竹の根の先を掘るひと
萩原朔太郎
『竹の根の先を掘るひと』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。273文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 273文字 |
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書き出し書出 | 病氣はげしくなりいよいよ哀しくなり三日月空にくもり病人の患部に竹が生え肩にも生え手にも生え腰からしたにもそれが生えゆびのさきから根がけぶり根には纖毛がもえいで血管の巣は身體いちめんなりああ巣がしめやかにかすみかけしぜんに哀しみふかくなりて憔悴れさせ絹糸のごとく毛が光りますます鋭どくして耐へられずつひにすつぱだかとなつてしまひ竹の根にすがりつき、すがりつきかなしみ心... |
初出 | |
底本 | 萩原朔太郎全集 第三卷 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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