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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
猫と庄造と二人のをんな谷崎潤一郎1時間〜69,343

[#改ページ] [#改ページ] 福子さんどうぞゆるして下さい此の手紙雪ちやんの名借りましたけどほんたうは雪ちやんではありません、さう云ふたら無論貴女は私が誰だかお分りになつたでせうね、いえ/\貴女は此の手紙の封切つて開けたしゆん間「扨はあの女か」ともうちやんと気がおつきになるでせう、そしてきつと腹立てゝ、まあ失礼な、………友達の名前無断で使つて、私に手紙よこすとは何と云ふ厚かましい人と、お思ひに

[#改ページ] [#改ページ] 福子さんどうぞゆるして下さい此の手紙雪ちやんの名借りましたけどほんたうは雪ちやんではありません、さう云ふたら無論貴女は私が誰だかお分りになつたでせうね、いえ/\貴女は此の手紙の封切つて開けたしゆん間「扨はあの女か」ともうちやんと気がおつきになるでせう、そしてきつと腹立てゝ、まあ失礼な、………友達の名前無断で使つて、私に手紙よこすとは何と云ふ厚かましい人と、お思ひに

春夫と旅行できなかつた話太宰治5分以内440

一社會人として、こゝに一文を草しなければかなはぬ義務を感じてゐる。

一社會人として、こゝに一文を草しなければかなはぬ義務を感じてゐる。

十年中島敦5分以内1,243

十年前、十六歳の少年の僕は学校の裏山に寝ころがって空を流れる雲を見上げながら、「さて将来何になったものだろう。」などと考えたものです。

十年前、十六歳の少年の僕は学校の裏山に寝ころがって空を流れる雲を見上げながら、「さて将来何になったものだろう。」などと考えたものです。

日本名婦伝吉川英治30分以内9,733

一  寧子は十六になった。

一  寧子は十六になった。

松のや露八吉川英治1時間〜130,061

水引竹刀 一 「こんどの冬の陣には、誰が、初伝を取るか」 「夏の陣には、俺が日記方(目録取り)に昇格ってみせる」  などと門人たちは、その日を目あてに精錬していた。

水引竹刀 一 「こんどの冬の陣には、誰が、初伝を取るか」 「夏の陣には、俺が日記方(目録取り)に昇格ってみせる」  などと門人たちは、その日を目あてに精錬していた。

世界怪談名作集ダニエル・デフォー30分以内11,280

この物語は事実であるとともに、理性に富んだ人たちにも、なるほどと思われるような出来事が伴っている。

この物語は事実であるとともに、理性に富んだ人たちにも、なるほどと思われるような出来事が伴っている。

最初の苦悩フランツ・カフカ10分以内2,782

ある空中ブランコ乗りは――よく知られているように、大きなサーカス舞台の円天井の上高くで行われるこの曲芸は、およそ人間のなしうるあらゆる芸当のうちでもっともむずかしいものの一つであるが――、はじめはただ自分の芸を完全にしようという努力からだったが、のちにはまた横暴なほどになってしまった習慣から、自分の生活をつぎのようにつくりあげてしまった。

ある空中ブランコ乗りは――よく知られているように、大きなサーカス舞台の円天井の上高くで行われるこの曲芸は、およそ人間のなしうるあらゆる芸当のうちでもっともむずかしいものの一つであるが――、はじめはただ自分の芸を完全にしようという努力からだったが、のちにはまた横暴なほどになってしまった習慣から、自分の生活をつぎのようにつくりあげてしまった。

母芥川竜之介30分以内8,722

一  部屋の隅に据えた姿見には、西洋風に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海特有の旅館の二階が、一部分はっきり映っている。

一  部屋の隅に据えた姿見には、西洋風に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海特有の旅館の二階が、一部分はっきり映っている。

