宮本百合子の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
夜宮本百合子5分以内241

青銅の扉に秘密を閉して もだせる夜の厳さよ! 万物はかたずのみて 闇に立ち迷う奇蹟をながめ 故知らぬ暗示に胸をとどろかす 偉なるかな! 奇なるかな! 生あるものは総てかく低唱しつつ 厚き帳のかなた身じろぐ夜の精を見んと 行手すかしつつさぐり見るなり 無限の闇の広き宙には 乾坤の敗者の歎きと 勝者の鬨の声と 石棺の底より 過去を叫ぶ亡霊のうごめき 奇しき形に 其の音波を伝えつつ 闇に生れ闇に消え行く

青銅の扉に秘密を閉して もだせる夜の厳さよ! 万物はかたずのみて 闇に立ち迷う奇蹟をながめ 故知らぬ暗示に胸をとどろかす 偉なるかな! 奇なるかな! 生あるものは総てかく低唱しつつ 厚き帳のかなた身じろぐ夜の精を見んと 行手すかしつつさぐり見るなり 無限の闇の広き宙には 乾坤の敗者の歎きと 勝者の鬨の声と 石棺の底より 過去を叫ぶ亡霊のうごめき 奇しき形に 其の音波を伝えつつ 闇に生れ闇に消え行く

片すみにかがむ死の影宮本百合子5分以内476

うす暗き片すみにかがむ死の影は 夜の気の定まると共に その衣のひだをまし 光をまし 毒気をまして 人間の心の臓をうかがいて迫る。

うす暗き片すみにかがむ死の影は 夜の気の定まると共に その衣のひだをまし 光をまし 毒気をまして 人間の心の臓をうかがいて迫る。

秋風宮本百合子10分以内2,350

秋風が冷や冷やと身にしみる。

秋風が冷や冷やと身にしみる。

秋毛宮本百合子5分以内1,999

病みあがりの髪は妙にねばりが強くなって、何ぞと云ってはすぐこんぐらかる。

病みあがりの髪は妙にねばりが強くなって、何ぞと云ってはすぐこんぐらかる。

冬の海宮本百合子5分以内1,984

あんまりはっきり晴れ渡らない空合で、風も静かに気にかからぬまでに吹いて居る。

あんまりはっきり晴れ渡らない空合で、風も静かに気にかからぬまでに吹いて居る。

熱宮本百合子10分以内2,287

時候あたりの気味で、此の二三日又少し熱が出た。

時候あたりの気味で、此の二三日又少し熱が出た。

大いなるもの宮本百合子10分以内3,596

大いなるものの悲しみ!  偉大なるものの歎き!  すべての時代に現われた大いなるものは、押並べて其の輝やかしい面を愁の涙に曇らして居る。

大いなるものの悲しみ!  偉大なるものの歎き!  すべての時代に現われた大いなるものは、押並べて其の輝やかしい面を愁の涙に曇らして居る。

無題(三)宮本百合子5分以内917

未練も容謝もない様に、天から真直な大雨が降って居る。

未練も容謝もない様に、天から真直な大雨が降って居る。

秋の夜宮本百合子5分以内311

月そそぐいずの夜 揺れ揺れて流れ行く光りの中に 音もなく一人もだし立てば 萌え出でし思いのかいわれ葉 瑞木となりて空に冲る。

月そそぐいずの夜 揺れ揺れて流れ行く光りの中に 音もなく一人もだし立てば 萌え出でし思いのかいわれ葉 瑞木となりて空に冲る。

小さい子供宮本百合子10分以内3,619

小寒に入った等とは到底思われない程穏かな好い日なので珍らしく一番小さい弟を連れて植物園へ行って見ました。

小寒に入った等とは到底思われない程穏かな好い日なので珍らしく一番小さい弟を連れて植物園へ行って見ました。

二月七日宮本百合子30分以内4,080

彼女は耳元で激しく泣き立てる小さい妹の声で夢も見ない様な深い眠りから、丁度玉葱の皮を剥く様に、一皮ずつ同じ厚さで目覚まされて行きました。

彼女は耳元で激しく泣き立てる小さい妹の声で夢も見ない様な深い眠りから、丁度玉葱の皮を剥く様に、一皮ずつ同じ厚さで目覚まされて行きました。

雨が降って居る宮本百合子5分以内802

細い雨足で雨が降って居る。

細い雨足で雨が降って居る。

無題(四)宮本百合子5分以内908

私は絶えず本を読まなければならないと云う心持がして居る。

私は絶えず本を読まなければならないと云う心持がして居る。

一条の縄宮本百合子30分以内5,364

月の冴えた十一月の或る夜である。

月の冴えた十一月の或る夜である。

錦木宮本百合子1時間〜53,272

(一)  京でなうても御はなは咲いた   恋の使の春の小雨が    たよりもて来てそとさゝやけば     花は恥らふてポト笑んだ      京でなうても御はなはさいた。

