小熊秀雄の全作品

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裸婦小熊秀雄30分以内6,002

(一)  或る雪の日の午後。

(一)  或る雪の日の午後。

小熊秀雄全集-02小熊秀雄60分以内21,764

奪はれた魂 地軸に近い何所かで うづもれた 世にも稀なる紫ダイヤを とげ/\と骨ばかりのやせこけた 悪魔たちがまるくとりまき ひからびた手を繋ぎ合ひ にやにやとした もの倦い足どりで 踊るたびにからからと音がする    ◇ ちやうどそれのやうに ちやうどそれのやうに かつて失はれた俺の魂は かつてうばはれた俺の魂は 柔かく 滑らかな琥珀の頬と 熟したザクロの唇とをもつた 美しい悪魔が 青くはげし

奪はれた魂 地軸に近い何所かで うづもれた 世にも稀なる紫ダイヤを とげ/\と骨ばかりのやせこけた 悪魔たちがまるくとりまき ひからびた手を繋ぎ合ひ にやにやとした もの倦い足どりで 踊るたびにからからと音がする    ◇ ちやうどそれのやうに ちやうどそれのやうに かつて失はれた俺の魂は かつてうばはれた俺の魂は 柔かく 滑らかな琥珀の頬と 熟したザクロの唇とをもつた 美しい悪魔が 青くはげし

小熊秀雄全集-09小熊秀雄60分以内22,246

小熊秀雄全集-9 詩集(8)流民詩集1 小熊秀雄 ●目次 序|通信詩集|愚鈍詩集|哀憐詩集 序  二十年も、そのもつと前に、自分は詩を書き初めたとき、こんな念願をたてたものであつた、それは一生の間に自分の身長だけの高さの、詩集の冊数をもちたいものだといふことであつた。

小熊秀雄全集-9 詩集(8)流民詩集1 小熊秀雄 ●目次 序|通信詩集|愚鈍詩集|哀憐詩集 序  二十年も、そのもつと前に、自分は詩を書き初めたとき、こんな念願をたてたものであつた、それは一生の間に自分の身長だけの高さの、詩集の冊数をもちたいものだといふことであつた。

小熊秀雄全集-13小熊秀雄1時間〜27,285

●目次 ◆未収録詩篇(1936~1940) 性別の谷 一つの太陽と二つの現実 パドマ 雪の伝説を探るには 右手と左手 或る旦那の生活 寓話的な詩二篇  温和しい強盗  猿と臭い栗 国民の臍を代表して さあ・練習始め 芝居は順序よくいつてゐる 日比谷附近 多少の埃は 平民と愛 愛と衝動と叡智 文学の大根役者に与ふ 転落 インテリの硬直 喜怒哀楽の歌 怖ろしい言葉を 訴訟狂のやうに カミナリ 小説家は

●目次 ◆未収録詩篇(1936~1940) 性別の谷 一つの太陽と二つの現実 パドマ 雪の伝説を探るには 右手と左手 或る旦那の生活 寓話的な詩二篇  温和しい強盗  猿と臭い栗 国民の臍を代表して さあ・練習始め 芝居は順序よくいつてゐる 日比谷附近 多少の埃は 平民と愛 愛と衝動と叡智 文学の大根役者に与ふ 転落 インテリの硬直 喜怒哀楽の歌 怖ろしい言葉を 訴訟狂のやうに カミナリ 小説家は

小熊秀雄全集-15小熊秀雄1時間〜91,331

●小説総目次 土の中の馬賊の歌 味瓜畑 塩を撒く 殴る 裸婦 憂鬱な家 泥鰌 雨中記 諷刺短篇七種  盗む男の才能に関する話  暗黒中のインテリゲンチャ虫の趨光性に就いて  深海に於ける蛸の神経衰弱症状  芸妓聯隊の敵前渡河  村会の議題『旦那の湯加減並に蝋燭製造の件』  一婦人の籐椅子との正式結婚を認めるや否や  『飛つチョ』の名人に就いて 監房ホテル  遙か彼方を眺むれば  思索的な路の歌

●小説総目次 土の中の馬賊の歌 味瓜畑 塩を撒く 殴る 裸婦 憂鬱な家 泥鰌 雨中記 諷刺短篇七種  盗む男の才能に関する話  暗黒中のインテリゲンチャ虫の趨光性に就いて  深海に於ける蛸の神経衰弱症状  芸妓聯隊の敵前渡河  村会の議題『旦那の湯加減並に蝋燭製造の件』  一婦人の籐椅子との正式結婚を認めるや否や  『飛つチョ』の名人に就いて 監房ホテル  遙か彼方を眺むれば  思索的な路の歌

