ゆく雲
樋口一葉
『ゆく雲』は青空文庫で公開されている樋口一葉の短編作品。10,402文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数 | 30分以内 10,402文字 |
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書き出し書出 | 記者曰、一葉女史樋口夏子の君は明治五年をもて東京に生まれ、久しく中島歌子女史を師として今尚歌文を學ばる※(びん)傍、武藏野、都の花、文學界等の諸雜誌に新作小説多く見えぬ、(上)酒折の宮、山梨の岡、鹽山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小佛さゝ子の難處を越して猿橋のながれに眩(めくる)めき、鶴瀬、駒飼見るほどの里もなきに、勝沼の町とても東京にての塲末ぞかし、甲府は流石に大厦高樓、躑躅(つつじ)が崎の城跡など見る處(ところ)のありとは言へど、汽車の便り... |
初出 | 「太陽 第壱卷第五號」博文館、1895(明治28)年5月5日 |
底本 | 太陽 第壱卷第五號 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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