(一)  京でなうても御はなは咲いた   恋の使の春の小雨が    たよりもて来てそとさゝやけば     花は恥らふてポト笑んだ      京でなうても御はなはさいた。

ひな勇はん宮本百合子60分以内12,508

いつでも黒い被衣を着て切下げて居た祖母と京都に行って居たのは丁度六月末池の水草に白い豆の様な花のポツリポツリと見え始める頃から紫陽花のあせる頃までで私にはかなり長い旅であった。

いつでも黒い被衣を着て切下げて居た祖母と京都に行って居たのは丁度六月末池の水草に白い豆の様な花のポツリポツリと見え始める頃から紫陽花のあせる頃までで私にはかなり長い旅であった。

葦笛(一幕)宮本百合子30分以内10,143

人物   精霊    三人   シリンクス ダイアナ神ニ侍リ美くしい又とない様な精女   ペーン   マアキュリの長子林の司 こんもりしげった森の中遠くに小川がリボンの様に見える所。

人物   精霊    三人   シリンクス ダイアナ神ニ侍リ美くしい又とない様な精女   ペーン   マアキュリの長子林の司 こんもりしげった森の中遠くに小川がリボンの様に見える所。

千世子宮本百合子1時間〜85,428

(一)  一足門の外に出ればもう田があきるまで見渡たせるほど田舎めいた何の変化もない、極うすい水色の様な空気の山の中に千世子の一家はもう二十年近く住んで居る。

(一)  一足門の外に出ればもう田があきるまで見渡たせるほど田舎めいた何の変化もない、極うすい水色の様な空気の山の中に千世子の一家はもう二十年近く住んで居る。

千世子(二)宮本百合子60分以内15,701

(一)  外はしとしとと茅葦には音もなく小雨がして居る。

(一)  外はしとしとと茅葦には音もなく小雨がして居る。

千世子(三)宮本百合子1時間〜28,297

(一)  千世子は大変疲れて居た。

(一)  千世子は大変疲れて居た。

胚胎宮本百合子1時間〜28,071

時代   中古、A.D. 十一世紀頃――A.D. 1077―A.D. 1095     人物   グレゴリオ七世 ローマ法王   ヘンリー四世  ドイツ帝   老人   ヘンリー四世の守役を勤めた人九十以上の年になって居る。

時代   中古、A.D. 十一世紀頃――A.D. 1077―A.D. 1095     人物   グレゴリオ七世 ローマ法王   ヘンリー四世  ドイツ帝   老人   ヘンリー四世の守役を勤めた人九十以上の年になって居る。

蛋白石宮本百合子60分以内12,480

(一)  劇場の廊下で知り合いになってからどう気が向いたものか肇はその時紹介して呉れた篤と一緒に度々千世子の処へ出掛けた。

(一)  劇場の廊下で知り合いになってからどう気が向いたものか肇はその時紹介して呉れた篤と一緒に度々千世子の処へ出掛けた。

「奈良」に遊びて宮本百合子5分以内1,793

(一)  古代芸術の香高い所、そして美しい山水にかこまれた「奈良」という土地に対して、私はまあ、どれ位い憧憬の心を持っていた事でしょう。

(一)  古代芸術の香高い所、そして美しい山水にかこまれた「奈良」という土地に対して、私はまあ、どれ位い憧憬の心を持っていた事でしょう。

無題宮本百合子30分以内5,237

河原蓬と云う歌めいた響や、邪宗の僧、摩利信乃法師等と云う、如何にも古めかしい呼名が、芥川氏一流の魅力を持って、私の想像を遠い幾百年かの昔に運び去ると同時に、私の心には、又何とも云えないほど、故国の薫りが高まって来た。

河原蓬と云う歌めいた響や、邪宗の僧、摩利信乃法師等と云う、如何にも古めかしい呼名が、芥川氏一流の魅力を持って、私の想像を遠い幾百年かの昔に運び去ると同時に、私の心には、又何とも云えないほど、故国の薫りが高まって来た。

