山之口貘の全作品

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
詩とはなにか山之口貘30分以内5,479

詩を書き出してから、すでに四十年に近いのであるが、さてしかし、詩とはなにかと来られると四十年の年月もぐらつくみたいで先ず、当惑をもって答えるしかないのである。

詩を書き出してから、すでに四十年に近いのであるが、さてしかし、詩とはなにかと来られると四十年の年月もぐらつくみたいで先ず、当惑をもって答えるしかないのである。

山之口貘詩集山之口貘60分以内20,984

喪のある景色 うしろを振りむくと 親である 親のうしろがその親である その親のそのまたうしろがまたその親の親であるといふやうに 親の親の親ばつかりが むかしの奧へとつづいてゐる まへを見ると まへは子である 子のまへはその子である その子のそのまたまへはそのまた子の子であるといふやうに 子の子の子の子の子ばつかりが 空の彼方へ消えいるやうに 未來の涯へとつづいてゐる こんな景色のなかに 神のバ

喪のある景色 うしろを振りむくと 親である 親のうしろがその親である その親のそのまたうしろがまたその親の親であるといふやうに 親の親の親ばつかりが むかしの奧へとつづいてゐる まへを見ると まへは子である 子のまへはその子である その子のそのまたまへはそのまた子の子であるといふやうに 子の子の子の子の子ばつかりが 空の彼方へ消えいるやうに 未來の涯へとつづいてゐる こんな景色のなかに 神のバ

月見草山之口貘5分以内1,099

現在のところに住んで、まる六年になる。

現在のところに住んで、まる六年になる。

あとの祭り山之口貘10分以内2,116

この間の朝、裏の井戸端へ顔を洗いに行くと、近所の人に出会したので、「おはようごさいます。」と、ぼくは挨拶した。

この間の朝、裏の井戸端へ顔を洗いに行くと、近所の人に出会したので、「おはようごさいます。」と、ぼくは挨拶した。

私の青年時代山之口貘30分以内7,658

人間は、生れてしばらくの間を赤ん坊と言われ、そのうちに幼年、少年、青年、壮年、老年という順を経て、墓場に永住することになるわけである。

人間は、生れてしばらくの間を赤ん坊と言われ、そのうちに幼年、少年、青年、壮年、老年という順を経て、墓場に永住することになるわけである。

酒友列伝山之口貘30分以内6,104

十年を一昔とみれば、昔の昔の昔から、ぼくは酒を飲んで来たわけである。

十年を一昔とみれば、昔の昔の昔から、ぼくは酒を飲んで来たわけである。

鮪に鰯山之口貘1時間〜28,856

野次馬 これはおどろいたこの家にも テレビがあったのかいと来たのだが 食うのがやっとの家にだって テレビはあって結構じゃないかと言うと 貰ったのかいそれとも 買ったのかいと首をかしげるのだ どちらにしても勝手じゃないかと言うと 買ったのではないだろう 貰ったのだろうと言うわけなのだが いかにもそれは真実その通りなのだが おしつけられては腹立たしくて 余計なお世話をするものだと言うと またしてもど

野次馬 これはおどろいたこの家にも テレビがあったのかいと来たのだが 食うのがやっとの家にだって テレビはあって結構じゃないかと言うと 貰ったのかいそれとも 買ったのかいと首をかしげるのだ どちらにしても勝手じゃないかと言うと 買ったのではないだろう 貰ったのだろうと言うわけなのだが いかにもそれは真実その通りなのだが おしつけられては腹立たしくて 余計なお世話をするものだと言うと またしてもど

