中原中也の全作品
青空文庫で公開されている中原中也の全作品を、おすすめ人気順で表示しています。
51-100件 / 全147件
| 作品名 | 著者 | 読了時間 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 三等車の中(スケッチ) | 中原中也 | 5分以内 | |
疲れてゐるのに眠られぬ。 | |||
| 我が生活 | 中原中也 | 10分以内 | |
明治座に吉右衛門の勧進帳が掛かつてゐる、連日満員である――と電車の中で隣り客の話してゐるのを聞いて、なんとなく観に行きたくなつたのであつた。 | |||
| いちぢくの葉 | 中原中也 | 5分以内 | |
夏の午前よ、いちぢくの葉よ、 葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして 風が吹くと揺れてゐる、 よはい枝をもつてゐる…… 僕は睡らうか…… 電線は空を走る その電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる 葉は乾いてゐる、 風が吹いてくると揺れてゐる、 葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる 僕は睡らうか…… 空はしづかに音く、 陽は雲の中に這入つてゐる、 電線は打つづいてゐる 蝉の声は遠くでしてゐる 懐しきも | |||
| 自滅 | 中原中也 | 5分以内 | |
親の手紙が泡吹いた 恋は空みた肩揺つた 俺は灰色のステッキを呑んだ 足 足 足 足 足 足 足 万年筆の徒歩旅行 電信棒よ御辞儀しろ お腹の皮がカシヤカシヤする 胯の下から右手みた 一切合切みんな下駄 フイゴよフイゴよ口をきけ 土橋の上で胸打つた ヒネモノだからおまけ致します | |||
| 幼き恋の回顧 | 中原中也 | 5分以内 | |
幼き恋は 寸燐の軸木 燃えてしまへば あるまいものを 寐覚めの囁きは 燃えた燐だつた また燃える時が ありませうか アルコールのやうな夕暮に 二人は再びあひました―― 圧搾酸素でもてゝゐる 恋とはどんなものですか その実今は平凡ですが たつたこなひだ燃えた日の 印象が二人を一緒に引きずつてます 何の方へです―― ソーセーヂが 紫色に腐れました―― 多分「話の種」の方へでせう | |||
| いちじくの葉 | 中原中也 | 5分以内 | |
夏の午前よ、いちじくの葉よ、 葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして 風が吹くと揺れてゐる、 よわい枝をもつてゐる…… 僕は睡らうか…… 電線は空を走る その電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる 葉は乾いてゐる、 風が吹いてくると揺れてゐる 葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる 僕は睡らうか…… 空はしづかに音く、 陽は雲の中に這入つてゐる、 電線は打つづいてゐる 蝉の声は遠くでしてゐる 懐しきものみ | |||
| (過程に興味が存するばかりです) | 中原中也 | 5分以内 | |
過程に興味が存するばかりです それで不可ないと言ひますか 生活の中の恋が 原稿紙の中の芸術です 有限の中の無限は 最も有限なそれでした 君の頭髪を一本一本数へて それから人にお告げなさい テーマが先に立つといふ逆論は アルファベットの芸術です 集積よりも流動が 魂は集積ではありません | |||
| タバコとマントの恋 | 中原中也 | 5分以内 | |
タバコとマントが恋をした その筈だ タバコとマントは同類で タバコが男でマントが女だ 或時二人が身投心中したが マントは重いが風を含み タバコは細いが軽かつたので 崖の上から海面に 到着するまでの時間が同じだつた 神様がそれをみて 全く相対界のノーマル事件だといつて 天国でビラマイタ 二人がそれをみて お互の幸福であつたことを知つた時 恋は永久に破れてしまつた。 | |||
| (天才が一度恋をすると) | 中原中也 | 5分以内 | |
天才が一度恋をすると 思惟の対象がみんな恋人になります。 | |||
| (成程) | 中原中也 | 5分以内 | |
