月かげ
豊島与志雄
『月かげ』は青空文庫で公開されている豊島与志雄の短編作品。7,572文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 7,572文字 |
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書き出し書出 | 四月から五月へかけた若葉の頃、穏かな高気圧の日々、南西の微風がそよそよと吹き、日の光が冴え冴えとして、着物を重ねても汗ばむほどでなく、肌を出しても鳥肌立つほどでなく、云わば、体温と気温との温差が適度に保たれる、心地よい暖気になると、私は云い知れぬ快さを、身内にも周囲にも感じて、晴れやかな気分に包まれてしまった。 |
初出 | 「婦人公論」1924(大正13)年7月 |
底本 | 豊島与志雄著作集 第二巻(小説Ⅱ) |
表記 | 新字新仮名 |
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