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いちぢくの葉〔夏の午前よ〕

中原中也

『いちぢくの葉』は青空文庫で公開されている中原中也の短編作品。219文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内
219文字
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書出

夏の午前よ、いちぢくの葉よ、 葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして 風が吹くと揺れてゐる、 よはい枝をもつてゐる…… 僕は睡らうか…… 電線は空を走る その電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる 葉は乾いてゐる、 風が吹いてくると揺れてゐる、 葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる 僕は睡らうか…… 空はしづかに音く、 陽は雲の中に這入つてゐる、 電線は打つづいてゐる 蝉の声は遠くでしてゐる 懐しきも

初出
底本新編中原中也全集 第二巻 詩Ⅱ
表記
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