磨かれたる金属の手

萩原朔太郎

『磨かれたる金属の手』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。219文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。

文字数
5分以内219文字
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書き出し

手はえれき、 手はぷらちな、 手はらうまちずむのいたみ、 手は樹心に光り、 魚に光り、 墓石に光り、 手はあきらかに光る、 ゆくところ、 すでに肢體をはなれ、 炎炎灼熱し狂氣し、 指ひらき啓示さるるところの、 手は宙宇にありて光る、 光る金屬の我れの手くび、 するどく磨かれ、 われの瞳をめしひ、 われの肉をやぶり、 われの骨をきずつくにより、 恐るべし恐るべし、 手は白き疾患のらぢうむ、 ゆびいた

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
旧字旧仮名