5分以内で読める芥川竜之介の短編作品

桜さつぱりした雨上りです。

春の日のさした往来をぶらぶら一人歩いてゐる。

日本のやうに機械の利用出来ぬ処では十分な事は出来ないでせうが、兎に角もつと美しい装幀の本が出て好いと思ひます。

国民文庫刊行会の「世界名作大観」の第一部の十六冊の――どうも少し長い。

序文人及び詩人としての薄田泣菫氏を論じたものは予の著述を以て嚆矢とするであらう。

夢の中に色彩を見るのは神経の疲れてゐる証拠であると云ふ。

一、ロマンスの中の女性は善悪共皆好み候。

「侏儒の言葉」は必しもわたしの思想を傳へるものではない。

久保田万太郎君の「しるこ」のことを書いてゐるのを見、僕も亦（また）「しるこ」のことを書いて見たい欲望を感じた。

わたしの作品がロシア語に飜譯されると云ふことは勿論甚だ愉快です。

私は知己を百代の後に待たうとしてゐるものではない。

或木曜日の晩、漱石先生の処へ遊びに行っていたら、何かの拍子に赤木桁平が頻に蛇笏を褒めはじめた。

犬養君の作品は大抵読んでいるつもりである。

江口は決して所謂快男児ではない。

宇野浩二は聡明の人である。

大町先生に最後にお目にかゝったのは、大正十三年の正月に、小杉未醒、神代種亮、石川寅吉の諸君と品川沖へ鴨猟に往った時である。

一、語学の英露独など出来る事。

僕の知れる江戸っ児中、文壇に縁あるものを尋ぬれば第一に後藤末雄君、第二に辻潤君、第三に久保田万太郎君なり。

……新しき時代の浪曼主義者は三汀久米正雄である。

久米は官能の鋭敏な田舎者です。

一昨年の冬、香取秀真氏が手賀沼の鴨を御馳走した時、其処に居合せた天岡均一氏が、初対面の小杉未醒氏に、「小杉君、君の画は君に比べると、如何にも優しすぎるじゃないか」と、いきなり一拶を与えた事がある。

近藤君は漫画家として有名であった。

佐佐木君は剛才人、小島君は柔才人、兎に角どちらも才人です。

菊池は生き方が何時も徹底している。

一、佐藤春夫は詩人なり、何よりも先に詩人なり。

島木さんに最後に会ったのは確か今年（大正十五年）の正月である。

◇滝田君に初めて会ったのは夏目先生のお宅だったであろう。

滝田君はいつも肥っていた。

恒藤恭は一高時代の親友なり。

室生犀星はちゃんと出来上った人である。

豊島は僕より一年前に仏文を出た先輩だから、親しく話しをするようになったのは、寧ろ最近の事である。

私がまだ赤門を出て間もなく、久米正雄君と一ノ宮へ行った時でした。

或夏の夜、まだ文科大学の学生なりしが、友人山宮允君と、観潮楼へ参りし事あり。

変化の激しい都会僕に東京の印象を話せといふのは無理である。

「支那游記」一巻は畢竟（ひっきょう）天の僕に恵んだ（或は僕に災いした）Journalist 的才能の産物である。

男は河から蘆を切つて來て、女の爲に産屋を葺いた。