30分以内で読める野村胡堂の短編作品

青空文庫で公開されている野村胡堂の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編作品を、おすすめ人気順で表示しています。

51–85件 / 全85件

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作品名著者読了時間文字数人気書き出し
銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,245

一 「親分、元飯田町の騒ぎを御存じですかえ」 「なんだい、元飯田町に何があったんだ」  ガラッ八の八五郎がヌッと入ると、見通しの縁側に踞んで、朝の煙草にしている平次は、気のない顔を振り向けるのでした。

一 「親分、元飯田町の騒ぎを御存じですかえ」 「なんだい、元飯田町に何があったんだ」  ガラッ八の八五郎がヌッと入ると、見通しの縁側に踞んで、朝の煙草にしている平次は、気のない顔を振り向けるのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,235

一 「八、厄介なことになったぜ」  銭形の平次は八丁堀の組屋敷から帰って来ると、鼻の下を長くして待っている八五郎に、いきなりこんなことを言うのです。

一 「八、厄介なことになったぜ」  銭形の平次は八丁堀の組屋敷から帰って来ると、鼻の下を長くして待っている八五郎に、いきなりこんなことを言うのです。

奇談クラブ〔戦後版〕野村胡堂30分以内11,010

プロローグ 「これは低俗な義理人情や、歪められた忠義を鼓吹した時代には発表の出来なかった話で、長い間私の材料袋に秘められて居りましたが、今となっては最早憚り恐るる節もなく、この物語を発表したからと言って、私を不忠者不義者扱いにする、頭の固い便乗者も無くなってしまったことでしょう。私は思い切ってこの秘話を発表いたしますが、たった一つ、殿様の本当の名前だけは隠さして頂きたいと思います。旧藩関係がうる

プロローグ 「これは低俗な義理人情や、歪められた忠義を鼓吹した時代には発表の出来なかった話で、長い間私の材料袋に秘められて居りましたが、今となっては最早憚り恐るる節もなく、この物語を発表したからと言って、私を不忠者不義者扱いにする、頭の固い便乗者も無くなってしまったことでしょう。私は思い切ってこの秘話を発表いたしますが、たった一つ、殿様の本当の名前だけは隠さして頂きたいと思います。旧藩関係がうる

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,976

一 「八、何んか良い事があるのかい、大層嬉しさうぢやないか」 「へツ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寢起がいゝだけで――」  ガラツ八と異名で呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦を噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがい頤を撫で廻すのでした。

一 「八、何んか良い事があるのかい、大層嬉しさうぢやないか」 「へツ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寢起がいゝだけで――」  ガラツ八と異名で呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦を噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがい頤を撫で廻すのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,416

一 「親分、何んかかう胸のすくやうなことはありませんかね」  ガラツ八の八五郎は薄寒さうに彌造を構へたまゝ、膝小僧で錢形平次の家の木戸を押し開けて、狭い庭先へノソリと立つたのでした。

一 「親分、何んかかう胸のすくやうなことはありませんかね」  ガラツ八の八五郎は薄寒さうに彌造を構へたまゝ、膝小僧で錢形平次の家の木戸を押し開けて、狭い庭先へノソリと立つたのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,325

一 「あれを聴いたでしょうね、親分」  ガラッ八の八五郎は、この薄寒い日に、鼻の頭に汗を掻いて飛込んで来たのです。

一 「あれを聴いたでしょうね、親分」  ガラッ八の八五郎は、この薄寒い日に、鼻の頭に汗を掻いて飛込んで来たのです。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,796

一 「ね、親分、こいつは珍しいでしょう」  ガラッ八の八五郎は、旋風のように飛込んで来ると、いきなり自分の鼻を撫で上げるのでした。

一 「ね、親分、こいつは珍しいでしょう」  ガラッ八の八五郎は、旋風のように飛込んで来ると、いきなり自分の鼻を撫で上げるのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,857

一  飯田町の地主、朝田屋勘兵衞が死んで間もなく、その豪勢な家が、自火を出して一ぺんに燒けてしまつたことがあります。

一  飯田町の地主、朝田屋勘兵衞が死んで間もなく、その豪勢な家が、自火を出して一ぺんに燒けてしまつたことがあります。

平次と生きた二十七年野村胡堂30分以内6,827

愛情主義の平次 「銭形平次」を書き始めて、もう二十七年になる。

愛情主義の平次 「銭形平次」を書き始めて、もう二十七年になる。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,482

一 「親分、何かこう胸のすくようなことはありませんかね」  ガラッ八の八五郎は薄寒そうに弥蔵を構えたまま、膝小僧で銭形平次の家の木戸を押し開けて、狭い庭先へノソリと立ったのでした。

一 「親分、何かこう胸のすくようなことはありませんかね」  ガラッ八の八五郎は薄寒そうに弥蔵を構えたまま、膝小僧で銭形平次の家の木戸を押し開けて、狭い庭先へノソリと立ったのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,989

一 「親分、小柳町の伊丹屋の若旦那が来ましたぜ、何か大変な事があるんですって」 「恐ろしく早いじゃないか、待たしておけ」 「ヘエ――」  平次は八五郎を追いやるように、ガブガブと嗽をしました。