日本婦道記山本周五郎30分以内8,782

一 「そういう高価なものは困りますよ、そちらの鮒を貰っておきましょう」  書庫へ本を取りにいった戻りにふとそういう妻の声をきいて、太宰は廊下の端にたちどまった。

一 「そういう高価なものは困りますよ、そちらの鮒を貰っておきましょう」  書庫へ本を取りにいった戻りにふとそういう妻の声をきいて、太宰は廊下の端にたちどまった。

夕靄の中山本周五郎30分以内9,647

一  彼は立停って、跼み、草履の緒のぐあいを直す恰好で、すばやくそっちへ眼をはしらせた。

一  彼は立停って、跼み、草履の緒のぐあいを直す恰好で、すばやくそっちへ眼をはしらせた。

料理芝居北大路魯山人10分以内2,006

良寛は「好まぬものが三つある」とて、歌詠みの歌と書家の書と料理屋の料理とを挙げている。

良寛は「好まぬものが三つある」とて、歌詠みの歌と書家の書と料理屋の料理とを挙げている。

半之助祝言山本周五郎60分以内22,471

一  折岩半之助が江戸から着任した。

一  折岩半之助が江戸から着任した。

眼を開く夢野久作30分以内9,870

私は若い時分に、創作に専心したいために或る山奥の空家に引込んで、自炊生活をやったことがある。

私は若い時分に、創作に専心したいために或る山奥の空家に引込んで、自炊生活をやったことがある。

蛮人山本周五郎30分以内6,824

貝殻を焼いて石灰をつくる工場が中堀から荒地へ出はずれたところにあった。

貝殻を焼いて石灰をつくる工場が中堀から荒地へ出はずれたところにあった。

洗いづくりの美味さ北大路魯山人5分以内1,237

美味いさかな、それはなんと言っても、少数の例外は別として関西魚である。

美味いさかな、それはなんと言っても、少数の例外は別として関西魚である。

にごりえ樋口一葉60分以内20,207

一  おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く気だらう、押かけて行つて引ずつて来るからさう思ひな、ほんとにお湯なら帰りにきつとよつておくれよ、嘘つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、腹も立たずか言訳しながら後刻に後刻にと行過るあとを、一寸舌打しながら見送つて後にも無いも

一  おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く気だらう、押かけて行つて引ずつて来るからさう思ひな、ほんとにお湯なら帰りにきつとよつておくれよ、嘘つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、腹も立たずか言訳しながら後刻に後刻にと行過るあとを、一寸舌打しながら見送つて後にも無いも

