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たけくらべ

樋口一葉

『たけくらべ』は青空文庫で公開されている樋口一葉の長編作品。29,984文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜
29,984文字
人気
230,790PV
書出

廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行来にはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前と名は仏くさけれど、さりとは陽気の町と住みたる人の申き、三嶋神社の角をまがりてよりこれぞと見ゆる大厦もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長や、商ひはかつふつ利かぬ処とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田楽みるやう、裏にはりたる串のさまもをかし、一軒ならず二軒ならず、朝日に干して夕日にしまふ手...

初出「文学界」文学界雑誌社、1895(明治28)年1~3、8、11、12月、1896(明治29)年1月
底本にごりえ・たけくらべ
表記
新字旧仮名
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