列車
太宰治
『列車』は青空文庫で公開されている太宰治の短編作品。3,342文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数 | 10分以内 3,342文字 |
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書き出し書出 | 一九二五年に梅鉢工場という所でこしらえられたC五一型のその機関車は、同じ工場で同じころ製作された三等客車三輛(りょう)と、食堂車、二等客車、二等寝台車、各々一輛ずつと、ほかに郵便やら荷物やらの貨車三輛と、都合九つの箱に、ざっと二百名からの旅客と十万を越える通信とそれにまつわる幾多の胸痛む物語とを載せ、雨の日も風の日も午後の二時半になれば、ピストンをはためかせて上野から青森へ向けて走った。 |
初出 | 「サンデー東奧」1933(昭和8)年2月 |
底本 | 晩年 |
表記 | 新字新仮名 |
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