岡本かの子の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
伯林の降誕祭岡本かの子10分以内2,382

独逸でのクリスマスを思い出します。

独逸でのクリスマスを思い出します。

或る秋の紫式部岡本かの子30分以内5,103

時 寛弘年間の或る秋 処 京の片ほとり 人 紫式部  三十一二歳 老侍女 妙な美男 西向く聖 (舞台正面、質素な西の対屋の真向き、秋草の生い茂れる庭に臨んでいる。その庭を囲んで矩形に築地垣が廻らされているが、今は崩れてほんの土台の型だけ遺っているばかりなので観覧席より正面家屋の屋内の動静を見物するのに少しも差支えない。 上手、築地垣より通路一重を距てて半、紅葉した楓の木の下に、漸く人一人の膝を入れ

時 寛弘年間の或る秋 処 京の片ほとり 人 紫式部  三十一二歳 老侍女 妙な美男 西向く聖 (舞台正面、質素な西の対屋の真向き、秋草の生い茂れる庭に臨んでいる。その庭を囲んで矩形に築地垣が廻らされているが、今は崩れてほんの土台の型だけ遺っているばかりなので観覧席より正面家屋の屋内の動静を見物するのに少しも差支えない。 上手、築地垣より通路一重を距てて半、紅葉した楓の木の下に、漸く人一人の膝を入れ

おせっかい夫人岡本かの子5分以内778

午前十一時半から十二時ちょっと過ぎまでの出来事です。

午前十一時半から十二時ちょっと過ぎまでの出来事です。

愚かな男の話岡本かの子5分以内1,408

○ 「或る田舎に二人の農夫があった。両方共農作自慢の男であった。或る時、二人は自慢の鼻突き合せて喋べり争った末、それでは実際の成績の上で証拠を見せ合おうという事になった。それには互に甘蔗を栽培して、どっちが甘いのが出来るか、それによって勝負を決しようと約束した。  ところで一方の男が考えた。甘蔗は元来甘いものであるが、その甘いものへもって来て砂糖の汁を肥料としてかけたら一層甘い甘蔗が出来るに相違

○ 「或る田舎に二人の農夫があった。両方共農作自慢の男であった。或る時、二人は自慢の鼻突き合せて喋べり争った末、それでは実際の成績の上で証拠を見せ合おうという事になった。それには互に甘蔗を栽培して、どっちが甘いのが出来るか、それによって勝負を決しようと約束した。  ところで一方の男が考えた。甘蔗は元来甘いものであるが、その甘いものへもって来て砂糖の汁を肥料としてかけたら一層甘い甘蔗が出来るに相違

褐色の求道岡本かの子30分以内7,120

独逸に在る唯一の仏教の寺だという仏陀寺へ私は伯林遊学中三度訪ねた。

独逸に在る唯一の仏教の寺だという仏陀寺へ私は伯林遊学中三度訪ねた。

気の毒な奥様岡本かの子5分以内785

或る大きな都会の娯楽街に屹立している映画殿堂では、夜の部がもうとっくに始まって、満員の観客の前に華やかなラヴ・シーンが映し出されていました。

或る大きな都会の娯楽街に屹立している映画殿堂では、夜の部がもうとっくに始まって、満員の観客の前に華やかなラヴ・シーンが映し出されていました。

兄妹岡本かの子10分以内2,032

――二十余年前の春  兄は第一高等学校の制帽をかぶっていた。

――二十余年前の春  兄は第一高等学校の制帽をかぶっていた。

決闘場岡本かの子30分以内11,402

ロンドンの北隅ケンウッドの森には墨色で十数丈のシナの樹や、銀色の楡の大樹が逞ましい幹から複雑な枝葉を大空に向けて爆裂させ、押し拡げして、澄み渡った中天の空気へ鮮やかな濃緑色を浮游させて居る。

ロンドンの北隅ケンウッドの森には墨色で十数丈のシナの樹や、銀色の楡の大樹が逞ましい幹から複雑な枝葉を大空に向けて爆裂させ、押し拡げして、澄み渡った中天の空気へ鮮やかな濃緑色を浮游させて居る。

健康三題岡本かの子10分以内3,571

はつ湯  男の方は、今いう必要も無いから別問題として、一体私は女に好かれる素質を持って居た。

はつ湯  男の方は、今いう必要も無いから別問題として、一体私は女に好かれる素質を持って居た。

高原の太陽岡本かの子30分以内8,674

「素焼の壺と素焼の壺とただ並んでるようなあっさりして嫌味のない男女の交際というものはないでしょうか」と青年は云った。

「素焼の壺と素焼の壺とただ並んでるようなあっさりして嫌味のない男女の交際というものはないでしょうか」と青年は云った。

唇草岡本かの子30分以内7,089

今年の夏の草花にカルセオラリヤが流行りそうだ。

今年の夏の草花にカルセオラリヤが流行りそうだ。

茶屋知らず物語岡本かの子10分以内3,392

元禄享保の頃、関西に法眼、円通という二禅僧がありました。

元禄享保の頃、関西に法眼、円通という二禅僧がありました。

豆腐買い岡本かの子60分以内14,469

おもて門の潜戸を勇んで開けた。

おもて門の潜戸を勇んで開けた。

取返し物語岡本かの子60分以内14,120

前がき  いつぞやだいぶ前に、比叡の山登りして阪本へ下り、琵琶湖の岸を彼方此方見めぐるうち、両願寺と言ったか長等寺と言ったか、一つの寺に『源兵衛の髑髏』なるものがあって、説明者が殉教の因縁を語った。