成程 共に発見することが楽しみなのか さうか、それでは俺に恋は出来ない お前を知る前既に お前の今後発見することを発見しつくしてゐたから 一つの菓子を 二人とも好んではゐない 一人は大好きで一人が嫌ひです 菓子と二人との三角関係 菓子は嫌ひな一人からヤカレて仕合せ者だ 一番平凡なバランスの要求だのに 何故そのバランスが来ないのか 髪油の香が尚胸に残つてゐる 煙草の香が胸に残つてゐるかしら | |||
| 恋の後悔 | 中原中也 | 5分以内 | |
正直過ぎては不可ません 親切過ぎては不可ません 女を御覧なさい 正直過ぎ親切過ぎて 男を何時も苦しめます だが女から 正直にみえ親切にみえた男は 最も偉いエゴイストでした 思想と行為が弾劾し合ひ 智情意の三分法がウソになり カンテラの灯と酒宴との間に 人の心がさ迷ひます あゝ恋が形とならない前 その時失恋をしとけばよかつたのです | |||
| (酒は誰でも酔はす) | 中原中也 | 5分以内 | |
酒は誰でも酔はす だがどんな傑れた詩も 字の読めない人は酔はさない ――だからといつて 酒が詩の上だなんて考へる奴あ 「生活第一芸術第二」なんて言つてろい 自然が美しいといふことは 自然がカンヴァスの上でも美しいといふことかい―― そりや経験を否定したら インタレスチングな詩は出来まいがね ――だが 「それを以てそれを現すべからず」つて言葉を覚えとけえ 科学が個々ばかりを考へて 文学が関係ばか | |||
| 夏の夜の博覧会はかなしからずや | 中原中也 | 5分以内 | |
夏の夜の、博覧会は、哀しからずや 雨ちよと降りて、やがてもあがりぬ 夏の夜の、博覧会は、哀しからずや 女房買物をなす間、かなしからずや 象の前に余と坊やとはゐぬ 二人蹲んでゐぬ、かなしからずや、やがて女房きぬ 三人博覧会を出でぬかなしからずや 不忍ノ池の前に立ちぬ、坊や眺めてありぬ そは坊やの見し、水の中にて最も大なるものなりきかなしからずや、 髪毛風に吹かれつ 見てありぬ、見てありぬ、 そ | |||
| 情慾 | 中原中也 | 5分以内 | |
何故取れない! 何故取れない! 電球よ暑くなれ! 冬の野原を夏の風が行くに 煙が去つた 情熱の火が突進する ブツカルものもなく―― だから不可ない 昔からあつたものだのに 今新たに起つたものだ それを如何して呉れるい 横から眺めてゐるな 誰の罪でもない 必要ぢやない 欲しいだけだ | |||
| 酒場にて(定稿) | 中原中也 | 5分以内 | |
今晩あゝして元気に語り合つてゐる人々も、 実は、元気ではないのです。 | |||
| 亡弟 | 中原中也 | 30分以内 | |
ああ、もう、死んでしまはうか…… 自分の正直さが、といふよりも歌ひたい欲望が、といふよりも酔つてゐたい性情が、強ければ強いだけ、〈頭を上げれば叩かれる〉此の世の中では、損を来たすこととなり、損も今では積り積つて、此の先生活のあてもなくなりさうになつてゐることを思ふと、死んでしまはうかと思ふより、ほかに仕方もないことであつた。 | |||
| (仮定はないぞよ!) | 中原中也 | 5分以内 | |
仮定はないぞよ! 先天的観念もないぞよ! 何にもない所から組立てゝ行つて 先天的観念にも合致したがね 理窟が面倒になつたさ 屋根みたいなものさ 意識した親切は持たないがね 忠告する元気があれば 象牙の塔の修繕にまはさうさ カウモリ傘にもたれてみてゐりやあ 人は真面目にくたびれずに 事業つて奴をやつて呉れらあ サンチマンタリズムに迎合しなきや 趣味の本質に叛くかしらつてのが まあまあ俺の問題とい | |||
| 秋の日曜 | 中原中也 | 5分以内 | |
私の部屋の、窓越しに みえるのは、エヤ・サイン 軽くあがつた 二つの気球 青い空は金色に澄み、 そこから茸の薫りは生れ、 娘は生れ夢も生れる。 | |||
| 倦怠に握られた男 | 中原中也 | 5分以内 | |
俺は、俺の脚だけはなして 脚だけ歩くのをみてゐよう―― 灰色の、セメント菓子を噛みながら 風呂屋の多いみちをさまよへ―― 流しの上で、茶碗と皿は喜ぶに 俺はかうまで三和土の土だ―― | |||
| 旅 | 中原中也 | 5分以内 | |
夕刊売 来てみれば此処も人の世 散水車があるから 汽車の煙が麦食べた 実用を忘れて 歯ブラッシを買つてみた 青い紙ばかり欲しくて それなのに唯物史観だつた 砂袋 スソがマクレます パラソルを倒に持つものがありますか 浮袋が湿りました | |||
