ブンゴウサーチ

南の海へ行きます

萩原朔太郎

『南の海へ行きます』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。683文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
683文字
人気
0PV
書出

ながい疾患のいたみも消えさり、淺間の山の雪も消え、みんなお客さまたちは都におかへり、酒はせんすゐにふきあげ、ちらちら緋鯉もおよぎそめしが、私はひとりぽつちとなり、なにか知らねど泣きたくなり、せんちめんたるの夕ぐれとなり、しくしくとものをおもへば、仲よしの友だちうちつれきたり、卵のごときもの、菓子のごときもの、林檎のごときものを捧げてまくらべにもたらせり、ああ、けれども私はさびしく、...

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
旧字旧仮名
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。