歓魚夜曲
萩原朔太郎
『歓魚夜曲』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。290文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数 | 5分以内 290文字 |
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書き出し書出 | 光り蟲しげく跳びかへる夜の海の青き面をや眺むらむあてなき瞳遠く放たれ息らひたまふ君が側へに寄りそへるに浪はやさしくさしきたりまたひき去る浪遠き渚に海月のひもはうちふるへ月しらみわたる夜なれや言葉なくふたりさしより涙ぐましき露臺の椅子にうち向ふこのにほふ潮風にしばなく鴎鱗光の青きに水流れ散りてやまずせかれぬ戀魚の身ともなりぬれば今こそわが手ひらかれ手はかたくあふるるものを押へたり。 |
初出 | |
底本 | 萩原朔太郎全集 第三卷 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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