列車
太宰治
『列車』は青空文庫で公開されている太宰治の短編作品。3,283文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 3,283文字 |
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書き出し書出 | 一九二五年に梅鉢工場といふ所でこしらへられたC五一型のその機關車は、同じ工場で同じころ製作された三等客車三輛と、食堂車、二等客車、二等寢臺車、各々一輛づつと、ほかに郵便やら荷物やらの貨車三輛と、都合九つの箱に、ざつと二百名からの旅客と十萬を越える通信とそれにまつはる幾多の胸痛む物語とを載せ、雨の日も風の日も午後の二時半になれば、ピストンをはためかせて上野から青森へ向けて走つた。 |
初出 | 「サンデー東奧 二〇三号」1933(昭和8)年2月19日 |
底本 | 太宰治全集2 |
表記 | 旧字旧仮名 |
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