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源氏物語15 蓬生

紫式部

『源氏物語』は青空文庫で公開されている紫式部の中編作品。13,889文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
13,889文字
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書出

道もなき蓬(よもぎ)をわけて君ぞこし誰にもまさる身のここちする(晶子)源氏が須磨、明石に漂泊っていたころは、京のほうにも悲しく思い暮らす人の多数にあった中でも、しかとした立場を持っている人は、苦しい一面はあっても、たとえば二条の夫人などは、源氏が旅での生活の様子もかなりくわしく通信されていたし、便宜が多くて手紙を書いて出すこともよくできたし、当時無官になっていた源氏の無紋の衣裳も季節に従って仕立てて送るような慰みもあった。

初出
底本全訳源氏物語 上巻
表記
新字新仮名
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