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――一切の世界進行を、「自己運動」に於て、自発的発展に於て、生ける実在に於てあるものとして把握する認識の条件は、それらの対立の認識これである。
二月半ばのそら、酒室の呼吸を罩めて、風、あまし、温かし円ろかなるこの穹き懐ろに、音もなく彩雲ぞ、さすらふなる。
おほぞらは、紫暗の海と澄み渡りて、真珠の群は、きらきらと、円けき海月光り流るゝ。