現代語訳 平家物語作者不詳1時間〜30,096

山門御幸  寿永二年七月二十四日夜半、後白河法皇は按察使大納言資賢の子息右馬頭資時ただ一人を供にして、折からの闇にまぎれ人目を忍んで、御所を出た。

山門御幸  寿永二年七月二十四日夜半、後白河法皇は按察使大納言資賢の子息右馬頭資時ただ一人を供にして、折からの闇にまぎれ人目を忍んで、御所を出た。

乳房宮本百合子1時間〜28,425

一  何か物音がする……何か音がしている……目ざめかけた意識をそこへ力の限り縋りかけて、ひろ子はくたびれた深い眠りの底から段々苦しく浮きあがって来た。

一  何か物音がする……何か音がしている……目ざめかけた意識をそこへ力の限り縋りかけて、ひろ子はくたびれた深い眠りの底から段々苦しく浮きあがって来た。

桐の花とカステラ北原白秋10分以内3,243

桐の花とカステラの時季となつた。

桐の花とカステラの時季となつた。

天才になりそこなった男の話坂口安吾10分以内2,245

東洋大学の学生だったころ、丁度学年試験の最中であったが、校門の前で電車から降りたところを自動車にはねとばされたことがあった。

東洋大学の学生だったころ、丁度学年試験の最中であったが、校門の前で電車から降りたところを自動車にはねとばされたことがあった。

評釈勘忍記山本周五郎60分以内17,906

一  駒田紋太夫は癇癖の強い理屈好きな老人であるが、酒がはいってるときはものわかりのよい人情家になる。

一  駒田紋太夫は癇癖の強い理屈好きな老人であるが、酒がはいってるときはものわかりのよい人情家になる。

女剣士坂口安吾1時間〜37,126

石毛存八は刑務所をでると、鍋釜バケツからタオル歯ブラシに至るまで世帯道具一式を買ってナンキン袋につめこんだ。

石毛存八は刑務所をでると、鍋釜バケツからタオル歯ブラシに至るまで世帯道具一式を買ってナンキン袋につめこんだ。

鬼哭寺の一夜夏目漱石5分以内608

百里に迷ふ旅心、  古りし伽藍に夜を明かす。

百里に迷ふ旅心、  古りし伽藍に夜を明かす。

聖書生田春月10分以内3,046

今日来て見ると、Kさんの書卓の上に、ついぞ見なれぬ褐色のきたない三六版ほどの厚い書物が載っていた。

今日来て見ると、Kさんの書卓の上に、ついぞ見なれぬ褐色のきたない三六版ほどの厚い書物が載っていた。

千代女太宰治60分以内12,021

女は、やっぱり、駄目なものなのね。

女は、やっぱり、駄目なものなのね。

鼓くらべ山本周五郎30分以内8,721

一  庭さきに暖い小春日の光が溢れていた。

一  庭さきに暖い小春日の光が溢れていた。

昆布とろ北大路魯山人10分以内2,263

昆布とろというのは、昆布とかつおぶしの煮だしだけでつくるとろろ汁である。

昆布とろというのは、昆布とかつおぶしの煮だしだけでつくるとろろ汁である。

浮標三好十郎1時間〜94,057

時…………現代 所…………千葉市の郊外 人間…………  久我 五郎(洋画家。三十三歳)     美緒(その病妻。三十三歳)  小母さん (四十四歳)  赤井源一郎(五郎の友人。三十歳)    伊佐子(その妻。二十三歳)  お貞   (美緒の母親。五十一歳)  恵子   (美緒の妹。二十八歳)  利男   (美緒の弟。二十六歳)  比企 正文(五郎の友人。医学士、三十七歳)     京子(その妹。二

時…………現代 所…………千葉市の郊外 人間…………  久我 五郎(洋画家。三十三歳)     美緒(その病妻。三十三歳)  小母さん (四十四歳)  赤井源一郎(五郎の友人。三十歳)    伊佐子(その妻。二十三歳)  お貞   (美緒の母親。五十一歳)  恵子   (美緒の妹。二十八歳)  利男   (美緒の弟。二十六歳)  比企 正文(五郎の友人。医学士、三十七歳)     京子(その妹。二

文房具漫談谷崎潤一郎10分以内3,951

* 私は久しい以前から万年筆を使つたことがなく、日本紙と西洋紙と、二た通り原稿用紙を作つておいて、日本紙の時は毛筆、西洋紙の時は鉛筆を使ふやうにしてゐる。

* 私は久しい以前から万年筆を使つたことがなく、日本紙と西洋紙と、二た通り原稿用紙を作つておいて、日本紙の時は毛筆、西洋紙の時は鉛筆を使ふやうにしてゐる。

三悪人物語山本周五郎1時間〜29,445

一  井住のくに佐貝は中世日本における唯一の自由都市であった。

一  井住のくに佐貝は中世日本における唯一の自由都市であった。

私の好きなロマンス中の女性芥川竜之介5分以内46

一、ロマンスの中の女性は善悪共皆好み候。

一、ロマンスの中の女性は善悪共皆好み候。

朝鮮の友に贈る書柳宗悦60分以内15,653

私の知れる、または見知らぬ多くの朝鮮の友に、心からのこの書翰を贈る。

私の知れる、または見知らぬ多くの朝鮮の友に、心からのこの書翰を贈る。

花咲かぬリラ山本周五郎60分以内18,589

一  軍服を着た肩のたくましい背丈の眼だって高い青年が、大股のひどく特徴のある歩きつきで麻布片町坂を下りて来た。

一  軍服を着た肩のたくましい背丈の眼だって高い青年が、大股のひどく特徴のある歩きつきで麻布片町坂を下りて来た。

柿山本周五郎60分以内12,973

一 「おい牧野、起きないか」 「勘弁して呉れ、本当にもう駄目だ」 「……仕様がないな」  起しあぐねて兵馬は振返った。

一 「おい牧野、起きないか」 「勘弁して呉れ、本当にもう駄目だ」 「……仕様がないな」  起しあぐねて兵馬は振返った。

吉田松陰徳富蘇峰1時間〜136,947

[#ページの左右中央] 新島先生の記念として   この冊子を献ぐ         著者 [#改ページ] [#ページの左右中央] Trust thyself : every heart vibrates to that iron string.       ――Emerson. [#改ページ] 緒言  題して『吉田松陰』というも、その実は、松陰を中心として、その

[#ページの左右中央] 新島先生の記念として   この冊子を献ぐ         著者 [#改ページ] [#ページの左右中央] Trust thyself : every heart vibrates to that iron string.       ――Emerson. [#改ページ] 緒言  題して『吉田松陰』というも、その実は、松陰を中心として、その