ダルマ船日記山之口貘30分以内7,999

×月×日 金  眼を覚ましてみると、側に寝ていた筈の六さんの姿は見えなかった。

×月×日 金  眼を覚ましてみると、側に寝ていた筈の六さんの姿は見えなかった。

雨あがり山之口貘5分以内1,522

その日、朝は、どしゃ降りなのであったが、午後になると、からりと晴れて、縁側に陽がさした。

その日、朝は、どしゃ降りなのであったが、午後になると、からりと晴れて、縁側に陽がさした。

貧乏を売る山之口貘30分以内5,734

この間のことである。

この間のことである。

初恋のやり直し山之口貘5分以内1,542

小学校の六年生になってからのこと、ぼくは机の前に座っていても、それは父や兄などの手前で、勉強しているふりをしているにすぎなかった。

小学校の六年生になってからのこと、ぼくは机の前に座っていても、それは父や兄などの手前で、勉強しているふりをしているにすぎなかった。

池袋の店山之口貘5分以内1,603

池袋は、いま、時々刻々に変貌しつつあるのだ。

池袋は、いま、時々刻々に変貌しつつあるのだ。

野宿山之口貘30分以内7,944

あとになって、きいたことなのであるが、ずっと前にそこに住んでいたうちの娘さんが、毒をのんで便所のなかで死んでいたという噂のある家なのである。

あとになって、きいたことなのであるが、ずっと前にそこに住んでいたうちの娘さんが、毒をのんで便所のなかで死んでいたという噂のある家なのである。

夏向きの一夜山之口貘5分以内1,995

争えないもので、顔までがいつのまにやらそういう顔つきになってしまったのであろう。

争えないもので、顔までがいつのまにやらそういう顔つきになってしまったのであろう。

楽になったという話山之口貘10分以内2,230

とにかく、靴も高くなった。

とにかく、靴も高くなった。

宝くじ・その後山之口貘10分以内2,301

池袋のコーヒー店で、I氏を待っている間を、顔見知りの常連の人達が来るたびに、宝くじを買ったことがあるかどうかを一々たずねてみた。

池袋のコーヒー店で、I氏を待っている間を、顔見知りの常連の人達が来るたびに、宝くじを買ったことがあるかどうかを一々たずねてみた。

つまり詩は亡びる山之口貘10分以内2,172

かつて、アンドレ・ジイドのソヴィエットへの関心を知るや否や、それを以て直ちに、赤化したアンドレ・ジイドと見なしたかのような観方をした人々が、日本の国にあったと記憶する。

かつて、アンドレ・ジイドのソヴィエットへの関心を知るや否や、それを以て直ちに、赤化したアンドレ・ジイドと見なしたかのような観方をした人々が、日本の国にあったと記憶する。

梯梧の花山之口貘10分以内2,397

ぼくが、まだ、おっぱいをのんでいたころのある日のことである。

ぼくが、まだ、おっぱいをのんでいたころのある日のことである。

沖縄帰郷始末記山之口貘5分以内1,933

三十五年ぶりで郷里に帰り、ついこのごろになって帰京した。

三十五年ぶりで郷里に帰り、ついこのごろになって帰京した。

おきなわやまとぐち山之口貘5分以内1,546

おんなじ沖縄出身である旧知の男に出会したところ、かれはぼくに「あなたの放送を聞きましたよ」と言ったが、「しかしあなたの日本語はひどいもんですな、まるでおきなわやまとぐちのまる出しじゃありませんか」と来たのである。

おんなじ沖縄出身である旧知の男に出会したところ、かれはぼくに「あなたの放送を聞きましたよ」と言ったが、「しかしあなたの日本語はひどいもんですな、まるでおきなわやまとぐちのまる出しじゃありませんか」と来たのである。

声をあげて泣く山之口貘5分以内382

かつて、「むらさき」という雑誌があった。

かつて、「むらさき」という雑誌があった。

自伝山之口貘5分以内1,514

本名山口重三郎。

本名山口重三郎。

装幀の悩み山之口貘5分以内1,584

ぼくの最初の詩集『思弁の苑』を出版したのは、昭和十三年の八月である。

ぼくの最初の詩集『思弁の苑』を出版したのは、昭和十三年の八月である。

暴風への郷愁山之口貘5分以内1,735

郷里の沖縄から、上京したのは大正十一年の秋のことであったがその年の冬に、はじめて、ぼくは雪を見た。

郷里の沖縄から、上京したのは大正十一年の秋のことであったがその年の冬に、はじめて、ぼくは雪を見た。

チャンプルー山之口貘10分以内2,881

このごろの泡盛屋では、琉球料理を食べさせるようになったので琉球出身のぼくなどにとっては何よりである。

このごろの泡盛屋では、琉球料理を食べさせるようになったので琉球出身のぼくなどにとっては何よりである。

歳末の質屋山之口貘10分以内2,010

画家のK女史と記者のTさんとぼくとが、車に同乗。

画家のK女史と記者のTさんとぼくとが、車に同乗。

質札山之口貘5分以内1,518

たまに、知らない人から手紙をもらったりすることがあるので、またかとおもって封を切ってみると、なかから出たのは「流質物御通知」なのであった。

たまに、知らない人から手紙をもらったりすることがあるので、またかとおもって封を切ってみると、なかから出たのは「流質物御通知」なのであった。