| 心理的と個性的 | 中原中也 | 30分以内 | |
裕福な家庭の、特に才能があるといふ程でもない青年が、「文学でもやつてみるか」といつた調子で、文学志望を抱いたとする。 | |||
| 詩に関する話 | 中原中也 | 30分以内 | |
一、序 近頃芸術は世界全般に亙つて衰へ、その帰趨を知らない。 | |||
| 萩原朔太郎評論集 無からの抗争 | 中原中也 | 5分以内 | |
萩原氏の本はよく売れるさうである。 | |||
| (何と物酷いのです) | 中原中也 | 5分以内 | |
何と物酷いのです 此の夜の海は ――天才の眉毛―― いくら原稿が売れなくとも 燈台番にはなり給ふな あの白ッ、黒い空の空―― 卓の上がせめてもです 読書くらゐ障げられても好いが 書くだけは許して下さい 実質ばかりの世の中は淋しからうが あまりにプロパガンダプロパガンダ…… だから御覧なさい あんなに空は白黒くとも あんなに海は黒くとも そして――岩、岩、岩 だが中間が空虚です | |||
| その一週間 | 中原中也 | 10分以内 | |
「御暇でしたら、一寸御相談したい事等御座居ますので、私の動く事についての事ですが、岩山さんともいろいろ考へたのですが、で、考へをおかし下さいませんでせうか、お待ちします、御目文字の上、」 かういふ、女からの葉書が舞ひ込んだのは、水曜日の正午であつた。 | |||
| (ツツケンドンに) | 中原中也 | 5分以内 | |
ツツケンドンに 女は言ひつぱなして出て行つた 襖の上に灰がみえる 眼窩の顛倒 鳥の羽斜に空へ!…… 対象の知れぬ寂しみ 神様はつまらぬものゝみをつくつた 盥の底の残り水 古いゴムマリ 十能が棄てられました 雀の声は何といふ生唾液だ! 雨はまだ降るだらうか インキ壺をのぞいてニブリ加減をみよう | |||
| (ダダイストが大砲だのに) | 中原中也 | 5分以内 | |
ダダイストが大砲だのに 女が電柱にもたれて泣いてゐました リゾール石鹸を用意なさい それでも遂に私は愛されません 女はダダイストを 普通の形式で愛し得ません 私は如何せ恋なんかの上では 概念の愛で結構だと思つてゐますに 白状します―― だけど余りに多面体のダダイストは 言葉が一面的なのでだから女に警戒されます 理解は悲哀です 概念形式を齎しません | |||
| (古る摺れた) | 中原中也 | 5分以内 | |
古る摺れた 外国の絵端書―― 唾液が余りに中性だ 雨あがりの街道を 歩いたが歩いたが 飴屋がめつからない 唯のセンチメントと思ひますか? ――額をみ給へ―― 一度は神も客観してやりました ――不合理にも存在価値はありませうよ だが不合理は僕につらい―― こんなに先端に速度のある 自棄 々々 々々 下駄の歯は 僕の重力を何といつて土に訴へます 「空は興味だが役に立たないことが淋しい ――精神の除 | |||
| その頃の生活 | 中原中也 | 60分以内 | |
暑中休暇が、もう終りに近かつた。 | |||
| ダダ音楽の歌詞 | 中原中也 | 5分以内 | |
ウハキはハミガキ ウハバミはウロコ 太陽が落ちて 太陽の世界が始つた[#「始つた」は底本では「始まつた」] テツポーは戸袋 ヒヨータンはキンチヤク 太陽が上つて 夜の世界が始つた オハグロは妖怪 下痢はトブクロ レイメイと日暮が直径を描いて ダダの世界が始つた (それを釈迦が眺めて それをキリストが感心する) | |||
| 感情喪失時代 | 中原中也 | 5分以内 | |
一 感情喪失時代 現代は、「不安の時代」だと云はれる。 | |||
| 倦怠者の持つ意志 | 中原中也 | 5分以内 | |
タタミの目 時計の音 一切が地に落ちた だが圧力はありません 舌がアレました ヘソを凝視めます 一切がニガミを帯びました だが反作用はありません 此の時 夏の日の海が現はれる! 思想と体が一緒に前進する 努力した意志ではないからです | |||
| (バルザック) | 中原中也 | 5分以内 | |
バルザック バルザック 腹の皮が収縮する 胃病は明治時代の病気らしい そんな退屈は嫌で嫌で 悟つたつて昂奮するさ 同時性が実在してたまるものか 空をみて 涙と仁丹 雨がまた降つて来る | |||
| 夭折した富永太郎 | 中原中也 | 5分以内 | |
ほつそりと、だが骨組はしつかりしてゐた、その躯幹の上に、小さな頭が載つかつてゐた。 | |||