前がき  いつぞやだいぶ前に、比叡の山登りして阪本へ下り、琵琶湖の岸を彼方此方見めぐるうち、両願寺と言ったか長等寺と言ったか、一つの寺に『源兵衛の髑髏』なるものがあって、説明者が殉教の因縁を語った。

母と娘岡本かの子30分以内9,892

ロンドンの北郊ハムステット丘の公園の中に小綺麗な別荘風の家が立ち並んで居る。

ロンドンの北郊ハムステット丘の公園の中に小綺麗な別荘風の家が立ち並んで居る。

春岡本かの子1時間〜24,170

(一) 狂女の恋文 一  加奈子は気違いの京子に、一日に一度は散歩させなければならなかった。

(一) 狂女の恋文 一  加奈子は気違いの京子に、一日に一度は散歩させなければならなかった。

晩春岡本かの子5分以内1,733

鈴子は、ひとり、帳場に坐って、ぼんやり表通りを眺めていた。

鈴子は、ひとり、帳場に坐って、ぼんやり表通りを眺めていた。

明暗岡本かの子30分以内5,961

智子が、盲目の青年北田三木雄に嫁いだことは、親戚や友人たちを驚かした。

智子が、盲目の青年北田三木雄に嫁いだことは、親戚や友人たちを驚かした。

ガルスワーシーの家岡本かの子30分以内9,194

ロンドン市の北郊ハムステットの丘には春も秋もよく太陽が照り渡った。

ロンドン市の北郊ハムステットの丘には春も秋もよく太陽が照り渡った。

ドーヴィル物語岡本かの子60分以内22,011

一  日本留学生小田島春作は女友イベットに呼び寄せられ、前夜晩く巴里を発ち、未明にドーヴィル、ノルマンジーホテルに着いた。

一  日本留学生小田島春作は女友イベットに呼び寄せられ、前夜晩く巴里を発ち、未明にドーヴィル、ノルマンジーホテルに着いた。

バットクラス岡本かの子30分以内6,491

スワンソン夫人は公園小路の自邸で目が覚めた。

スワンソン夫人は公園小路の自邸で目が覚めた。

勝ずば岡本かの子30分以内7,084

夜明けであった。

夜明けであった。

酋長岡本かの子5分以内1,443

朝子が原稿を書く為に暮れから新春へかけて、友達から貸りた別荘は、東京の北端れに在った。

朝子が原稿を書く為に暮れから新春へかけて、友達から貸りた別荘は、東京の北端れに在った。

とと屋禅譚岡本かの子30分以内5,936

一  明治も改元して左程しばらく経たぬ頃、魚河岸に白魚と鮎を専門に商う小笹屋という店があった。

一  明治も改元して左程しばらく経たぬ頃、魚河岸に白魚と鮎を専門に商う小笹屋という店があった。

扉の彼方へ岡本かの子30分以内8,251

結婚式の夜、茶の間で良人は私が堅くなってやっと焙れてあげた番茶をおいしそうに一口飲んでから、茶碗を膝に置いて云いました。

結婚式の夜、茶の間で良人は私が堅くなってやっと焙れてあげた番茶をおいしそうに一口飲んでから、茶碗を膝に置いて云いました。

美少年岡本かの子60分以内13,581

「とく子、お地蔵さまの縁日へ連れてってやろう。早く支度をしな」  美少年が古い乾き切った物干台の上で手を振った。

「とく子、お地蔵さまの縁日へ連れてってやろう。早く支度をしな」  美少年が古い乾き切った物干台の上で手を振った。

呼ばれし乙女岡本かの子30分以内5,267

師の家を出てから、弟子の慶四郎は伊豆箱根あたりを彷徨いているという噂であった。

師の家を出てから、弟子の慶四郎は伊豆箱根あたりを彷徨いているという噂であった。

娘岡本かの子30分以内7,942

パンを焼く匂いで室子は眼が醒めた。

パンを焼く匂いで室子は眼が醒めた。

ミス・マシュウの新職業岡本かの子10分以内2,945

ミス・マシュウが素人のままで女の媚が金に換る過程をはっきり掴めたのは父親が死んだその夜だ。

ミス・マシュウが素人のままで女の媚が金に換る過程をはっきり掴めたのは父親が死んだその夜だ。

トシオの見たもの岡本かの子30分以内10,718

一  トシオは、大そう賢く生れ付いた男の子でした。

一  トシオは、大そう賢く生れ付いた男の子でした。

好い手紙岡本かの子10分以内2,151

場所、東京、山の手の一隅、造作いやしからねど古りたる三間程の貸家建の茶の間、ささやかなれど掃き浄められて見好げなる庭を前にす。

場所、東京、山の手の一隅、造作いやしからねど古りたる三間程の貸家建の茶の間、ささやかなれど掃き浄められて見好げなる庭を前にす。

紫式部の美的情緒と浄土教岡本かの子5分以内884

紫式部が晩年阿弥陀仏の信仰に依り安心立命を得て愈々修道に心掛けた様子は式部が、日記の終りに近い条で自ら告白して居るから疑いはない。

紫式部が晩年阿弥陀仏の信仰に依り安心立命を得て愈々修道に心掛けた様子は式部が、日記の終りに近い条で自ら告白して居るから疑いはない。

街の尼僧の話岡本かの子10分以内2,465

それはドイツとの宣戦が布告されて間もない時で御座いました。

それはドイツとの宣戦が布告されて間もない時で御座いました。

さくらんぼ岡本かの子10分以内2,202

さくらんぼうは彼女の唇を熱がるが、彼女の唇はさくらんぼうに涼もうとする。

さくらんぼうは彼女の唇を熱がるが、彼女の唇はさくらんぼうに涼もうとする。