いとこ同志宮本百合子30分以内7,876

今からもう二十一二年昔、築地の方に、Sと云う女学校がありました。

今からもう二十一二年昔、築地の方に、Sと云う女学校がありました。

書斎を中心にした家宮本百合子10分以内3,789

我々のように、二人とも机に向って仕事をする者は、若し理想を実現し得るなら、先ず静かなよい書斎を持ちたいのが希望です。

我々のように、二人とも机に向って仕事をする者は、若し理想を実現し得るなら、先ず静かなよい書斎を持ちたいのが希望です。

男…は疲れている宮本百合子5分以内1,893

現在の、特に日本の、不調和な社会状態のうちに生活しているわれわれ、殊に、外部的交渉をおおく持つ男性が、心的、物質的に疲労しているということは、否めない一つの事実でしょう。

現在の、特に日本の、不調和な社会状態のうちに生活しているわれわれ、殊に、外部的交渉をおおく持つ男性が、心的、物質的に疲労しているということは、否めない一つの事実でしょう。

私の本年の希望と計画宮本百合子5分以内58

具体的のことは実際出来て見なければわかりませんが、今年は少し仕事が出来そうなので悦んで居ります。

具体的のことは実際出来て見なければわかりませんが、今年は少し仕事が出来そうなので悦んで居ります。

対話宮本百合子30分以内8,708

時 神の第十瞬期 処 天の第二級天の上 神 ヴィンダーブラ(壊滅、絶望を司る巨大な男性の荒神)    ミーダ(暴力、呪咀を司る中性の神)    カラ(死、涙、悲歎を貪食する女性の神)    イオイナ(智慧、愛、創造を司る女性の神)    その他 此等の神々の使者数多。

時 神の第十瞬期 処 天の第二級天の上 神 ヴィンダーブラ(壊滅、絶望を司る巨大な男性の荒神)    ミーダ(暴力、呪咀を司る中性の神)    カラ(死、涙、悲歎を貪食する女性の神)    イオイナ(智慧、愛、創造を司る女性の神)    その他 此等の神々の使者数多。

四時の変化と関りのない書斎宮本百合子5分以内129

特に夏期の書斎としての注文も思い当りません。

特に夏期の書斎としての注文も思い当りません。

或る日宮本百合子30分以内10,344

降誕祭の朝、彼は癇癪を起した。

降誕祭の朝、彼は癇癪を起した。

秋の反射宮本百合子30分以内4,319

一  田舎[#「田舎」は底本では「 舎」]では何処にでも、一つの村に一人は、馬鹿や村中の厄介で生きている独りものの年寄があるものだ。

一  田舎[#「田舎」は底本では「 舎」]では何処にでも、一つの村に一人は、馬鹿や村中の厄介で生きている独りものの年寄があるものだ。

書斎の条件宮本百合子5分以内152

空想のうちに描いている斯様ありたいと思う書斎の条件を並べます。

空想のうちに描いている斯様ありたいと思う書斎の条件を並べます。

黒い驢馬と白い山羊宮本百合子5分以内1,687

八月の十五日は、晴れた夜が多いのに、九月の十五夜は、いつも曇り勝だ。

八月の十五日は、晴れた夜が多いのに、九月の十五夜は、いつも曇り勝だ。

露西亜の実生活宮本百合子5分以内1,800

作家の生活費は収入で決まる  ソヴェト露西亜の実生活については種々反動的なデマゴーグが拡まっているが、実際内部へ入って見れば、年々状態は好くなって来るし、一九二八年――まして一九三三年の生産拡張五ヵ年計画が着手されてから、個人商人の激減と工場及び凡ての官公署内の組織が社会主義的ラインに依って非常に多くのものを清算し改造したために、各個人の実際生活が一方から見れば窮屈みたいだけれど、一方から見れば

作家の生活費は収入で決まる  ソヴェト露西亜の実生活については種々反動的なデマゴーグが拡まっているが、実際内部へ入って見れば、年々状態は好くなって来るし、一九二八年――まして一九三三年の生産拡張五ヵ年計画が着手されてから、個人商人の激減と工場及び凡ての官公署内の組織が社会主義的ラインに依って非常に多くのものを清算し改造したために、各個人の実際生活が一方から見れば窮屈みたいだけれど、一方から見れば

