熱の丘...  | |||
| 敗れし少年の歌へる | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
ひかりわななくあけぞらに清麗サフィアのさまなしてきみにたぐへるかの惑星のいま融け行くぞかなしけれ雪をかぶれるびやくしんや百の海岬いま明けてあをうなばらは万葉の古きしらべにひかれるを夜はあやしき積雲のなかより生れてかの星ぞさながらきみのことばもてわれをこととひ燃えけるをよきロダイトのさまなしてひかりわなゝくかのそらに溶け行くとしてひるがへるきみが星こそかなしけれ。  | |||
| 〔くもにつらなるでこぼこがらす〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
くもにつらなるでこぼこがらす杜のかなたを赤き電車のせはしき往来べつ甲めがねのメフェスト。  | |||
| 〔土をも掘らん汗もせん〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
土をも掘らん汗もせんまれには時に食まざらんさあれわれらはわれらなりながともがらといと遠しにくみいかりしこのことばいくそたびきゝいまもきゝやがてはさのみたゞさのみわが生き得んとうしなへるこゝろとくらきいたつきのさなかにわれもうなづきなんや。  | |||
| 〔あくたうかべる朝の水〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
あくたうかべる朝の水ひらととびかふつばくらめ苗のはこびの遅ければ熊ははぎしり雲を見る苗つけ馬を引ききたり露のすぎなの畔に立ち権は朱塗の盃をましろきそらにあふぐなり。  | |||
| 中尊寺〔二〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
白きそらいと近くしてみねの方鐘さらに鳴り青葉もて埋もる堂のひそけくも暮れにまぢかし僧ひとり縁にうちゐてふくれたるうなじめぐらし義経の彩ある像をゆびさしてそらごとを云ふ。  | |||
| 火渡り | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
竜王の名をしるしたる紺の旗黄と朱の旗さうさうと焔はたちて葉桜の梢まばゆし布をもてひげをしばりし行者なほ呪をなしやめずにくさげに立ちて見まもる軍帽をかぶれる教師。  | |||
| 〔こゝろの影を恐るなと〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
こゝろの影を恐るなとまことにさなりさりながらこゝろの影のしばしなるそをこそ世界現実といふ。  | |||
| 〔モザイク成り〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
モザイク成り、佳人は窓より見るを何ぞ七面鳥の二所をけちらし窪めしや、何の花を移してこゝを埋めん然りたゞ七面鳥なんぢそこに座して動かざれ然り七面鳥動くも又可なりなんぢ事務長のひいきする花。  | |||
| 〔夕陽は青めりかの山裾に〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
夕陽は青めりかの山裾にひろ野はくらめりま夏の雲にかの町はるかの地平に消えておもかげほがらにわらひは遠しふたりぞたゞのみさちありなんとおもへば世界はあまりに暗くかのひとまことにさちありなんとまさしくねがへばこころはあかしいざ起てまことのをのこの恋にもの云ひもの読み苹果を喰めるひとびとまことのさちならざればまことのねがひは充ちしにあらぬ夕陽は青みて木立はひかりをちこちながるゝ草取...  | |||
| 農学校歌 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
日ハ君臨シカガヤキハ白金ノ雨ソソギタリワレラハ黒キ土ニ俯シマコトノ草ノタネマケリ日ハ君臨シ穹窿ニミナギリ亙ス青ビカリ光ノ汗ヲ感ズレバ気圏ノキハミクマモナシ日ハ君臨シ玻璃ノマド清澄ニシテ寂カナリサアレヤミチヲ索メテハ白堊ノ霧モアビヌベシ日ハ君臨シカヾヤキノ太陽系ハマヒルナリケハシキ旅ノナカニシテワレラヒカリノミチヲフム。  | |||
| 〔島わにあらき潮騒を〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
島わにあらき潮騒をうつつの森のなかに聴き羊歯の葉しげき下蔭に青き椿の実をとりぬ南の風のくるほしく波のいぶきを吹き来れば百千鳥すだきわぶる三原の山に燃ゆる火のなかばは雲に鎖されぬ。  | |||
| 火の島 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
海鳴りのとゞろく日は船もより来ぬを火の山の燃え熾りて雲のながるゝ海鳴り寄せ来る椿の林にひねもす百合掘り今日もはてぬ。  | |||
| 〔廿日月かざす刃は音無しの〕 | 宮沢賢治 | 5分以内  | |
廿日月かざす刃は音無しの黒業ひろごるそらのひまその竜之介風もなき修羅のさかひを行き惑ひすゝきすがるゝいのじ原その雲のいろ日は沈み鳥はねぐらにかへれどもひとはかへらぬ修羅の旅その竜之介。  | |||
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