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銭形平次捕物控118 吹矢の紅

野村胡堂

『銭形平次捕物控』は青空文庫で公開されている野村胡堂の中編作品。13,913文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
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60分以内
13,913文字
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書出

錢形平次はお上の御用で甲府へ行つて留守、女房のお靜は久し振りに本所の叔母さんを訪ねて、「しいちやんのは鬼の留守に洗濯ぢやなくて、淋しくなつてたまらないから、私のやうなものを思ひ出して來てくれたんだらう」などと、遠慮のないことを言はれながら、半日油を賣つた歸り途、東兩國の盛り場に差しかゝつたのは、かれこれ申刻(四時)近い時分でした。

初出「オール讀物」文藝春秋社、1941(昭和16)年2月号
底本錢形平次捕物全集第二十四卷 吹矢の紅
表記
旧字旧仮名
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