岩魚――哀しきわがエレナにささぐ――
萩原朔太郎
『岩魚』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。249文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 249文字 |
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書き出し書出 | 瀬川ながれを早み、しんしんと魚らくだる、ああ岩魚ぞはしる、谷あひふかに、秋の風光り、紫苑はなしぼみ、木末にうれひをかく、えれなよ、信仰は空に影さす、かならずみよ、おんみが靜けき額にあり、よしやここは遠くとも、わが巡禮は鈴ならしつつ君にいたらむ、いまうれひは瀧をとどめず、かなしみ山路をくだり、せちにせちにおんみをしたひ、ひさしく手を岩魚のうへにおく。 |
初出 | |
底本 | 萩原朔太郎全集 第三卷 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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