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喝采

太宰治

『喝采』は青空文庫で公開されている太宰治の短編作品。6,940文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
6,940文字
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書出

手招きを受けたる童子いそいそと壇にのぼりつ「書きたくないことだけを、しのんで書き、困難と思われたる形式だけを、えらんで創り、デパートの紙包さげてぞろぞろ路ゆく小市民のモラルの一切を否定し、十九歳の春、わが名は海賊の王、チャイルド・ハロルド、清らなる一行の詩の作者、たそがれ、うなだれつつ街をよぎれば、家々の門口より、ほの白き乙女の影、走り寄りて桃金嬢の冠を捧(ささ)ぐとか、真なるもの、美なるもの、兀鷹(はげたか)の怒、鳩(はと)の愛、四季を...

初出「若草」1936(昭和11)年10月
底本太宰治全集2
表記
新字新仮名
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