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歓魚夜曲

萩原朔太郎

『歓魚夜曲』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。237文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
237文字
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光り蟲しげく跳びかへる 夜の海の青き面をや眺むらむ あてなき瞳遠く放たれ 息らひたまふ君が側へに寄りそへるに 浪はやさしくさしきたり またひき去る浪 遠き渚に海月のひもはうちふるへ 月しらみわたる夜なれや 言葉なくふたりさしより 涙ぐましき露臺の椅子にうち向ふ このにほふ潮風にしばなく鴎 鱗光の青きに水流れ散りて やまずせかれぬ戀魚の身ともなりぬれば 今こそわが手ひらかれ 手はかたくあふるるものを

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
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