かろきねたみ

岡本かの子

『かろきねたみ』は青空文庫で公開されている岡本かの子の短編作品。2,037文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。

文字数
10分以内2,037文字
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書き出し

女なればか 力など望まで弱く美しく生れしまゝの男にてあれ 甲斐なしや強げにものを言ふ眼より涙落つるも女なればか 血の色の爪に浮くまで押へたる我が三味線の意地強き音 前髪も帯の結びも低くしてゆふべの街をしのび来にけり 天地を鳴らせど風のおほいなる空洞なる声淋しからずや 朝寒の机のまへに開きたる新聞紙の香高き朝かな 我が髪の元結ひもやゝゆるむらむ温き湯に身をひたす時 かろきねたみ 捨

初出
底本岡本かの子全集9
表記
新字旧仮名