一 「親分、小柳町の伊丹屋の若旦那が来ましたぜ、何か大変な事があるんですって」 「恐ろしく早いじゃないか、待たしておけ」 「ヘエ――」  平次は八五郎を追いやるように、ガブガブと嗽をしました。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,474

一 「親分、ちと出かけちゃどうです。花は盛りだし、天気はよし」 「その上、金がありゃ申分はないがね」  誘いに来たガラッ八の八五郎をからかいながら相変らず植木の新芽をいつくしむ銭形の平次だったのです。

一 「親分、ちと出かけちゃどうです。花は盛りだし、天気はよし」 「その上、金がありゃ申分はないがね」  誘いに来たガラッ八の八五郎をからかいながら相変らず植木の新芽をいつくしむ銭形の平次だったのです。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,488

一  金座、銀座、銭座、朱座と並んで、江戸幕府の大事な機構の一つに、秤座というのがありました。

一  金座、銀座、銭座、朱座と並んで、江戸幕府の大事な機構の一つに、秤座というのがありました。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,547

一 「親分は? お静さん」  久し振りに来たお品は、挨拶が済むと、こう狭い家の中を見廻すのでした。

一 「親分は? お静さん」  久し振りに来たお品は、挨拶が済むと、こう狭い家の中を見廻すのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,993

一 「親分、変なことがあるんだが――」  ガラッ八の八五郎がキナ臭い顔を持ち込んだのは、まだ屠蘇機嫌のぬけ切らぬ、正月六日のことでした。

一 「親分、変なことがあるんだが――」  ガラッ八の八五郎がキナ臭い顔を持ち込んだのは、まだ屠蘇機嫌のぬけ切らぬ、正月六日のことでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,998

一 「お早う」  ガラッ八の八五郎は、尋常な挨拶をして、慎み深く入って来ると、お静のくんで出した温かい茶を、お薬湯のように押し戴いて、二た口三口啜りながら、上眼づかいに四辺を見廻すのでした。

一 「お早う」  ガラッ八の八五郎は、尋常な挨拶をして、慎み深く入って来ると、お静のくんで出した温かい茶を、お薬湯のように押し戴いて、二た口三口啜りながら、上眼づかいに四辺を見廻すのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,048

一  小網町二丁目の袋物問屋丸屋六兵衛は、とうとう嫁のお絹を追い出した上、倅の染五郎を土蔵の二階に閉じ籠めてしまいました。

一  小網町二丁目の袋物問屋丸屋六兵衛は、とうとう嫁のお絹を追い出した上、倅の染五郎を土蔵の二階に閉じ籠めてしまいました。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,100

一  師走に入ると、寒くてよく晴れた天気がつづきました。

一  師走に入ると、寒くてよく晴れた天気がつづきました。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内9,996

一  柳原の土手下、ちょうど御郡代屋敷前の滅法淋しいところに生首が一つ転がっておりました。

一  柳原の土手下、ちょうど御郡代屋敷前の滅法淋しいところに生首が一つ転がっておりました。

銭形平次打明け話野村胡堂30分以内5,591

昭和六年のある春の日の午後のことである、かねて顔見知りで、同じ鎌倉に住んでいる菅忠雄君が、その当時報知新聞記者であった私を訪ねて来て、二階の応接間でこう話したのである。

昭和六年のある春の日の午後のことである、かねて顔見知りで、同じ鎌倉に住んでいる菅忠雄君が、その当時報知新聞記者であった私を訪ねて来て、二階の応接間でこう話したのである。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,780

一 「八、久しく顔を見せなかったな」  銭形の平次は縁側一パイの三文盆栽を片付けて、子分の八五郎のために座を作ってやりながら、煙草盆を引寄せて、甲斐性のない粉煙草をせせるのでした。

一 「八、久しく顔を見せなかったな」  銭形の平次は縁側一パイの三文盆栽を片付けて、子分の八五郎のために座を作ってやりながら、煙草盆を引寄せて、甲斐性のない粉煙草をせせるのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,841

一 「親分、変なことがあるんだが――」 「お前に言わせると、世の中のことは皆んな変だよ。角の荒物屋のお清坊が、八五郎に渡りをつけずに嫁に行くのも変なら、松永町の尼寺の猫の子にさかりが付くのも変――」 「止して下さいよ、そんな事を、みっともない」  銭形平次と子分の八五郎は、相変らずこんなトボケた調子で話を運ぶのでした。

一 「親分、変なことがあるんだが――」 「お前に言わせると、世の中のことは皆んな変だよ。角の荒物屋のお清坊が、八五郎に渡りをつけずに嫁に行くのも変なら、松永町の尼寺の猫の子にさかりが付くのも変――」 「止して下さいよ、そんな事を、みっともない」  銭形平次と子分の八五郎は、相変らずこんなトボケた調子で話を運ぶのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,282

一 「親分」 「何んだ、八。大層あわててゐるぢやないか」 「天下の大事ですぜ、親分」 「大きく出やがつたな。大久保彦左衞門樣見たいな分別臭い顏をどこで仕入れて來たんだ」  錢形の平次は驚く色もありません。

