坂本竜馬の全作品

九日下の関を発ス。

春猪どの／＼、春猪どのよ／＼。

此度、門為参候て海山の咄御国の咄も聞つくし、誠におもしろく奉レ存候。

先日手紙さし出し候あとにて箱が一ツある。

此さし出候帯屋も助たしかなる人なれバ、皆※様御返じ何なりとも御なし可レ被レ下候。

其後ハ御無音申上候。

此頃出崎の土佐参政後藤庄次郎近頃の人物ニて候。

近時新聞○薩州大山格之助廿日関ニ来ル。

追白、先日より病気ニて引籠居候まゝ書付として呈しぬ。

珍事御見ニ入候時、御耳入候。

猶南町むば（（乳母））にもよろしく御伝へ御たのみ申あげ候。

今日ハ金子御入用と存候得バ、小曽根英四郎みせ番頭清吉を以て、六百両さし出申候。

私しが土佐に帰りたりときくと、幕吏が大恐れぞ、はやきおもみ申候。

扨も／＼、御ものがたりの笑しさハ、じつにはら（（腹））おつかみたり。

此一品ハきみへ（（楢崎君江））におつかハし被レ成度、あれハ今どこにおるかしらん、たゞきづかい候。

拝啓。

此度の御志の程、士官の者共に申聞候所、一同なんだ（（涙））おはらい難レ有がりおり申候。

覚書二条一、此度の出崎ハ、非常の事件在レ之候ニ付、留守ニ於も相慎可レ申、然レバ信友のものといへども、自然堂まで不レ参よふ、御玄関御番衆まで御通達被レ遣度候事。

追白、御案内の通り此度長崎ニ出候得バ、いかゞ相成候や不レ被レ計候得バ、左の覚さし舌代出し置候。

此度出崎仕候上ハ、御存（知）の事件ニ候間、万一の御報知仕候時ハ、愚妻儀本国ニ送り返し可レ申、然レバ国本より家僕及老婆壱人、御家まで参上仕候。

唯御送り（但万国公法。

拝啓。

私儀此頃甚多端、別紙福田氏より申上候、御聞取可レ被レ遣候。

船の争論ハ私思よふ相はこび、長崎ニ出候。

一翰致二敬呈一候。

今日も鬱陶しき天気に御座候。

其後ハ定而御きづかい察入候。

其後ハ益御勇壮可レ被レ成二御座一奉二大賀一候。

此度曽根拙蔵お土佐商会より御在番役所までさし立申候。

此度さし出セし曽根拙蔵にハ、大兄よりも色※御咄合可レ被レ遣候。

先達てイロハ丸紀州軍艦の為めに衝突被レ致、遂及二沈没一候儀に付、薩州五代才助、紀の内意により度々後藤象次郎へ誤出、何分対二薩州一不レ得レ止訳に相成、一先五代之申条に任せ候処、今日紀の官長、後藤へ罷越、重々誤入候趣申に付、許し遣し候。

一筆啓上仕候。

一筆啓上仕候。

今日もいそがしき故、薩州やしきへ参りかけ、朝六ツ時頃より此ふみしたゝめました。

別紙、乙（姉乙女）に送り候書状ハ、養子清次郎を論じて遣候事在レ之候間、愚兄権平ニハ見せられぬ事おゝく候まゝ、必大兄御母上まで御送り愚兄ニハ小弟より手紙のあねニ達し候ことをしらせぬよふ御母上より御直ニ御達可レ被レ遣御願申上候。

御別申候より急ニ兵庫ニ下り、同二日の夕七ツ過ギ、土佐の国すさキ（（須崎））と申港に付居申候。

御別後同二日夕方、すさき港ニ着船仕候。

一筆啓上仕候。

今日朔日兵庫出帆、同二日土佐ニ帰り、一昨夜土佐出帆、今日馬関ニ来ル」扨、京師の時勢ハ大様の所ハ御聞取も可レ在レ之候得共、一通申上候」薩此頃（大島吉之助等）決心、幕と一戦相心得候得ども、土佐後藤庄次郎が今一度上京をまち居申候。

彼吉田の千両を以て、家を御求の御論おもしろ（（面白））そふなれども、是必、前門の虎は退ぞけしに後門の狼の入り来り候咄しならんか。

皆様御集ニ相成候得バ、中島作太郎方迄つかい御こし被レ遣度奉レ願候。

彼長の船は廿三日出帆ニ相成候よし、其心積奉レ願候。

参上仕、何か御咄可レ仕筈ニ御座候得ども、なにぶん気もちあしく、よわり居申候。

此度、石田英吉の船中は、兼て衣服少なき諸生なれば甚だ気の毒なり。

石田及下等士官水夫頭には、私より金少々遣し申候。

一筆啓上候。

先、西郷、大久保越中の事、戦争中にもかたほ（（片頬））にかゝり一向忘れ不レ申、若しや戦死をとげ候とも、上許両人の自手にて唯一度の香花をたむけくれ候得ば、必ず成仏致し候こと既に決論の処なり。

私より藤屋の空虚を突可レ申、大兄も其儘ふじやに御もりかへしは、いかゞに候や。

先刻御見うけ申候通りニ、大兄の反したまふより援隊壮士三四等、ときの声を出し、ゑい／＼と押来り、くおふるに女軍吾本陳お打破り其声百雷の（如）く、大兄此時ニもれたまふて、地下に吾に何の御顔を見セたまふや。

唯今長府の尼将軍、監軍熊野直助及二人、わらはお供し押来りて、吾右軍と戦ハんとす。