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春の来る頃

萩原朔太郎

『春の来る頃』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。168文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
168文字
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書出

なじかは春の歩み遲く わが故郷は消え殘る雪の光れる わが眼になじむ遠き山山 その山脈もれんめんと 煙の見えざる淺間は哀し 今朝より家を逃れいで 木ぬれに石をかくして遊べる をみな來りて問ふにあらずば なんとて家路を教ふべき はやも晝餉になりぬれど ひとり木立にかくれつつ 母もにくしや 父もにくしやとこそ唄ふなる。

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
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