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半七捕物帳20 向島の寮

岡本綺堂

『半七捕物帳』は青空文庫で公開されている岡本綺堂の中編作品。12,948文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
12,948文字
人気
4,382PV
書出

慶応二年の夏は不順の陽気で、綿ぬきという四月にも綿衣をかさねてふるえている始末であったが、六月になってもとかく冷え勝ちで、五月雨の降り残りが此の月にまでこぼれ出して、煙のような細雨が毎日しとしとと降りつづいた。

初出
底本時代推理小説 半七捕物帳(二)
表記
新字新仮名
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