60分以内で読める岡本綺堂の中編作品

「いつも云うことですが、わたくし共の方には陽気なお話や面白いお話は少ない」と、半七老人は笑った。

寛延二己巳年の二月から三月にかけて、大坂は千日前に二つの首が獄門に梟（か）けられた。

本日ゆず湯というビラを見ながら、わたしは急に春に近づいたような気分になって、いつもの湯屋の格子をくぐると、出あいがしらに建具屋のおじいさんが濡れ手拭で額をふきながら出て来た。

「幽霊の観世物」の話が終ると、半七老人は更にこんな話を始めた。

ある年の正月下旬である。

ある日、例のごとく半七老人を赤坂の家にたずねると、老人はあたかも近所の碁会所から帰って来た所であった。

これも例の半七老人の話である。

七月七日、梅雨あがりの暑い宵であったと記憶している。

ある時、半七老人をたずねると、老人は私に訊いた。

第三の男は語る。

第四の男は語る。

第五の男は語る。

第十五の男は語る。

Ｙ君は語る。

登場人物青山播磨用人柴田十太夫奴權次權六青山の腰元お菊お仙澁川の後室眞弓放駒四郎兵衞並木の長吉橋場の仁助聖天の萬藏田町の彌作ほかに若党陸尺茶屋の娘など第一場麹町、山王下。

第二の男は語る。

第八の男は語る。

第九の男は語る。

第十四の男は語る。

登場人物近松半二竹本染太夫鶴澤吉治竹本座の手代庄吉祇園町の娘お作女中おきよ醫者供の男天明三年、二月下旬の午後。

Ｙ君は語る。

Ｉ君は語る。

Ａ君――見たところはもう四十近い紳士であるが、ひどく元気のいい学生肌の人物で、「野人、礼にならわず。

Ｔ君は語る。

これはＭ君の話である。

Ｓ弁護士は語る。

「わたくしはこの温泉へ三十七年つづけて参ります。

「やあ、あなたも……。

わたしはこれから邦原君の話を紹介したい。

吉田君は語る。

このごろ未刊随筆百種のうちの「享和雑記」を読むと、濃州徳山くろん坊の事という一項がある。

大田蜀山人の「壬戌（じんじゅつ）紀行」に木曾街道の奈良井の宿のありさまを叙して「奈良井の駅舎を見わたせば梅、桜、彼岸ざくら、李（すもも）の花、枝をまじえて、春のなかばの心地せらる。

今もむかしも川崎の大師は二十一日が縁日で、殊に正五九の三月は参詣人が多い。

Ｙ君は語る。

Ｓ君は語る。

文政四年の四月は相州江の島弁財天の開帳で、島は勿論、藤沢から片瀬にかよう路々もおびただしい繁昌を見せていた。

Ｓ未亡人は語る。

人びとの話が代るがわるにここまで進んで来た時に、玄関の書生が「速達でございます。

Ｉ君は語る。

六月末の新聞にこんな記事が発見された。

Ｍ君は語る。

わたしはさきに「山椒の魚」という短い探偵物語を紹介した。

登場人物俳諧師鬼貫路通鬼貫の娘お妙左官の女房お留［＃改ページ］元祿の末年、師走の雪ふる夕暮。

登場人物能因法師藤原節信能因の弟子良因花園少將少將の奧園生伏柴の加賀陰陽師阿部正親［＃改ページ］藤原時代。

二階からといって、眼薬をさす訳でもない。

登場人物佐々木四郎高綱その娘薄衣佐々木小太郎定重馬飼子之介その姉おみの高野の僧智山鹿島與甲賀六郎侍女小萬佐々木の家來など。

登場人物――重兵衛。

明治時代の劇を研究する人々の参考にもなろうかと思って、左の演劇年表を作ってみた。

Ｙ君は語る。