ポオ異界詩集エドガー・アラン・ポー30分以内4,131

黄金郷  立派な装備で  勇ましい騎士が 日なたに陰に  長旅のさなか  歌いながら 黄金郷を探しゆく。

黄金郷  立派な装備で  勇ましい騎士が 日なたに陰に  長旅のさなか  歌いながら 黄金郷を探しゆく。

合歓木の蔭山本周五郎60分以内13,883

一  誰かが自分を見ている。

一  誰かが自分を見ている。

図書館幻想宮沢賢治5分以内515

おれはやっとのことで十階の床をふんで汗を拭った。

おれはやっとのことで十階の床をふんで汗を拭った。

恐怖王江戸川乱歩1時間〜67,367

死骸盗賊  一台の金ピカ葬儀自動車が、どこへという当てもないらしく、東京市中を、グルグルと走り廻っていた。

死骸盗賊  一台の金ピカ葬儀自動車が、どこへという当てもないらしく、東京市中を、グルグルと走り廻っていた。

現代語訳 平家物語作者不詳60分以内22,492

北国下向  寿永二年三月上旬、同じ源氏同志の木曽義仲と兵衛佐頼朝との仲にひびが入った。

北国下向  寿永二年三月上旬、同じ源氏同志の木曽義仲と兵衛佐頼朝との仲にひびが入った。

饒舌りすぎる山本周五郎1時間〜28,300

一  奉行職記録所の役部屋へ、小野十太夫がはいって来る。

一  奉行職記録所の役部屋へ、小野十太夫がはいって来る。

天狗岩の殺人魔山本周五郎30分以内8,947

いよいよこの村へも殺人鬼 「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」  扉を蹴放すような勢でとび込んで来た祐吉は、新聞を片手に振廻しながら、 「殺人鬼権六! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺を来し、警察当局もまた非常警戒に任じたり」 「うるさい、うるさい!」  平野大造氏は手を振って制した。

いよいよこの村へも殺人鬼 「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」  扉を蹴放すような勢でとび込んで来た祐吉は、新聞を片手に振廻しながら、 「殺人鬼権六! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺を来し、警察当局もまた非常警戒に任じたり」 「うるさい、うるさい!」  平野大造氏は手を振って制した。

親という二字太宰治10分以内3,063

親という二字と無筆の親は言い。

親という二字と無筆の親は言い。

ちゃん山本周五郎60分以内22,746

一  その長屋の人たちは、毎月の十四日と晦日の晩に、きまって重さんのいさましいくだを聞くことができた。

一  その長屋の人たちは、毎月の十四日と晦日の晩に、きまって重さんのいさましいくだを聞くことができた。

奇遇芥川竜之介30分以内6,347

編輯者 支那へ旅行するそうですね。

編輯者 支那へ旅行するそうですね。

知らずや肝の美味北大路魯山人5分以内1,231

魚類の肝にはなかなか美味いのがある。

魚類の肝にはなかなか美味いのがある。

聖徳太子内藤湖南30分以内7,582

聖徳太子に關して徳川時代の儒者で之を作者の聖と稱せし人があつたが、之は最も善く當つて居つて、殆んど其の人格の全體を悉して居ると思ふ。

聖徳太子に關して徳川時代の儒者で之を作者の聖と稱せし人があつたが、之は最も善く當つて居つて、殆んど其の人格の全體を悉して居ると思ふ。

松風の門山本周五郎60分以内12,951

一  その洞窟は谿谷にのぞむ断崖の上にあった。

一  その洞窟は谿谷にのぞむ断崖の上にあった。

松浦あがた蒲原有明60分以内12,675

一 「黄櫨成レ列隴※[#「月+祭」、107-上-4]間 南望平々是海湾 未レ至二栄城一三五駅忽従リ二林※[#「縢」の「糸」に代えて「土」、U+584D、107-上-5]一得タリ二温山ヲ一。」  とはこれ頼山陽が「見温仙岳」の絶句――この詩を誦し去りて、われらは先づ肥前の国に入る。

一 「黄櫨成レ列隴※[#「月+祭」、107-上-4]間 南望平々是海湾 未レ至二栄城一三五駅忽従リ二林※[#「縢」の「糸」に代えて「土」、U+584D、107-上-5]一得タリ二温山ヲ一。」  とはこれ頼山陽が「見温仙岳」の絶句――この詩を誦し去りて、われらは先づ肥前の国に入る。

みずぐるま山本周五郎1時間〜27,473

一  明和五年の春二月。

一  明和五年の春二月。