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軒もる月

樋口一葉

『軒もる月』は青空文庫で公開されている樋口一葉の短編作品。3,652文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内
3,652文字
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書出

「我が良人は今宵も帰りのおそくおはしますよ。我が子は早く睡りしに、帰らせ給はゞ興なくや思さん。大路の霜に月氷りて、踏む足いかに冷たからん。炬燵の火もいとよし、酒もあたゝめんばかりなるを。時は今何時にか、あれ、空に聞ゆるは上野の鐘ならん。二ツ三ツ四ツ、八時か、否、九時になりけり。さても遅くおはします事かな、いつも九時のかねは膳の上にて聞き給ふを。それよ、今宵よりは一時づゝの仕事を延ばして、この子が為

初出「毎日新聞」1895(明治28)年4月3、5日
底本全集樋口一葉 第二巻 小説編二〈復刻版〉
表記
新字旧仮名
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