一 「親分」 「何んだ、八。大層あわててゐるぢやないか」 「天下の大事ですぜ、親分」 「大きく出やがつたな。大久保彦左衞門樣見たいな分別臭い顏をどこで仕入れて來たんだ」  錢形の平次は驚く色もありません。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,392

一 「親分、変なことがありますよ」  八五郎のガラッ八が、長い顔を糸瓜棚の下から覗かせたとき、銭形の平次は縁側の柱にもたれて、粉煙草をせせりながら、赤蜻蛉の行方を眺めておりました。

一 「親分、変なことがありますよ」  八五郎のガラッ八が、長い顔を糸瓜棚の下から覗かせたとき、銭形の平次は縁側の柱にもたれて、粉煙草をせせりながら、赤蜻蛉の行方を眺めておりました。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,499

一 「八、居るか」  向柳原の叔母さんの二階に、独り者の気楽な朝寝をしている八五郎は、往来から声を掛けられて、ガバと飛起きました。

一 「八、居るか」  向柳原の叔母さんの二階に、独り者の気楽な朝寝をしている八五郎は、往来から声を掛けられて、ガバと飛起きました。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,535

一 「親分、あれを御存じですかえ」  ガラッ八の八五郎はいきなり飛び込んで来ると、きっかけも脈絡もなく、こんなことを言うのでした。

一 「親分、あれを御存じですかえ」  ガラッ八の八五郎はいきなり飛び込んで来ると、きっかけも脈絡もなく、こんなことを言うのでした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,390

一 「親分」 「何だ、八。大層あわてているじゃないか」 「天下の大事ですぜ、親分」 「大きく出やがったな。大久保彦左衛門様みたいな分別臭い顔をどこで仕入れて来たんだ」  銭形の平次はおどろく色もありません。

一 「親分」 「何だ、八。大層あわてているじゃないか」 「天下の大事ですぜ、親分」 「大きく出やがったな。大久保彦左衛門様みたいな分別臭い顔をどこで仕入れて来たんだ」  銭形の平次はおどろく色もありません。

随筆銭形平次野村胡堂30分以内6,401

一  吉田首相が「銭形平次」を読むとか読まないとかで、かなりうるさい問題を巻き起こした。

一  吉田首相が「銭形平次」を読むとか読まないとかで、かなりうるさい問題を巻き起こした。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,450

一  三河町一丁目の大元締、溝口屋鐘五郎の家は、その晩割れ返るような賑わいでした。

一  三河町一丁目の大元締、溝口屋鐘五郎の家は、その晩割れ返るような賑わいでした。

随筆銭形平次野村胡堂30分以内7,107

一  銭形平次の住居は――  神田明神下のケチな長屋、町名をはっきり申上げると、神田お台所町、もう少し詳しくいえば鰻の神田川の近所、後ろは共同井戸があって、ドブ板は少し腐って、路地には白犬が寝そべっている。

一  銭形平次の住居は――  神田明神下のケチな長屋、町名をはっきり申上げると、神田お台所町、もう少し詳しくいえば鰻の神田川の近所、後ろは共同井戸があって、ドブ板は少し腐って、路地には白犬が寝そべっている。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内11,658

一 「こいつは可哀想だ」  銭形平次も思わず顔を反けました。

一 「こいつは可哀想だ」  銭形平次も思わず顔を反けました。

随筆銭形平次野村胡堂30分以内7,099

一  捕物小説というものを、私は四百二三十篇は書いているだろう。

一  捕物小説というものを、私は四百二三十篇は書いているだろう。

平次放談野村胡堂30分以内4,803

江戸のよさ  江戸のよさということを、いまの人は忘れていると思います。

江戸のよさ  江戸のよさということを、いまの人は忘れていると思います。

銭形平次捕物控野村胡堂30分以内10,517

一 「フーム」  要屋の隠居山右衛門は、芝神明前のとある夜店の古道具屋の前に突っ立ったきり、しばらくは唸っておりました。

一 「フーム」  要屋の隠居山右衛門は、芝神明前のとある夜店の古道具屋の前に突っ立ったきり、しばらくは唸っておりました。

黄金を浴びる女野村胡堂30分以内11,637

奉行に代って 「お駒さん、相変らず綺麗だぜ」 「あら、権次さん、お前さんは相変らず口が悪いよ」 「口の悪いのは通り者だが、お駒さんの綺麗なのと違って罪は作らねえ」 「何を言うのさ、いきなり悪口を言ったり、好い児になったり」  二人は顔を合せさえすれば、斯んな調子で物を言う間柄だったのです。

奉行に代って 「お駒さん、相変らず綺麗だぜ」 「あら、権次さん、お前さんは相変らず口が悪いよ」 「口の悪いのは通り者だが、お駒さんの綺麗なのと違って罪は作らねえ」 「何を言うのさ、いきなり悪口を言ったり、好い児になったり」  二人は顔を合せさえすれば、斯んな調子で物を言う間柄だったのです。