小熊秀雄全集-19小熊秀雄1時間〜206,612

●目次 1.モヂリアニ論 2.松林桂月論(一) 3.松林桂月論(二) 4.堅山南風論 5.郷倉千靱論 6.伊東深水論 7.奥村土牛論 8.上村松園論 9.大智勝観論 10.小倉遊亀論 11.菊池契月論 12.金島桂華論 13.徳岡神泉論 14.石崎光瑤論 15.山口華楊論 16.小杉放庵論 17.福田平八郎論 18.川村曼舟論 19.児玉希望論 20.大森桃太郎氏の芸術 21.秋田義氏の芸術を評す

●目次 1.モヂリアニ論 2.松林桂月論(一) 3.松林桂月論(二) 4.堅山南風論 5.郷倉千靱論 6.伊東深水論 7.奥村土牛論 8.上村松園論 9.大智勝観論 10.小倉遊亀論 11.菊池契月論 12.金島桂華論 13.徳岡神泉論 14.石崎光瑤論 15.山口華楊論 16.小杉放庵論 17.福田平八郎論 18.川村曼舟論 19.児玉希望論 20.大森桃太郎氏の芸術 21.秋田義氏の芸術を評す

土の中の馬賊の歌小熊秀雄10分以内3,265

私はこゝにひとつの思想を盛つた食餌を捧げるそれは悪いことかもしらないまた善いことかもしらない、たゞ私が信じてゐるだけのことである。

私はこゝにひとつの思想を盛つた食餌を捧げるそれは悪いことかもしらないまた善いことかもしらない、たゞ私が信じてゐるだけのことである。

味瓜畑小熊秀雄30分以内10,214

(一)  お寺の境内の踊り場で男はさんざんに踊つた、疲れてへと/\になるほどに、呼吸がぜいぜいと鳴りだすほどに手を振つたり足を振つたりした。

(一)  お寺の境内の踊り場で男はさんざんに踊つた、疲れてへと/\になるほどに、呼吸がぜいぜいと鳴りだすほどに手を振つたり足を振つたりした。

塩を撒く小熊秀雄10分以内3,343

(一)  彼は木製玩具の様に、何事も考へずに帰途に着いた。

(一)  彼は木製玩具の様に、何事も考へずに帰途に着いた。

殴る小熊秀雄30分以内6,226

(一)  俺はつくづくと考へる。

(一)  俺はつくづくと考へる。

憂鬱な家小熊秀雄30分以内4,819

この一篇をマルキストに捧ぐ     (一)  屋根の上の物音、禿鷹のやうに横着で、陰気な眼をした、あんまり飛び廻つて羽の擦りきれた鴉の群であつた。

この一篇をマルキストに捧ぐ     (一)  屋根の上の物音、禿鷹のやうに横着で、陰気な眼をした、あんまり飛び廻つて羽の擦りきれた鴉の群であつた。

泥鰌小熊秀雄30分以内5,141

(一)  夏に入つてから、私の暮しを、たいへん憂鬱なものにしたのは、南瓜畑であつた。

(一)  夏に入つてから、私の暮しを、たいへん憂鬱なものにしたのは、南瓜畑であつた。

雨中記小熊秀雄10分以内2,156

電車を降りて××橋から、雨の中を私と彼とは銀座の方面に向つて歩るきだした、私と彼とは一本の洋傘の中にぴつたりと身を寄せて、黒い太い洋傘の柄を二つの掌で握り合つてゐる。

電車を降りて××橋から、雨の中を私と彼とは銀座の方面に向つて歩るきだした、私と彼とは一本の洋傘の中にぴつたりと身を寄せて、黒い太い洋傘の柄を二つの掌で握り合つてゐる。

紙幣小熊秀雄30分以内4,570

紙幣よ、 貴様のためにこの私の詩人が 歌ふのを光栄と思へ、 だが貴様はいふだらう、 ――何を生意気な貧乏詩人め、   イノシシとは一体   十円札か百円札か知つてゐるか さういはれてみると一寸胴忘れした 然しそんなことが何の恥辱だらう、 紙幣の図柄をゆつくり 見て居る暇もない程に 貴様はいつも私の右から入つて左へ抜ける まるで駈足だ。

紙幣よ、 貴様のためにこの私の詩人が 歌ふのを光栄と思へ、 だが貴様はいふだらう、 ――何を生意気な貧乏詩人め、   イノシシとは一体   十円札か百円札か知つてゐるか さういはれてみると一寸胴忘れした 然しそんなことが何の恥辱だらう、 紙幣の図柄をゆつくり 見て居る暇もない程に 貴様はいつも私の右から入つて左へ抜ける まるで駈足だ。

