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大つごもり

樋口一葉

『大つごもり』は青空文庫で公開されている樋口一葉の短編作品。10,121文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内
10,121文字
人気
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書出

上井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆうひゆうと吹ぬきの寒さ、おお堪えがたと竈(かまど)の前に火なぶりの一分は一時にのびて、割木ほどの事も大台にして叱(しか)りとばさるる婢女の身つらや、はじめ受宿の老媼さまが言葉には御子様がたは男女六人、なれども常住家内にお出あそばすは御総領と末お二人、少し御新造は機嫌かいなれど、目色顔色を呑(の)みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る質なれば、御前の出様一つで半襟半がけ前垂の紐(ひも)にも事は欠くまじ、...

初出「文学界」1894(明治27)年12月号
底本にごりえ・たけくらべ
表記
新字旧仮名
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