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二つの頭

原民喜

『二つの頭』は青空文庫で公開されている原民喜の短編作品。1,020文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
1,020文字
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書出

日曜日のことでした、雄二の兄と兄の友達が鶴小屋の前で、鶴をスケッチしていました、雄二はそれを側で眺めながら、ひとりでこんなことを考えました……何んだい、僕だって描けますよ、鶴だって、犬だって、山の絵だって、駅だって、街の絵だって、みんな描けます、僕の眼にちゃんと見えるものなら、それをそのとおり描けばいいんだから、だからなんだって描けますよ、眼に見えないものだって、美しい美しい天国の絵だって、それもそのうち描けますよ雄二はだんだん素晴らしい気持になっていましたが、ふと何だか心配に...

初出「愛媛新聞」1951(昭和26)年2月号
底本原民喜戦後全小説下
表記
新字新仮名
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