シャリアピン小熊秀雄30分以内4,851

1 わたしはシャリアピンさまに 永年仕へてゐる蚤 ともに韃靼の古都カザンに生れ ともに暮して当年六十四歳、 夏はシャリアピンのカラーの下の涼しいところに 冬は暖い頭髪の中に 平素は主として鳩尾のあたりに住んでゐる、 早耳、早足は小生の特長 御主人シャリアピンが御承知なくとも わたしはすべてを知つてゐる、 ソビヱットのこと、 旦那の若い頃からの友達ゴリキイ旦那の最近の便りも せつせと走り廻つたり、

1 わたしはシャリアピンさまに 永年仕へてゐる蚤 ともに韃靼の古都カザンに生れ ともに暮して当年六十四歳、 夏はシャリアピンのカラーの下の涼しいところに 冬は暖い頭髪の中に 平素は主として鳩尾のあたりに住んでゐる、 早耳、早足は小生の特長 御主人シャリアピンが御承知なくとも わたしはすべてを知つてゐる、 ソビヱットのこと、 旦那の若い頃からの友達ゴリキイ旦那の最近の便りも せつせと走り廻つたり、

長長秋夜小熊秀雄10分以内3,490

――ぢやん、ぢやん、ちゆう、やは朝鮮語で長い長い秋の夜といふ意味。

――ぢやん、ぢやん、ちゆう、やは朝鮮語で長い長い秋の夜といふ意味。

魔女小熊秀雄30分以内4,898

叙事詩「魔女」の人物 海羅義丘(    ) 千敬太郎(青年) 天羅多吉(独立画家) 富士光雄(渕   ) マリア (    ) 悪魔  (    ) 魔女  (    ) 姉   (    ) 序詩 すべての女の読者諸君よ いまは時代の過渡期です、 若しあなたに 恋愛に就いての 真ねんがなかつたら、 恋することはお控へなさい でなければ貴女の 教養と財産にとつて この上もなく危険がやつてき

叙事詩「魔女」の人物 海羅義丘(    ) 千敬太郎(青年) 天羅多吉(独立画家) 富士光雄(渕   ) マリア (    ) 悪魔  (    ) 魔女  (    ) 姉   (    ) 序詩 すべての女の読者諸君よ いまは時代の過渡期です、 若しあなたに 恋愛に就いての 真ねんがなかつたら、 恋することはお控へなさい でなければ貴女の 教養と財産にとつて この上もなく危険がやつてき

きのふは嵐けふは晴天小熊秀雄30分以内6,761

舞台 周囲が岩石ばかりの大谿谷の底を想像させる所、極度に晴れ渡つた早春の朝、遠くから太鼓のにぶい音と、タンバリンの低い音が断続的に聞えてくる、舞台ボンヤリとして何か間のぬけた感。

舞台 周囲が岩石ばかりの大谿谷の底を想像させる所、極度に晴れ渡つた早春の朝、遠くから太鼓のにぶい音と、タンバリンの低い音が断続的に聞えてくる、舞台ボンヤリとして何か間のぬけた感。

託児所をつくれ小熊秀雄60分以内18,014

一 この長詩を書くための材料に 本棚を熱心にかきまはしたが 探す本は発見らない 黒表紙で五十頁余りの 吉田りん子といふ詩人の 『酒場の窓』といふ詩集だ、 捨て難いものがあつて 時々本棚の整理で本を売り飛ばす時も 傍に除けてをくのだから 何処かにまぎれ込んでゐるに相違ない 私は彼女を『奇蹟の女王』と名づけてゐる。

一 この長詩を書くための材料に 本棚を熱心にかきまはしたが 探す本は発見らない 黒表紙で五十頁余りの 吉田りん子といふ詩人の 『酒場の窓』といふ詩集だ、 捨て難いものがあつて 時々本棚の整理で本を売り飛ばす時も 傍に除けてをくのだから 何処かにまぎれ込んでゐるに相違ない 私は彼女を『奇蹟の女王』と名づけてゐる。

諷刺大学生小熊秀雄30分以内5,081

ある夜一人の見も知らぬ学生が訪ねて来た、 洋服の袖口のところが破れてゐて 小さな穴から下着の縞模様をのぞかせてゐた、 学生は――諷刺文学万歳!と叫んで そして私に握手を求めた ――曙ですよ、   あなたのお仕事の性質は、   日本に諷刺文学が   とにかく真実に起つたといふことは   決定的に我々の勝です、 彼はかう言つて沈黙した、 ところで我々はそれから、 ぺちやくちやしやべつた揚句は ――諷刺

ある夜一人の見も知らぬ学生が訪ねて来た、 洋服の袖口のところが破れてゐて 小さな穴から下着の縞模様をのぞかせてゐた、 学生は――諷刺文学万歳!と叫んで そして私に握手を求めた ――曙ですよ、   あなたのお仕事の性質は、   日本に諷刺文学が   とにかく真実に起つたといふことは   決定的に我々の勝です、 彼はかう言つて沈黙した、 ところで我々はそれから、 ぺちやくちやしやべつた揚句は ――諷刺