紙幣
小熊秀雄
『紙幣』は青空文庫で公開されている小熊秀雄の短編作品。5,534文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 5,534文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 紙幣よ、貴様のためにこの私の詩人が歌ふのを光栄と思へ、だが貴様はいふだらう、――何を生意気な貧乏詩人め、イノシシとは一体十円札か百円札か知つてゐるかさういはれてみると一寸胴忘れした然しそんなことが何の恥辱だらう、紙幣の図柄をゆつくり見て居る暇もない程に貴様はいつも私の右から入つて左へ抜けるまるで駈足だ。 |
初出 | 「先駆」1930(昭和5)年9月 |
底本 | 新版・小熊秀雄全集第一巻 |
表記 | 新字旧仮名 |
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。