旧聞日本橋03 蕎麦屋の利久
長谷川時雨
『旧聞日本橋』は青空文庫で公開されている長谷川時雨の短編作品。10,628文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 10,628文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 角の荒物屋が佐野吾八さんの代にならないずっと前――私たちまだ宇宙にブヨブヨ魂が漂っていた時代――そこは八人芸の○○斎という名人がいたのだそうで、上げ板を叩(たた)いて「番頭さん熱いよ」とうめ湯をたのんだり、小唄をうたったりすると、どうしても洗湯の隣りに住んでる気がしたり、赤児が生れる泣声に驚かされたりしたと祖母がはなしてくれた。 |
初出 | |
底本 | 旧聞日本橋 |
表記 | 新字新仮名 |
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。