プロレタリア美術展を観る宮本百合子10分以内2,259

(一)  ほんとは一時間半もあれば充分見られるだろうと思って行ったのだ。

(一)  ほんとは一時間半もあれば充分見られるだろうと思って行ったのだ。

「鎌と鎚」工場の文学研究会宮本百合子30分以内5,615

自分に与えられたほんとの課題は、ソヴェト生産拡張五箇年計画と芸術との関係について、ちょっと簡単に書いて貰えますまいか、というのだった。

自分に与えられたほんとの課題は、ソヴェト生産拡張五箇年計画と芸術との関係について、ちょっと簡単に書いて貰えますまいか、というのだった。

「女人芸術」か「女人大衆」かの批判について宮本百合子5分以内346

「女人芸術」という名をかえることには大いに賛成です。

「女人芸術」という名をかえることには大いに賛成です。

ソヴェトの「労働者クラブ」宮本百合子5分以内1,098

ソヴェト・ロシアには、「労働者クラブ」と云うものがある。

ソヴェト・ロシアには、「労働者クラブ」と云うものがある。

砂遊場からの同志宮本百合子30分以内7,380

托児所からはじまる  モスク※はクレムリとモスク※河とをかこんで環状にひろがった都会だ。

托児所からはじまる  モスク※はクレムリとモスク※河とをかこんで環状にひろがった都会だ。

ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て宮本百合子10分以内3,494

*  ソヴェトは恋愛が自由である。

*  ソヴェトは恋愛が自由である。

ゆがめられた純情宮本百合子5分以内213

上海事変も満洲事変も戦争という点で少しも違いがありません。

上海事変も満洲事変も戦争という点で少しも違いがありません。

共産党公判を傍聴して宮本百合子30分以内4,878

三月十五日は三・一五の記念日だから共産党の公判を傍聴に行こうとお友達○○○さんに誘われました。

三月十五日は三・一五の記念日だから共産党の公判を傍聴に行こうとお友達○○○さんに誘われました。

今日の文章宮本百合子5分以内1,873

文章というものも生きているものだから、時代の空気といつも微妙なつながりをもって動いていると思う。

文章というものも生きているものだから、時代の空気といつも微妙なつながりをもって動いていると思う。

「現代百婦人録」問合せに答えて宮本百合子5分以内361

1 明治三十二年二月十三日 東京市 2 東京市豊島区目白三ノ三五七〇 3 お茶の水 4 文学の仕事は好きではじめました。

1 明治三十二年二月十三日 東京市 2 東京市豊島区目白三ノ三五七〇 3 お茶の水 4 文学の仕事は好きではじめました。

『進み行く娘達へ』に寄せて宮本百合子5分以内163

かなしい昔の母たちが最愛の娘のためにととのえてやる生涯の仕度は、幾重ねかの嫁入衣装と一ふりの懐剣とであった。

かなしい昔の母たちが最愛の娘のためにととのえてやる生涯の仕度は、幾重ねかの嫁入衣装と一ふりの懐剣とであった。

歴史と文学宮本百合子5分以内1,988

文学と歴史とのいきさつは、極めて多面で動的で、相互の連関の間に消長して行っているのが実際だと思う。

文学と歴史とのいきさつは、極めて多面で動的で、相互の連関の間に消長して行っているのが実際だと思う。

親子一体の教育法宮本百合子5分以内1,977

若々しい時代の影響  私たちの育った時代の父と母との生活ぶりを考えると、若い生活力の旺な自分たちの生活への態度そのものの中に幼い子供たちをひっくるめて前進して行ったという感じがする。

若々しい時代の影響  私たちの育った時代の父と母との生活ぶりを考えると、若い生活力の旺な自分たちの生活への態度そのものの中に幼い子供たちをひっくるめて前進して行ったという感じがする。

美しく豊な生活へ宮本百合子30分以内6,278

この雑誌の読者である方々くらいの年頃の少女の生活は、先頃まではあどけない少女時代の生活という風に表現されていたと思います。

この雑誌の読者である方々くらいの年頃の少女の生活は、先頃まではあどけない少女時代の生活という風に表現されていたと思います。

「播州平野」創作メモ宮本百合子5分以内310

┌細君、小枝      │七歳の伸一 ┌富井行雄┤四つの健吉 │    │百姓 与田初五郎 │    └   酒井「五兵衛さん」 │石田重吉┐直次 つや子 └ ひろ子└進三 〔欄外に〕 坂上夫妻  友人の家   ┌──┐ 九月│五日│八日   └──┘ Policeman  Military Police 下駄の音 電燈カバーの細工 汽車の中 ┌母   登代 │義妹  直三の妻つや   

┌細君、小枝      │七歳の伸一 ┌富井行雄┤四つの健吉 │    │百姓 与田初五郎 │    └   酒井「五兵衛さん」 │石田重吉┐直次 つや子 └ ひろ子└進三 〔欄外に〕 坂上夫妻  友人の家   ┌──┐ 九月│五日│八日   └──┘ Policeman  Military Police 下駄の音 電燈カバーの細工 汽車の中 ┌母   登代 │義妹  直三の妻つや