君が家

萩原朔太郎

『君が家』は青空文庫で公開されている萩原朔太郎の短編作品。228文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。

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5分以内228文字
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書き出し

ああ戀人の家なれば 幾度そこを行ききずり 空しくかへるたそがれの 雲つれなきを恨みんや 水は流れて南する ゆかしき庭にそそげども たが放ちたる花中の 艶なる戀もしらでやは 垣間み見ゆるほほづきの 赤きを人の脣に 情なくふくむ日もあらば 悲しき子等はいかにせん 例へば森に烏なき 朝ざむ告ぐる冬の日も さびしき興に言よせて 行く子ありとは知るやしらずや ああ空しくて往來ずり 狂者に似たるふりは

初出
底本萩原朔太郎全集 第三卷
表記
旧字旧仮名