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朝夕

林芙美子

『朝夕』は青空文庫で公開されている林芙美子の中編作品。15,932文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内
15,932文字
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書出

わかればなしが持ちあがるのも、すべてはゆきなりの事だと、芯から声をあげて、嘉吉もなか子もあはあはあはと笑ひあつたのだが、嘉吉の心の中には、ゆきなりとは云ひぢよう、ゆきなりの事だと云ひきれないものがあつたし、なか子の心のうちには、これからひとり者になつてゆく淋しさを愉しんでゐるふうな、そんな吻つとしたところがあつた。

初出「文藝春秋 13巻3号」文藝春秋社、1935(昭和10年)3月
底本林芙美子全集 第十五巻
表記
新字旧仮名
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