| 西部通信 | 中原中也 | 5分以内 | |
一 その日はカラリと晴れた、やはらかい日射しの、秋の一日だつた。 | |||
| 春の日の怒 | 中原中也 | 5分以内 | |
田の中にテニスコートがありますかい? 春風です よろこびやがれ凡俗! 名詞の換言で日が暮れよう アスファルトの上は凡人がゆく 顔 顔 顔 石版刷のポスターに 木履の音は這ひ込まう | |||
| 不可入性 | 中原中也 | 5分以内 | |
自分の感情に自分で作用される奴は なんとまあ 伽藍なんだ 欲しくても 取つてはならぬ気もあります 好きと嫌ひで生きてゐる女には 一番明白なものが一番漠然たるものでした 空想は植物性です 女は空想なんです 女の一生は空想と現実との間隙の弁解で一杯です 取れといふ時は植物的な萎縮をし 取らなくても好いといへば煩悶し 取るなといへば闘牛師の夫を夢みます それから次の日の夕方に何といひました 「あなたはあ | |||
| 一つの境涯 | 中原中也 | 10分以内 | |
普通に人々が、この景色は佳いだのあの景色は悪いだのと云ふ、そんなことは殆んど意味もないことだ。 | |||
| 我が詩観 | 中原中也 | 30分以内 | |
詩観とはいへ、書かんとするのは要するに私の文学観であり、世界観の概略でもあるから、それに今日や昨日に考へ付いたことではないことを書くのであるから、多くの人に読んで貰ひたいものである。 | |||
| (概念が明白となれば) | 中原中也 | 5分以内 | |
概念が明白となれば それの所産は観念でした 観念の恋愛とは 焼砂ですか 紙で包んで 棄てませう 馬鹿な美人 人間に倦きがなかつたら 彼岸の見えない川があつたら 反省は咏嘆を生むばかりです 自分と過去とを忘れて 他人と描ける自分との 恋をみつめて進むんだ 上手者なのに 何故結果が下手者になるのでせう 女よそれを追求して呉れ | |||
| 蜻蛉 | 中原中也 | 30分以内 | |
会社の帰りに社長の宅を訪問した竹山は何時もになく遅く帰つて来た。 | |||
| 耕二のこと | 中原中也 | 30分以内 | |
一 主家で先刻から、父と母との小言らしい声がしてゐた。 | |||
| 良子 | 中原中也 | 10分以内 | |
「お嬢ちやん大きくなつたらお嫁に行くんでせう?……」良子の家に毎日やつてくる真つ赤な顔や手の魚屋の小僧は、いまお祖母ちやんが鉢を出しに奥へ行つたと思ふとそんなことを云つた。 | |||
| 詩と現代 | 中原中也 | 5分以内 | |
由来芸術と時代との関係は、屡々取扱はれる所ではあるけれどもその問題本来の性質のせゐか、ハツキリとした結論に到達してゐる場合は、極めて稀である。 | |||
| (ダツク ドツク ダクン) | 中原中也 | 5分以内 | |
ダツク ドツク ダクン チエン ダン デン ピー …… フー …… ボドー…… 弁当箱がぬくもる 工場の正午は 鉄の尖端で光が眠る | |||
| (テンピにかけて) | 中原中也 | 5分以内 | |
テンピにかけて 焼いたろか あんなヘナチヨコ詩人の詩 百科辞典を引き廻し 鳥の名や花の名や みたこともないそれなんか ひつぱり出して書いたつて ――だがそれ程想像力があればね―― やい! いつたい何が表現出来ました? 自棄のない詩は 神の詩か 凡人の詩か そのどつちかと僕が決めたげます | |||
| (風船玉の衝突) | 中原中也 | 5分以内 | |
風船玉の衝突 立て膝 立て膝 スナアソビ 心よ! 幼き日を忘れよ! 煉瓦塀に春を発見した 福助人形の影法師 孤児の下駄が置き忘れてありました 公園の入口 ペンキのはげた立札 心よ! 詩人は着物のスソを 狂犬病にクヒチギられたが……! | |||
| 非文学的文士 | 中原中也 | 5分以内 | |
我が国に文学がないとは云はないが、我が大衆に未だ文学がないとは云へるのだ。 | |||
| 詩集 浚渫船 | 中原中也 | 5分以内 | |
友人高森文夫の詩集、浚渫船が出た。 | |||
| デボルド―ヷルモオル | 中原中也 | 10分以内 | |
今月から、何回かにわたつて、マルスリーヌ・デボルド―※ルモオルの詩を、飜訳してゆかうと思ふ。 | |||
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