青空文庫の全作品

編輯者わたしの方の雑誌の来月号に何か書いて貰へないでせうか？作家駄目です。

西洋の幽霊――西洋と云つても英米だけだが、その英米の小説に出て来る、近頃の幽霊の話でも少ししませう。

石敢当今東光君は好学の美少年、「文芸春秋」二月号に桂川中良の桂林漫録を引き、大いに古琉球風物詩集の著者、佐藤惣之助君の無学を嗤（わら）ふ。

拝啓。

大震雑記大正十二年八月、僕は一游亭と鎌倉へ行き、平野屋別荘の客となつた。

これは御覧の通り覚え書に過ぎない。

中村武羅夫君これは君の「随筆流行の事」に対する答である。

×北原さん。

古今実物語大阪の画工北※（ほくせん）の著はせる古今実物語と云ふ書あり。

リチヤアド・バアトン（Richard Burton）の訳した「一千一夜物語」――アラビヤン・ナイツは、今日まで出てゐる英訳中で先づ一番完全に近いものであるとせられてゐる。

元来僕は何ごとにも執着の乏しい性質である。

貴問に曰（いはく）、近来娼婦型の女人増加せるを如何思ふ乎（か）と。

小学校時代。

これは学校友だちのことと言ふも、学校友だちの全部のことにあらず。

この度は田端の人々を書かん。

上海の商務印書館から世界叢書と云ふものが出てゐる。

燕雀生といふ人、「文芸春秋」三月号に泥古残念帖と言ふものを寄せたり。

ここに面白い本がある。

変遷万法の流転を信ずる僕と雖（いへど）も、目前に世態の変遷を見ては多少の感慨なきを得ない。

この夏僕のところへ、山形県から手紙が来た。

ヴオルテエルが子供の時は神童だつた。

一、病中閑なるを幸ひ、諸雑誌の小説を十五篇ばかり読む。

「貴君の作品の中で、愛着を持つてゐらつしやるものか、好きなものはありませんか」と云はれると、一寸困る。

机僕は学校を出た年の秋「芋粥」といふ短篇を新小説に発表した。

アダムとイヴと小さい男の子と小さい女の子とが、アダムとイヴとの画を眺めてゐた。

これは異本「伊曾保の物語」の一章である。

名士と家夏目先生の家が売られると云ふ。

毎年一二月の間になれば、胃を損じ、腸を害し、更に神経性狭心症に罹（かか）り、鬱々として日を暮らすこと多し。

七八年前のことです。

問現代の作家に就いて、比較上の問題ですが、東洋種と西洋種とに区別したら如何なものでせうか。

改造社の古木鉄太郎君の言ふには、「短歌は将来の文芸からとり残されるかどうか？」に就き、僕にも何か言へとのことである。

大衆文芸は小説と変りはない。

僕は鼠（ねずみ）になつて逃げるらあ。

わたくしはけふの講演会に出るつもりでゐましたが、腹を壊してゐる為に出られません。

僕の二十六歳の時なりしと覚ゆ。

僕の経験するところによれば、今の小説の読者といふものは、大抵はその小説の筋を読んでゐる。

金沢の方言によれば「うまさうな」と云ふのは「肥つた」と云ふことである。

小穴隆一君（特に「君」の字をつけるのも可笑しい位である）は僕よりも年少である。

僕が講演旅行へ出かけたのは今度里見※（さとみとん）君と北海道へ行つたのが始めてだ。

蓬平作墨蘭図一幀、司馬江漢作秋果図一幀、仙厓作鐘鬼図一幀、愛石の柳陰呼渡図一幀、巣兆、樗良、蜀山、素檗、乙二等の自詠を書せるもの各一幀、高泉、慧林、天祐等の書各一幀、――わが家の蔵幅はこの数幀のみなり。

僕に小説をかけと云ふのかね。

始皇帝がどう思つたか、本を皆焼いてしまつたので、神田の古本屋が職を失つたと新聞に出てゐるから、ひどい事をしたもんだと思つて、その本の焼けあとを見に丸ノ内へ行かうとすると、銀座尾張町の四つ角で、交番の前に人が山のやうにたかつてゐる。

何しろ南瓜が人を殺す世の中なんだから、驚くよ。

――沢木梢氏に――おれの家の二階の窓は、丁度向うの家の二階の窓と向ひ合ふやうになつてゐる。

伊香保の事を書けと云ふ命令である。

鏡自分は無暗に書物ばかり積んである書斎の中に蹲（うづくま）つて、寂しい春の松の内を甚だらしなく消光してゐた。

おれは沼のほとりを歩いてゐる。

象象よ。

これは上海滞在中、病間に訳したものである。

秋夜火鉢に炭を継がうとしたら、炭がもう二つしかなかつた。