たけくらべ
樋口一葉
『たけくらべ』は青空文庫で公開されている樋口一葉の長編作品。32,572文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数 | 1時間〜 32,572文字 |
人気 | 0PV |
書き出し書出 | 廻(まわ)れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒(は)ぐろ溝に燈火うつる三階の騷(さわ)ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前と名は佛(ほとけ)くさけれど、さりとは陽氣の町と住みたる人の申き、三島神社の角をまがりてより是れぞと見ゆる大厦もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長屋、商ひはかつふつ利かぬ處(ところ)とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田樂みるやう、裏にはりたる串のさまもをかし、一軒... |
初出 | (一)~(三)「文學界 二十五號」文學界雜誌社、1895(明治28)年1月30日<br>(四)~(六)「文學界 二十六號」文學界雜誌社、1895(明治28)年2月28日<br>(七)~(八)「文學界 二十七號」文學界雜誌社、1895(明治28)年3月30日<br>(九)~(十)「文學界 三十二號」文學界雜誌社、1895(明治28)年8月30日<br>(十一)~(十二)「文學界 三十五號」文學界雜誌社、1895(明治28)年11月30日<br>(十三)~(十四)「文學界 三十六號」文學界雜誌社、1895(明治28)年12月30日<br>(十五)~(十六)「文學界 三十七號」文學界雜誌社、1896(明治29)年1月30日 |
底本 | 文藝倶樂部第二卷第五編 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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