梓川の上流
小島烏水
『梓川の上流』は青空文庫で公開されている小島烏水の短編作品。11,280文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 11,280文字 |
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書き出し書出 | 明科停車場を下りると、犀(さい)川の西に一列の大山脈が峙(そばだ)っているのが見える、我々は飛騨山脈などと小さい名を言わずに、日本アルプスとここを呼んでいる、この山々には、名のない、あるいは名の知られていない高山が多い、地理書の上では有名になっていながら、山がどこに晦(か)くれているのか、今まで解らなかったのもある――大天井岳などはそれで――人間は十人並以上に、一寸でも頭を出すと、とかく口の端にかかる、あるいは嫉みの槌(つち)で、出かけた杭が敲(たた)きのめされ... |
初出 | |
底本 | 山岳紀行文集 日本アルプス |
表記 | 新字新仮名 |
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